髭日記

アメブロからのお引越し。

年末年始に結構観たから弾の補充はそこそこできたけど単発リリースになるとここに書く事が枯渇しちゃうんではないかと危惧し始めました。

116【ダイハード4.0】[3]と連続で深夜に放送してたんで(結局円盤で観直すんですが)。'07のシリーズ4作目。個人的にはすごく好き([1][2]の次に好き)なんですけどあんま評判は良くないみたい。まぁなんとなくわかるけど。原題はLive Free or Die Hardニューハンプシャー州の標語「Live Free or Die」(自由に生きるか、さもなくば死を)に由来する…そうです(Wikiより)。監督はリブート版[トータル・リコール]('12)を監督したレン・ワイズマン。相棒のマット役のジャスティン・ロングアダム・ドライバー(SW epⅦ〜Ⅸのカイロ・レン)がごっちゃになってどっちがどっちかわからないと思ってたりした。今作は娘のルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド、[遊星からの物体X/ファーストコンタクト])がキーパーソンになってて次作の[ダイハード・ラストデイ]では息子のジャック(ジェイ・コートニー、[ターミネーター:新起動/ジェニシス]のカイル・リース、[スーサイド・スクワッド]のキャプテン・ブーメラン)が相棒になるという流れ。娘が勝気(父親譲り)ですぐ手が出る性格(母親譲り)とか両親のいいトコ(悪いトコ?)を受け継いでるキャラ設定は上手くできてる。

ドアタマの20thCentury-Foxのロゴからイヂってくるのは好きです。遊んでる感が。冒頭の爆破のスイッチになるのがスケルトンのT-800だったり「デジタル世代の”ジェダイ”」とかちょっと嬉しくなるネタでまんまとクスッとしますね。娘(ルーシー)に「ジョン!」と名前を呼び捨てにされて『その呼び方はやめろ』と言い返すのは[アルマゲドン]で同じやりとりしてましたね。あと、FBI捜査官としてシリーズ通して3人目のジョンソンが出てきたのはたぶんシリーズファンへのサービス。そもそも、1作目であんなちっちゃかったルーシーを大人にして再登場させてくれてるのもサービスのひとつやと思ってる。ただ、マクレーンがヘリで飛ぶというのに違和感しかないし自分で操縦するとかちょっと設定を変え過ぎなんじゃないかな、と。どうせ飛ぶなら嫌がってるのをマットが『シュミレーターで経験ある』と言いくるめるか騙すかして操縦してマクレーンが横で愚痴を言ってる方がよかった気もする(まぁ非常時とはいえネットヲタクにヘリを操縦させるのもどうかとは思うけど)。使う銃が変わったり作中で乗る車が昔の車ばかりじゃなく最新装備の車になったりと時代を反映してる中でマクレーンだけは苦手を克服したりするアップデートをできてない…って方が良かったんじゃないか、と。

今作の敵ボスはちょっとパンチが弱いというかスキルと怖さが釣り合ってないというか。メンタルがブレブレの弱弱に見えちゃうのよね。このシリーズの悪役はクールでエレガントで余裕綽々で上からマクレーンを蹂躙して欲しいの。たぶんシリーズ通して1番頼りなく見える。カリスマ性も皆無。やろうとしてる事ややってる事はとんでもないんやろうけど。[1]のハンス、[2]のスチュアート、[3]のサイモンがほぼ理想の悪役だったから余計に。その敵ボス・ガブリエルの恋人で仲間のマイ・リン(マクレーン曰く「すぐ人を蹴る女」)は[M:i:3]でランボルギーニを爆破したゼーン・リー役のマギー・Q。部下の1人でパルクール使いの『ハムスター野郎!』ランド(シリル・ラファエリ。ガチのスタントマンであり俳優)がとてもいい味出してるキャラ。あと、後半に出てくるワーロックのキャラが良いから使い方がなんかもったいない。こっちがマクレーンの相棒で《アナログ親父&ガチヲタク》のコンビでもおもしろかった気もする(画ヅラの問題はあるでしょうが)。

ラストの決着の付け方が好きなんですよね。味方ごと撃つ、人質ごと撃つ、そんな機転であっと驚かせた主人公はいたけど《自分》のパターンは初めて観た気がする(しれっとラスト言っちゃう)。とてもマクレーンぽい気もするし。ただ、途中で戦闘機が出てきた時は映画館でちょっと引き笑いしたけどまぁこのシリーズならやっちゃうわなとも思った。宇宙行かないだけまだマシかな、と。今作からCGが盛り盛りに使われてるから派手さやスケールはデカくなってるけど若干のtoo much感は正直なところある。『なんでもありになっちゃうやん』というか。前作までの脚本・プロットがほぼ完璧な出来やったから余計にパワープレイ感がなくはない。ただの〈おもしろいアクションエンタメ映画〉になっちゃってるのもぶっちゃけ否めない。でもおもしろいんですよ。アイデア自体はいいんです。トンネルでのクラッシュシーンや送電所のシークエンスとか。シリーズ通してのファンなので補正かかってるけどね。ただ、好きな立場から敢えて言うなら『ダイハードの冠要らなくないか?』

あと、[3]でも書いたけど《見せかけて》のトリックがなくて(なくはないけど)そこが1番の失念点でネックの作品(まぁ敵ボスもネックっちゃあネック)。それが理由でステレオタイプの〈アクション映画〉になっちゃう。そこが評価が良くない最たる理由やと思う。脚本、伏線、その回収の秀逸さがこのシリーズがおもしろい理由でもあると思うし。展開がちょっとフラットになっちゃってる。フラットというか"薄っぺらい"。それ以外は当時の考えれる最新の〈テロ〉を描いててリアルなんじゃないかなと思う(現実味があるかどーかは別にして)し、素材としての目の付け処はいいと思う。でもやっぱり1番の問題は《脚本》かなぁ。

