髭日記

アメブロからのお引越し。

大好きな作品の続編でハードル上がりまくってたけどしっかり満足させてくれたお薦めしたい作品のお話。

130【THE WITCH/魔女 -増殖-】(初)/WOWOWさんが放送してくれました。ありがとうございます。やっと観れた。感謝してます。なぜなら前作が大好きだから。楽しみにしてました。6月にアマプラで新作が控えてる[THE BOYS]シーズン4と同じくらい楽しみにしてた。副題は《Part2 The Other One》。韓国の作品で137分あるけど長いとは感じませんね。魅せ場がテンポよく続くしキャラがどれもいい味出してるし(映画に限らずぼくはこの〈テンポ〉ってすごく大事だと思って重視してます)。ちなみにレートは〈R15+〉です。ですのでまぁまぁエグイっちゃあエグイかも。副題が〈the other one〉なのはやっぱり「2人は双子」という解釈でいいんじゃないかと思う(しれっと核心を書く)。そんで邦題についてる〈増殖〉というフレーズは前作よりも「劣等種」(それでも十分すごい)や「土偶」といわれる能力者がいい感じでわんさか出てくるのと、明らかになった組織の目的であるプロジェクトの内容とにかかってるのかなと。前作に比べて能力者が増えてますけどいい塩梅で役割が与えられてるので安売りセールにはなってない(と思う)。

最初に言っちゃうと…おもしろかった。うん、確かにめっさおもしろかった。スケールも大きくなってた。アクションも増えたし派手になってボリュームも増してた。話の展開は前作よりもシンプルで観てて飽きないと思う。前作が前半のほのぼのしたジャユンという女子高生のパート(ゆで卵口一杯に頬張る顔の可愛いこと可愛いこと)から急アクセルで物語が加速していきましたけど、今作は初っ端からアクセル踏みっぱなしでぶっ飛ばしてます。それは前作で丁寧に能力者や研究施設とかの描写をしたおかげで今回は『能力者とはなんぞや』をある程度端折れてるんですよね。続編の強みだと思います。いい作品です。好きです。てか、大好きな部類です。

でも、前作の衝撃は超えてないと思う

主人公が変わった事やアクションがCG感増し増しやったとかそんなんは減点対象じゃないんですよ。ただ単純に前作のクライマックスのネタバラシのクオリティーが凄すぎた。贅沢な感想ですね。[ダイハード]と一緒。前作の1番の魅力はアクションやプロットよりもあのシナリオやと思うんで。《THE SUBVERSION》とつけられてた副題の『転覆』という意味は伊達じゃないですよ。ただ、前作の(まぁおそらくシリーズ通しての)主人公をまるでラスボスかのような悪役みたいに見せるやり方はなかなかインパクトありましたね。いいセンスだ。

オープニングのシーンは前作では描かれてなかったジャユンの幼い頃の描写なんでしょうね。前作を観てるとちゃんと繋がる。それをあの人が夢に見るというのは〈予知夢〉という捉え方でいいのかしら。でも、この少女がジャユンだとすると『母親から探されてる(意志が繋がっていて声が聞こえる)のは私じゃなく妹』って台詞にちょっと違和感はありますね。それかジャユンにも"幼い頃は聞こえていた"のか。序盤のシーンで、ガスが充満していくバスの中で3人目か4人目くらいでピンクの服の女性がしばかれるんですけど、その女の人がガラスの方にとんでもない勢いで吹っ飛んできます。笑うくらい吹っ飛んでく。もしよかったら注意して観てみて下さい。笑っちゃうから。

個人的には今作のユニオンのエージェントや4人の土偶とか出てくるキャラたちは最高に近いクオリティーやったと思います。まぁ前作のアップグレード感は否めない("焼きまわし"とかじゃなく)部分もありますけどね。厨二感もとてもいい感じ。特にソ・ウンスさん演じるチョ・ヒョン隊長とジャスティン・ジョン・ハーヴィ演じるトムのコンビがお気に入りでした。ただのモブでもコメディーリリーフでもなくちゃんと魅せ場もあるしカッコいい。最初は隊長の英語の台詞がちょっと取ってつけた感があってアジア圏の演者の呪いというか「限界」とまでは言わなくてもハリウッド作品でメインを任されるのはまだだいぶ先なんやろうなと思わされたりしましたけど、英語と韓国語の二カ国語を喋る事の違いを上手く使っていい感じのコミカルな設定にしてあってよかったです(これは個人的にはトムの功績やと思いますが)。この隊長がたまらなくいいキャラなんですよ。大好きです。前作のナイフ使いといいこのシリーズはいちいち癖に刺さるキャラを作ってきやがる。あと、これはどう伝えたらいいのかわかんないしたぶん伝わらないと思うんですけど、作中で〈元曹長〉って少佐から言われたんですよ。〈曹長〉がよくないですか?"中佐""大佐"の左官じゃなくて"少尉"とかの尉官でもない〈曹長〉っていう下士官なのがいいんですよ。言葉の響なんですかね。偉くなって後陣で作戦を指揮する立場じゃなくて最前線で戦いながら部下を引き連れてるけど部下より先に突っ走っちゃうポジションというか(妄想混ざってます)。たまんないです。あ、"伍長"とかでもカッコよかったかもな(ちなみに[エイリアン2]のヒックスが伍長)。是非とも"10年前"のエピソードや曹長時代のバックボーンを知りたいキャラです。

土偶〉のリーダー格の"姉貴"が最初に登場するシーンで一服してる顔に血がついてた理由はなんだったんだろうか。アーク襲撃前のはずなんやけど。かなり交戦的っぽかったので待ってる間に何かしらの暇潰しでもしてたのかね。それか単独で他のミッションをこなしてきて残りの3人と合流したのか。この〈土偶〉の4人はホントに前作のキャラと似てる(というか設定はほぼ同じでアップグレードした上位互換キャラ)けど"姉貴"のドS感がいいですね。最初の車内の4人の会話シーン、上海ラボ出身って事で中国語(北京語)での会話