ルーシーの鼻っ柱の強さや頭の回転の速さは観応えもあるので製作側が安直な考え方なら親父の跡を継いで娘版を作るという血迷った考えになってもおかしくはないけどそれをしていないのはちょっとした救い。マクレーン主役作品がもう作れないし、ネタに困ってこれからやる危険性もゼロではないけど。でもキャラや俳優に魅力があるのでダメ元でNetflixさんあたりが試しにドラマでも作ってくれたらたぶんぼくは観る。おもしろいかどうかは別の話やしよっぽどの駄作じゃなければ文句言わない。敵に拘束されてる時にホルスターの銃で足を撃ち抜くのを親子揃ってやった時は『(親子関係を)上手いこと使うなぁ』とニヤけました。

あと、マクレーンが今作からタバコやめてるのがとても残念。


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勝90

分19

負7

ここから新年明けての内容になりますので『おめでとうございます。今年もどうぞよしなにお付き合い下さい』と言うタイミングでもないようなギリギリ間に合ってるような(間に合ってない)

115【ダイハード3】正月早々夜中に地上波で放送してたので大好きなシリーズやから当たり前のように観た…けど途中から結局円盤で観た。'95のシリーズ3作目。原題は[Die Hard:With a Vengeance]。『Vengeance』は『復讐』。この意味はちゃんと1作目とも繋がってる。前作[ダイハード2]が'90年なので5年の間隔(ちなみに[ダイハード]〜[2]の間隔は2年)で[2]から話が続いてる(なんなら[1]から続いてるし今作はそこがキーポイント)。監督は1作目のジョン・マクティアナンが復活。

1作目は〈高層ビル〉、2作目は〈空港〉というスリリングなクローズドプロットだったのに対して今作はニューヨークの街全体が舞台。1作目は無線で繋がったパウエル、2作目は空港職員(バーンズであったりアーヴィンであったり)と間接的な協力者がいたけどベースは孤軍奮闘。でも今作(正しくは今作以降)は具体的なパートナーが加わってる。その今作でのもう1人の主役のゼウスがサミュエル・L・ジャクソン。最初観た時は『マクレーンの魅力を半分持ってった』と思ったりしたけど何回か観てると逆に魅力をカサ増ししてくれてるとも思えるようになった。だから最初は今作に対する評価はあまり良くなかったです。何回か観た今では好きですけど。敵役のサイモン(ジェレミー・アイアンズ)が1作目のハンスを超えるくらいカッコイイ。そしてとてもエレガント。ちなみにDCバットマンの執事アルフレッド役の人。弟(ハンス)はドイツ訛りの台詞でしたけど兄貴は若干の英国訛りの台詞(ドイツ出身なのでドイツ訛りも混ざってますが)(2人とも英国の俳優です)。機会があれば字幕版で台詞を聞いてみて下さい。色っぽくて品があります。

このシリーズのキモは伏線の見事さと《見せかける》トリックの秀逸だと思うわけです。1作目がテロと"見せかけて"金庫強盗、2作目が味方だと"見せかけて"空砲を使った敵の仲間、今作もマクレーンへの私怨と"見せかけて”金塊の強奪。その脚本が見事。一つ一つの事案が繋がってるのもものすごく綺麗。最初の爆発は威嚇の意味があって地下鉄爆破もちゃんと意味がある。上手いことミスリードしてくれる([2]は派手さに振り過ぎてちょっとこの点が雑だったけど)。次作からはその辺がなくなって(なくなってはないけど)シンプルになっちゃうのよね。

元々はシージャックのストーリー(①がビル(陸)、②が空港(空)となれば③が海になるのはそりゃそうかと)になる予定が変更になってその浮いた脚本が[スピード2]になったのはちょっと有名な話。劇中の『Simon says』の言葉遊びはあまり日本では(ぼくだけ?)馴染みがないのでちょっと残念というか知ってればもっと楽しめた気はする。

ちなみに今作は奥さんのホーリーもTVレポーターのソーンバーグも最初の相棒のパウエルも出てこない。そん代わりに署の仲間が活躍します。特にチャーリー。トンネルの中でサイモンが荷台の130億ドルの金塊でマクレーンを買収しようとして断られますがその後の放水から逃げるマクレーンがダンプをターンさせる時に荷台は空っぽになってます。

マクレーンは腕時計の文字盤を内側にしてるんですよね。所謂、女の人が多くするつけ方。過去に山登りが好きで好んでこのつけ方をしてる人がいました。「色んな作業をしてる時に同時に時計を見るには内側の方が見やすい」とか「外側に文字盤があると余計なトコロにぶつけてしまう」とか聞いたことあります。普通に立ったり歩いたりする際も外側の文字盤を見るより内側を見る方が腕を捻るアクションがひとつ省かれるのも確か。だからもしかしたらマクレーンも銃を構えながらでも時計が見れるからこのつけ方をしてるのかもしれないですね。まぁ1作目から同じつけ方なのでただ単にブルース・ウィリスのつけ方なのかもしれんけど。

ジョンは今作までベレッタを使ってるけど次作の[ダイハード4.0]('07)ではSIGに変わってる。米国軍の正式採用銃がベレッタからSIGに引き継がれたのが'17なのでそれよりだいぶ早い。銃繋がりで言うと、今作のクライマックスでマクレーンの射撃の腕前がすごいような描写がされてるけど、これは1作目の原案になってる小説で《射撃名手の私立探偵》と描かれてる主人公の名残なのかと個人的には思ったりします。

 


1作目と2作目は舞台がクリスマスなので毎年クリスマスに観てるけど今作は真夏なのでなかなか続けて観る事がないから今回の地上波放映のきっかけはちょっと嬉しい。やっぱりこのシリーズはおもしろい。大好き。

'24で1本目の映画。


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勝89

分19

負7

ちょっとハシヤスメ

'23に観た分が済んだのでキリのいいタイミングでちょっと今回は趣旨を変えてみます。

'23年に観た中で良かった作品5本を考えてみました。約110本観た中でのベスト5。その中ではじめましての作品5本です。


トップガン・マーヴェリック

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THE FIRST SLUMDUNK

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魔女〜The Witch〜

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THE BOYSシリーズ

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ゲットアウト

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まぁ細かい話[マーヴェリック]のはじめましては'22の劇場ですけど。配信で観直したのが'23になりますか。コレはぼくのベスト10に入るんじゃないかってくらい良かったです。前作へのリスペクトや愛が溢れるくらい詰め込まれててとても良かったです。

ちなみにベスト10をサクッと挙げると


DIEHARD

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プロジェクトA

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スターシップトゥルーパーズ

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レザボアドッグス

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ロビンフッド(ケビンコスナー版)

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スティング

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ローグ・ワン

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ランボー・最後の戦場

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M:I-2

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トップガン・マーヴェリック

 


です。入ってますね、[マーヴェリック]。なんかミーハー感出てますが。このベスト10の作品が地上波やBSで観れる機会はほとんど逃さず観てると思うしこれからも観ると思います。重複してる作品はアレコレ書くのはよっぽどじゃない限り端折るでしょうけど。


[スラダン]はど真ん中世代なのでモロハマりしました。[マーヴェリック]とタメ張るくらい良かった。劇場に何回も足を運んだくらい。何回でも観れるしまだまだ観たい。基本、映画は独りで観たい人なんですけど、この作品に関してはスラダン好きな人と一緒に観たいと思っちゃう。


配信で観て1番出会えて良かったのは[魔女]です。ラッキーでした。なんとなく観た作品ですけど大当たり。シリーズが続くらしいので追いかけちゃいますね、これは。


同じくらいのラッキーが[THE BOYS]のシリーズ。わかりやすいくらいハマりましたね。新シリーズの予告がもう出てるので既にワクワクしてます。観た人とアレコレ話したい作品。


作品自体の完成度というか唸らされたのは[ゲットアウト]。同じくはじめましてだった[ショーシャンクの空に][グリーン・マイル]も完成度(まぁ主に脚本ですが)はとても良かったけど[ゲットアウト]は抜き出てました。"好きな映画"かと言われればちょっと微妙ですけど"いい映画"でした。[ショーシャンクの空に][グリーン・マイル]とかの"いい映画"とは少し違うけど。明るいサクッと観る作品ではないと思うけど薦めたい作品ですね。

その次くらいに名前が浮かぶのは


イコライザー

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ジョーカー

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グリーンブック

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ですかね。若干の〈今更〉感はありますが。ワイスピのシリーズを知ったのも'23でしたかね。[羊たちの沈黙]を久し振りに観て脚本の凄さを改めて知ったり。

約110の半分以上はまた観直したり円盤持ってたりでしたけど、以前に比べると偏りは若干減ったんじゃないかな。88勝19分7敗という事で、良かったのが88作、微妙なのが19作、やられたのが7作という感想。上映期間中に行けずに観たくても観逃した作品もいくつかありました。配信か地上波やBSで放送されるのを楽しみにしながら好きだった作品を観直す機会はもちろん、観たことない『はじめまして』の作品に手を出す機会も増やしたいなと思ってます。

ここまでの書いてる事が昨年末になってますと正月気分もとっくに消えたあたりに書いてます

114【スピード】年末に地上波で放送してたので久し振りに。最初は録画したのを観てたけど吹替にちょっと違和感を感じたので(円盤にしようかと思ったけど)アマプラで観直した。

監督は続編の[スピード2]、[ツイスター]、[トゥームレイダー2]のヤン・デ・ボン。'94年のまぁ大ヒットした作品。主演のキアヌ・リーブスが[ハートブルー(原題:Point Break)]で注目され出した人気を確実なものにした作品で[マトリックス]('99)と並ぶ代表作。もう1人の主人公のアニー役のサンドラ・ブロックも一躍有名にした作品で、[イージー・ライダー]のデニス・ホッパー、[T2]のマイルズ・ダイソン役のジョー・モートンなど共演も豪華。今回の地上波ではジャックの声がこち亀アニメの中川の宮本充さん([マトリックス]のネオも同じ)、爆弾魔・ハワードの声を野沢那智さん、アニーの声がポケモンのサトシの声の松本梨香さん。別に吹替作品としての落ち度はないんですけどハワードの声の那智さんが[ダイハード]のマクレーンなのでブルース・ウィリスの顔がチラついちゃう(だから字幕版に)。

ストーリーがシンプルだけどとてもいい。アイデアで既に勝利してる感じ。そしてそれ以上にテンポがいい。いい感じのクライマックスがずっと続いてるようなテンポですごく観やすい。今観ると確かに粗は目立つかな。暴走するバスがコマ落としになってて周りの風景がおかしいとか、ジャンプするバスとか(でもあのバスはCGやミニチュアではなく実際のバスを飛ばしたとか)、冒頭の爆破シーンで飛んでる瓦礫が発泡スチロール丸出しとか。あと、個人的にはエレベーターのシークエンスとかでアタフタするハワードの姿がなんか年寄り臭く感じちゃって極悪感が薄れちゃう。

ちなみに続編はちゃんと世界線繋がってます。ジャックとアニーもこの作品の後でつき合いますし。ただ、繋がってるのとおもしろいのとはまた別の話。[2]を観た事がない人、別に薦めません。そのまんまで大丈夫です。


ジャックのしてるG SHOCK。真似して買って同じの持ってました。


'23のラストの映画。


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勝88

分19

負7

リリースは年明けてるけど書いてる内容はまだ年末の事なのでここでの新年の挨拶はまだ早いのかどーなのかというどーでもいい事を考えたり考えなかったり。

12/24に毎年恒例の[DIE HARD]を、12/25に[DIE HARD2]を観たんですけどさすがにもう書くのもカウントするのもパスしました。毎年観てるから。でも何回観てもおもしろい。相変わらず[1]のシナリオが最高でした、とだけ。史上最高のシナリオやと思います。裸足、写真立、腕時計、旧姓、苦い過去etc、全てが伏線で全てに無駄がない。さすがぼくのベストofベスト。最高。[2]のスケール感もたまんない。[1]の完成度には敵わないですけど。

 

 

 

 


113【ワイルドスピード・ファイヤーブースト】(初)/シリーズ10作目で原題はFast X。10(X)作目って事をタイトルに持ってくるセンスは好き。アマプラにラインナップされたので早速。

おもしろいんですよ。派手で。見映えするし。でも毛色が変わってきてる気がする。派手さが先行しちゃってるというか。某インポッシブルみたいになんか「スケールをデカくしなくちゃ」という呪縛に縛られてるというか。個人的にはストリートレースの頃の作風は好きじゃなかったですけどシナリオや中身はあの頃の方が詰まってたと思う。CGに頼りすぎてメッキばかりが濃くなってるというか。そもそもこんなに簡単に車ぶっ壊さなかったでしょ。敵対してた相手が仲間(ファミリー)に加わる流れも死んでたキャラがしれっと復活するカードも過去に観てるから奇策としては弱くなっちゃってる。ベタな流れが好物なので個人的には嫌いじゃないけどパンチとしては弱いよね。というか読めちゃう(ジェイコブもたぶん…)。一度"派手さ"で勝負するんではなくて"シナリオ"で勝負してリセットしてみたらいいのになと思ったりもします。

ただ、いかんせん主人公たちが所謂〈悪人〉なのがここにきてちょっと邪魔になってる気もする。立派な事を言ったりしたりやってる事は正義の味方なんですけども。いくら恩赦で犯罪履歴がなかろうが。作中でも『タンクローリー襲ってたよな』みたいにやんちゃ武勇伝みたいに言われてもさ。今回の事の発端だって結局は自分らが蒔いた種なわけやし。それこそその[メガMAX]あたりの金庫奪う話くらいまでなら強盗団の延長みたいに観れてたけど、そこからあまりにも〈ヒーロー化〉して描かれてしまってる気もするし、そーなると先述の〈悪人〉ていう肩書きが”要る"のか"ない方がいい”のか。そんな諸々を踏まえてもド派手アクションが好きな人やシリーズのファンなら手を叩いて喜ぶと思うんです。そんだけの勢いはある。ただ、粗が気になる、ご都合主義が気になるような一定数の人たちが過食を感じたりしないかという危惧もある。

ダンテ(ジェイソン・モモア)の人を食った掴みどころのないサイコパスなキャラは悪役としてほぼ満点なんじゃないと思う。あのノリで何をしでかすかわからない恐怖はたまらない。サイファーとはまた違った怖さ。[スカイフォール]の敵ラウル・シルヴァにちょっと似てるというか。相手を不快にさせる才能に長けているキャラ。

ストーリーは次作に繋がってるそうで。ダンテを次でしっかりやっつけてトドメを刺しておかないとその次か次の次くらいに味方になって戻ってきちゃうよ(まぁトドメを刺しても戻ってくるんでしょうが)(そもそもそこまでシリーズ続くのか知らんけど)。

派手さは嫌いじゃないです。


そーいえば、トンネルの中でダンテのフォード・フェアレーンが加速した時にタイファイターの飛ぶ音が聴こえませんでした?

あと、一応観返したら冒頭のオフィスに青いスーツのマッチョがちゃんと座ってた。


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勝87

分19

負7

読んでくれてるツレから「何個も並べてダラダラ書くより一個づつの方がまだ読みやすいやろ」と言われて『それはそれで言われてみれば…』と思ったのでちょっと試験的に単発でリリースしてみます。確かにサムネイルではひとつ目の画像しか見れないので目次代わりの役目としては微妙やなとは思ってたし。それで選んで好きなのだけ読んでもらうのも確かにありっちゃあありかな、と。放出する頻度は増えるけど一個あたりの長さは抑えれるから読んでもらうのも負荷が減るかもしれないし。

112【女優は泣かない】(初)/やっと公開されたので劇場にて(こちらでは12/22より公開)(『こちら』と言っても隣県ですがね)。我が推し(伊藤万理華さんの事です)の出演作品。さすがにまだ公開中なので言葉を選びましょう。

'23は彼女にとって[日常の絶景](テレ東)、[時をかけるな、恋人たち](カンテレ)、[ミワさんなりすます](NHK)とドラマや[まなみ100%]の映画で活躍してる姿を見せてくれた([まなみ〜]は観れてませんが)。その一年の締めくくりとしての今作。主演作の[サマーフィルムにのって]で演じた時代劇ヲタクの女子高生・ハダシの未来の姿にも見えなくはないというか。ただ、変に媚びるようなtoo muchな寄せる演出がなくてソコはよかったかな、と。でもハダシみたいにまた水に落ちた…とこっそりニヤけました。前に『免許が要る仕事があるので取った』と言ってたのはこの役なんでしょうね。ぼくが個人的に1番『お!!』と思ったのは運転シーンではなくホテルでくつろいでて同僚の出世を知る時。あの仕草は初めてでしょう。とても良かったです。

あさひなぐ ]、[賭ケグルイ]、[サマーフィルムにのって]に並ぶくらいのいい作品(『出しろがある』という意味で)で繰り返し観ても楽しめますわ。推しの演技で1番好きなのは[あさひなぐ ]の野上先輩。ここだけの話、他のメンバーよりもありゃ1番〈俳優〉してた。推しの演じたキャラで1番好きなのは[賭ケグルイ]の犬八。ビジュアル・キャラともにドストライク。それに並ぶとまでは言わなくても、いい味出してる今作の〈瀬野咲〉。前半のいいペースメーカーになってたんではないですかね。

補正バリバリかもしれませんが、推しの演技で《目》が好きなんです。視線の向きひとつ、目の光の強弱で演技しちゃうんです。たまらなく好きです。表情とかよりも(もちろん表情も好きですよ)そーゆー”一部"で演技しちゃう。眉毛ひとつ動かして表現したり口角を動かすことで演技したり。[HOMESICK]で親の隣で純粋無垢でありながら不安的な心情を目線だけで表現したり、[お耳に合いましたら]でみんながいなくなった翌朝の目の光の弱さ、[時をかけるな、恋人たち]で本部からの伝達を伝えた後の『仕方ないじゃん』を眉毛の動きだけで魅せる。あげたらキリないけど今作も苦悩してる心情を細かい所作で表現してくれてたと思います。

タイトルの[〜泣かない]を最後にあの使い方するのは上手かった。それまでに何度も泣きそうな、泣いてもいいシーンがあったのにそこはしれっと流して最後に切ったカード。それもある意味〈逆張り〉のような使い方で。とても上手いと思いました。ただ、声のトーンはもっと抑えたドヤ顔でも良かったかなと個人的な好みはありました。”高飛車女優に戻った”くらいの。


『頑張りんしゃい』が1番効きましたわ。

泣いた。

 

奇しくも鑑賞した日が12/24。推しからクリスマスプレゼントを貰ったような気がしました。

 


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勝86

分19

負7

こーやって書き連ねてほぼ一年が経ったと思うという事は今年ももう年末であと少しで終わっちゃうけど年賀状とか年越しの準備は何もしてないけど取り敢えずメリークリスマス(全然[メリー]じゃないけど)

103【インビンシブル~無敵のヒーロー~・SEASON1】(初)/[TOKYO MER]と並行して観た。コレもアマプラオリジナル。[ボーイズ]を薦めてくれたツレに次に薦められた。系統が同じとの事で。今回はアニメ。前で懲りて(懲りてというか信頼して)今回は素直に観ちゃう。『インビンシブル(invincible)』の意味は『無敵』。〈The Invincibles/無敵の者達〉は無敗優勝したチームの称号とかにも使われたりします。

'21年の作品。[ウォーキング・デッド]の原作者のロバート・カークマンのコミック('03〜)が原作。海外のアニメのタッチがすごい。クセ強タッチ。昔のアニメ感。アニメというより〈CARTOON〉感というか。薦められた時に『最初は絵が受け付けないかも』と言われたけどやっぱそう。受け付けるのに時間かかった。感情移入がしにくいしにくい。改めて再確認しましたけと、日本のアニメって凄いんですね。表情やディテールだけじゃなく動きやもっと言えば〈線〉までもが繊細で。今作については”敢えて”そーしてるのかもしれんけど、ガキの頃に観た[ゴールドライタン]とか[スパイダーマン]や[アラジン]とかの絵のタッチと変わってないもん。海外のアニメって言えばDisneyとかPIXARとかのフルCGの印象は強いし『そりゃフルCGならキレイよ』的な感覚があるから『今このタッチ?』みたいな軽い衝撃はある。これは好き嫌いありそう。日本のアニメを観てる人には特に。ド深夜にこっそり放送してるようなウルトラマイナーアニメでももっとキレイな作画やと思うもん。

観た後でこんなん言うのも本末転倒みたいですが、やっぱ同じような内容を観るにしても実写の方が何倍もおもしろい。撮影の技術や特撮の凄さも含めて。ただその辺のレベルが〈追いついてない〉場合は観るに耐えないモノになっちゃいますが。そん時は『それならアニメの方が…』とか言っちゃう事もありますけどね。

[ボーイズ]ほどのペースでは観れませんでした。でも、ここでやりたかった事を上手くブラッシュアップして[ボーイズ]を作ったような感じもするので観ておいて損はない。毎回のタイトルの使い方は好きでした。画のクセは途中からだいぶ気にならなくはなりましたね(ゼロになったワケではない)。


◯(△に近い)

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104【インビンシブル~無敵のヒーロー~・SEASON2】(初)/'23年の続編。こんな最近の作品やとは調べるまで気づきませんでした。なんか気づいたら配信してる第3話まで追いついてた。どえらいトコで終わります。てか、全部回収できるのか?

シーズル3も制作が決まってるとか。もうここまで来たら追いかけたいですね([ボーイズ]たちの方をはよ追いたいけど)。


○(3話までという途中での採点になるのでどーしようかと思ったけど取り敢えずは○)

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105【ブロークン・アロー東海テレビの深夜に放送してた。'96年の作品。主演のクリスチャン・スレーターケビン・コスナー版[ロビン・フッド]、[トゥルー・ロマンス]、[インタビュー・ウィズ・バンパイア])や監督のジョン・ウー([男たちの挽歌]シリーズ、[M:i:2]、[レッドクリフ])が勢いのあった頃。憎たらしい悪役のジョン・トラボルタが見れます。悪役を演じ始めた最初の作品くらいじゃないかな([パルプフィクション]('94)のヴィンセントはゆーて"悪役"ではなかったと思うし)。いい悪役です。煙草を美味そうに吸う。クライマックスでテリーに暗証番号を入力させるくだりとかたまらなく良い。最期の死に方もイイ。国防長官役が[ロボコップ]のクラレンス(カートウッド・スミス)。この人、見かける役のほとんどが善人役なのに真っ先にイメージするのがクラレンス。まぁ良いのか悪いのかそれだけあの役にインパクトがあったんでしょう。紅一点のテリー(サマンサ・マシス)がなんやかんや言いながらそこらへんのボンドガールよりもずっと役に立つ…というか活躍する。

今観ても爆破シーンやアクションはジョン・ウーらしくまぁド派手(ヘリがトンネルにぶつかるシーンとか雑なのもあるけど)。ただ今観ると台詞回しや会話とかがいちいちテンポが良くない。[男たちの挽歌]の頃のキザで古き良きウィットに富んだ台詞が多いからかな。ひと昔前のテンポ。〈ハリウッド〉に憧れた人が〈ハリウッド〉を意識して(意識し過ぎて)撮ったみたいな感じ。いちいちtoo muchなの。トラボルタは粋に見えるのにスレーターが狙い過ぎのキザっぽく見えるのは格の違いなのかな(個人的な偏見)。トラボルタの悪役が思いの外活きてるのでそれに対するスレーターがちょっと青二才感が拭えなくてバランスが悪い気もする(この吹替版は宮川一朗太さんの声なのでさらに青二才感が増す)(これもど偏見)(宮川さんごめんなさい案件)。対するトラボルタの声はジェイソン・ステイサムソン・ガンホ(パラサイトの父親)、ウィレム・デフォースパイダーマンのグリーン・ゴブリン)、ヒュー・ジャックマンウルヴァリン)の本格派・山路和弘さん。さすがです。

魅せ場のひとつの鉱山坑道での爆破シーンはよかった。なぜ核爆発が起きても大丈夫なのかの理由までの流れもスムーズ(物理的にホンマかどうかは知らんけど)やしその影響がディーキンスにも上手く作用してる。この辺は上手い。蝶の使い方もお上手。個人的には爆発する直前に鹿が異変を察する描写を入れてるセンスがすごく好き。なくてもいいシーンやけどあるだけで全然違う。あのたった1秒のシーンを入れると入れないのでは印象が変わる。ホンマにセンスいいと思う。ただ、終始ボクシングを絡めたやり取りは今観るとかなりチープに感じちゃう。昔は『お!』と思ったのにね。

尺が100分くらいなのでサクッと観れる作品。クオリティーは[フェイス・オフ]の方が上やと思う。でも、おもしろいですよ。難しい事考えずに観れる映画。ただし、難しい事を考える人が観ると物足りなく感じそうな映画。

フレーム下にある折り畳みのフォアグリップが特徴的でロングマガジン、3点バーストがベースになってる対テロリスト用に開発されたベレッタ93Rが1番印象的に使われてる映画。ちなみにこの銃をベースに作られたのがロボコップの〈オート9〉。


今作もジョン・ウーは鳩使ってない。

 

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106【インビンシブル~無敵のヒーロー~・アトム・イブ】('23年)[インビンシブル]の前日譚にあたるスピンオフのスペシャルエピソード。『シーズン202』ってなってる。まだエピソードはひとつだけ。イブの出生から能力の覚醒、ヒーローになるまでを丁寧に描いていて中身がしっかりしている。もちろん[インビンシブル]を観てから観た方がいい(観てなけりゃたぶんちんぷんかんぷん)。

ちょっと画のクオリティーが日本のアニメっぽくなってる気がする。バトルシーンとか普通に観れるレベルやしなんならちょっとカッケェ。[インビンシブル]の時より観応えある。キャラデザとかは相変わらずやけど。

コレはコレで十分おもしろいので続きは観てみたい。


○([インビンシブル]より評価は高いかも)

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107【ブレット・トレイン】(原題:Bullet Train)(初)/'22年の作品。アマプラにて。[ボーイズ]のキミコ(福原かれん)がクレジットされてたので観てみることに(ほぼコレが目的)。監督は[ジョン・ウィック][アトミック・ブロンド]のデヴィッド・リーチで原作は日本の小説(伊坂幸太郎の[マリアビートル])との事らしいです。

B級でした。びっくりするくらいB級。ブラピ出てるし監督もデヴィッド・リーチやし予告とかをよく目にしてたからそこそこの大作…とまではいかなくてもまさかこんなB級やとは思ってなかった。嫌いじゃないですけどね。なんか"タランティーノ感"満載のタランティーノ関係ない映画。そんでそのタランティーノ味がちょっと邪魔な気がする(あかんがな)。てか、タンジェリンとレモンが[パルプ・フィクション]のヴィンセント(トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)なのよね。ちなみに、[パルプ・フィクション]ではブレット(Brett)ていうギャングの一員がアタッシュケースを盗むというこれまた偶然とは思えない偶然(偶然なのか?)もある。

キャラの個々の魅力はいいと思うんですよ。ただちょっと盛り付けが多過ぎる。列車内というクローズドなプロットでこんなに具沢山やとパンパンなのよ。タンジェリン役のアーロン・テイラー=ジョンソンって[キックアス]のあのパッとしない青年(ゆーて主人公)なのね。全然わからんかった。レディバグが“天道虫"の由来を説明される時にブラピに『7つの悲しみはごめんだ』て言わせるのはちょっと笑った。[セブン]やん。キミコが普通に台詞を喋ってるのがちょっと新鮮でした。ただ、金髪やから一瞬気づかなかったぞ。あと、個人的にはできるならホーネット役と代わって欲しかったです。もうちょっと出番が欲しかったかな。まぁチャニング・テイタム([ホワイトハウス・ダウン]、[ザ・ロストシティー])やライアン・レイノルズ([デッド・プール])2人カメオ出演サンドラ・ブロック([スピード]、[ゼロ・グラビティ])の贅沢な使い方に比べたらまだいい方かもしれんけど。『I got a bad feeling about this』の台詞を聞けるとは思ってなかった。終盤の伏線回収というか答え合わせ(帳尻合わせ?)は観てておもしろかったんですけどね。

個人的には少し前に観た[トレイン・ミッション]の方が中身がしっかりしててずっとおもしろかった気がする。ちょっとコミカルな味付けを強めにしちゃったかなぁというところが逆になんか残念。

 

△(もう少しで○になる△)

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108【スーサイド・スクワッド】(原題:Suicide Squad)(初)/'16年の作品。円盤持ってるけどアマプラで(探し出すのめんどくさい)。コレもキミコ(福原かれん)出てるのでそれ目当てで。ベースになってるのはDCコミックらしいですが、読んだことがないので知識はないです。劇場公開当時はすごく観に行きたくて結局行けなくて円盤を中古で見つけた時はやっと見つけたと思って即買いしたんですけど結局その円盤はまだ観てないという作品。

冒頭でスーパーマンが亡くなった世界線と言われて『は?』てなったけどDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)の前作(今作がシリーズ3作目)にあたる[バットマン vs スーパーマンジャスティスの誕生]の続きの世界線になってるんですね。そんなん聞いたらそっちも観たくなるな。

《悪と闘う(善側の)悪》というプロットはいいと思うんですよ。ただその《悪》としてのパンチが弱く感じちゃう。まだ《善》がチラ見えしちゃう。とことん《悪》で《外道》を貫いて欲しいというか。まぁ[ボーイズ]を観ちゃってるから《悪党》への抗体ができちゃってるってのもあるかも。アレくらいおもっきりはみ出してくれてたらずっとおもしろくなってたと思っちゃう。お互いのカウンセリングみたいな事をして慰め合ったり仲間の為に命を懸けたりするのは《ヒーロー》のやる事なんですよ。それはヒーローの映画で観てるからこの作品で観たいワケじゃない。そこの描写がブレるから《極悪》のはずのメンバーより役人の方がよっぽど《外道》なのが際立っちゃう(逆か?)。

だからなのか思ってたよりB級感が。続編とか関連作品とかできてるみたいやからもっとメジャー感あると思ってた。前に観た[ガンパウダー・ミルクシェイク]とかに近い感覚。[キル・ビル]とか。一作目の[ジョン・ウィック]とか。『なんかのスピンオフ作品』感があるというか。

1本の映画じゃなくてドラマシリーズで丁寧に描けばずっとおもしろくなる素材やと思いますけど。駆け足で2時間でやっちゃうからハレー・クインくらいしか印象に残らなくなりそう。他にもあるのに。ジョーカーもいい感じやし。いい食材が揃ってるのにチャチャっと料理しちゃった感。それかシェフの技量なのか。ただ、エンチャントレスは封印されてる時のビジュアルはほぼ満点の雰囲気なのに心臓を取り戻した完全体がツルッツルの健康体で逆に魔女の威厳がなくなるというトホホ感。個人的にはお目当ての〈カタナ〉が予想してたより([ブレット・トレイン]より)魅せ場が多くてよかったのと、炎を操るエル・ディアブロがカッコよかったですね。

DCもマーベルもほぼ素人なのですごく素人みたいな事言いますけど、DCよりマーベルの方がスケールデカいんですね。


△(○にしてもいいくらいの△)

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109【パルプ・フィクション】ホントは[ブレット・トレイン]の後で続けて観ようと思ってたんやけど。'94年の作品。そんな前なのね。円盤持ってっけどアマプラにて。

エピソードの時系列がシャッフルされてて通して観ると整理されて繋がるっていう当時としては『え?』『は?』てなった〈タランティーノ・メソッド〉というか今作以降に色んな作品で取り入れられた手法というか。それが上手くハマってるのは前作の長編デビュー作[レザボア・ドッグス]よりも今作の方じゃないかと思う。絡み合うエピソードが少なくてまだシンプルかと。前作は登場人物分のエピソードあるからね。ただぼくは[レザボア・ドッグス]の方が好きです。(今作も好きですけど)。

これは字幕で観た方がいい作品。スラングがしこたま使われてるけどそれ込みで味になってるから。

ブルース・ウィリスの声とタバコの吸い方はやっぱり好きですね。吸い方は1番好きかも。めっさカッコイイ。喫煙のシーンが少なくなってきてる昨今でこれほど旨そうにタバコ吸う人はあんまいない。声のせいで台詞も粋に聞こえる。彼の声が聴きたくて吹替にしないまである。もっと観たかった大好きな俳優さんです。

今観ると繋がり方にちょっと雑味を感じなくもないけどそれでもちゃんとおもしろい。音楽もイカしてる。偏見まみれでモノを申すと『この映画の良さがわかるとセンスがいい。わからないようならセンス悪い』みたいなモノサシにされそうな映画。そんな事はないとは思うけどね。映画ヲタクのタランティーノが好き勝手に自分がおもしろいと思うモノを形にしたらこんなんなりました…みたいな映画。終わり方も『え?終わり?』ってなるでしょうけどあの幕引きはなんか奇妙な余韻が残る。後味が残ると言うか。それも甘かったり美味しい味じゃない後味。おもしろいですよ。

 

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110【コン・エアー】(Con Air)。'97年の映画(四半世紀前の映画かよ…)。深夜に地上波で放送してて字幕にして観ようと思ったら地震の影響で津波注意報が画面に出てるのが原因(たぶん)で字幕表示ができなくなってたっぽいので円盤に切り換える選択肢もあったけど吹替のまま視聴。ただ、主人公のキャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)の声を我らが大塚明夫さんがやってるので結果的に吹替版も全然ハズレじゃない。

タイトルの《コン・エアー》は囚人輸送などの空輸隊の意味。

豪華です。キャストが。[ザ・ロック]('96)[フェイス・オフ]('97)で勢いのあったニコラス・ケイジを主役に、ジョン・キューザック([2012])、ジョン・マルコヴィッチ([RED]シリーズ)、スティーヴ・ブシェミ([レザボア・ドッグス][アルマゲドン])、ヴィング・レイムス([パルプ・フィクション][ミッションインポッシブル]シリーズのルーサー役)などなど。『どっかで観たことある』人にたちがいっぱい。ちなみにシボレーを勝手に使われた挙句にあんな事になったマロイ捜査官(コルミ・ミーニィ)は[DIE HARD2]で見せしめとして墜落させられたウィンザー114便の機長。監督は今作が長編映画デビューで後に[トゥームレイダー]も撮ったサイモン・ウェスト

サイラスの極悪っぽさがいいです。ただの知能犯だけじゃなくて自分で引金を引く残忍さもある。いい悪役。本来ならラスボスできそうなヴィング・レイムスの演じるダイヤモンド・ドッグが側近にしか見えない。サイラスがウサギのぬいぐるみを人質に取るシーンが1番好きです。センスある。

クライマックスのホテルに突っ込むシーンは廃業して解体予定だったラスベガスのホテルに買い取った廃棄旅客機を突っ込ませての一発撮影だとか。知って観るとすごいのがわかる。衝撃でスロットの777が揃って大当たりするという素人でも思いつくようなワンシーンを入れるのが逆にすごい。

粗は正直目立ちます。そこをネチネチほじくる映画じゃないです。頭空っぽで(言い方)子供みたいに楽しむ内容です。シナリオもおもしろいと思う。機内だけのストーリーでこじんまりしたサスペンスにするんではなくて途中の給油所や着陸後にアクション要素を足してるのもいいと思う。[ダイハード]と[リーサルウェポン]とセガールさんの沈黙のなんたらかんたらのなにかしらを足したようなエンタメ映画。グリーン(ブシェミ)の扱い方やキャラが好き。元々この人好きですし。グリーンの最恐の犯罪者としての描写がほとんどないのはモノ足らないと感じなくはないけどこの人はスクリーンにいるだけで存在感があるし普通にしてるだけである意味逆に不気味なインパクトがあるからキャスティングの時点でほとんどお役御免なトコはある。グリーンのインパクトある登場シーンの護送車から移乗する時の厳重な警備が[羊たちの沈黙]のハンニバルがモチーフかと思ったら[ジュラシックパーク]のヴェロキラプトルがモチーフらしい。ぼくはニコラスさんがあまり好きじゃないのでそこまで大ハマりはしないけどそれでも十分おもしろい。吹替の大塚明夫さんvo.でかなり補正してもらってるとは思うけど。あんまこんなん言わないけど、吹替版もお薦めです。

どーでもいい話ですけど、ラストで排水溝にぬいぐるみが流れた時に中にピエロがいる映像を想像しちゃって笑ってしまった。


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111【グリーンブック】'18年の作品。TVの地上波で深夜に放送してたのをたまたまチャンネルが合ったのでなんとなく途中から観てたら思いの外おもしろかったのでNetflixで観直した。地上波で主人公の1人のトニーの吹替が大塚芳忠さんでスムーズに物語に入り込めたのも大きな理由かと。大塚芳忠さんといえば[メタルギアソリッド V・ファントムペイン]の冒頭の有名な主治医や[ジュラシックパーク]シリーズのマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)の吹替。ちなみにもう1人の主役のドクの声はハサウェイのケネス大佐の諏訪部順一さん。

キャストのみなさんは申し訳ないけど知らない人ばっかり。これはただぼくが情薄なだけ。でもちゃんとおもしろかったです。というか、観終わった後ではこのキャスティングが逆に作品の質を上げているような気がしなくもない。とてもフラットな目で見て没入できるというか。純粋に〈演技〉で魅せられたような気がしたから。

人種差別とかに対してほぼ暗愚なので難しい事や背景とかはよくわからない。その辺がわかるときっとこの作品の深みやおもしろさは増すでしょうね。ぼくは純粋に2人の男の友情を観て感動しました。例えば、白人と黒人の刑事のバディ、善人と悪人が手を組んで更に大きな悪に立ち向う、色んなバディムービーがあるけど今作は派手な魅せ場はほとんどないのにすごくいい作品。『おもしろい』というより〈いい作品〉。うん、〈いい作品〉。もうひとつの主役である《音楽》もとても良かったです。

〈差別〉はいけないと思う。でも〈区別〉は要ると常々思う。ただ、《される側》からするとそんなのは関係なくて。そしてホントに些細なことでも《される側》にはすぐわかる。《する側》に大きな悪意がなかろうが、ルールや仕来りや伝統や風習を盾にされようが、巧妙に隠したつもりだろうが。歳、性、色、思想、推し、人が違えばズレは起こる。きっとコレは人が人として生きているうちはなくならないんじゃないかなと思う。でもトニーのように変わることはできるんだよね、と(知識がねぇから言ってる事が薄い)。

全体を通して《白人側》の方が下衆い描写がされてて《黒人側》が粋な描かれ方というか脚色されてるような気もした。この辺は演出の妙なんでしょう。〈オレンジバード〉での一連のシークエンスで十分ホッコリして雪の中のパンクのくだりで『メリークリスマス』って言われた時に1番泣けました。1番よかったシーン。警官との絡みが先に描かれててそれと上手く対比させてるシナリオは上手いですよね。あと、バンドと即興で演奏してる時に唯一楽しそうにピアノを弾くドクの笑顔がとても尊くて美しかった。楽しそうに聴く相棒トニーの笑顔がドクをそうさせたんでしょうね。ちなみに、『メリークリスマス』のシーン、警官が車の屋根に手をついて最後にバンバン!と挨拶するんですが…警官が手をつく前に積もった雪に手の跡があるんですよ。だからたぶん撮り直ししてるな(それかリハか)、と。それってつまりあの撮影は小道具の雪ではなく本当に屋外で雪の降る中で撮影されたんじゃないかな…と想像しちゃうわけです。小道具じゃないからまた積もって指の跡が消えるまで時間がかかってなかなか消えなかった………もしくはただの凡ミスか。停める時にも手をついてるけど作業してる間もずっと降り続いてた雪が積もってる(それに厳密に言えば少し手を置く位置が違うっぽい)から指の跡だけ残るのも『?』。まぁ知ってたところでどーかなるポイントではないですけどね。あと、ラストの『席を作れよ』が〈トニーの台詞じゃない〉ところが個人的に好きでした。あそこでその台詞をトニーに言わせるとどこか少し押し付けがましい印象や〈トニー〉の変化だけを描いて終わるけど〈トニーじゃない〉から〈トニー以外〉の変化(や可能性)も描写できてるように思う。

派手さはないしキャスティングも正直地味かもしれません。ヒーローも宇宙人も出ないし銃撃戦もカーチェイスもないし謎解きやどんでん返しがあるわけでも特撮やアクションがすごいわけでもない。でもいい映画は作れるよって見本であり、観たら心が豊かになる作品。

偶然とはいえいい映画に出逢えた。

今回のリストの中で1番良かった。


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85勝19分7負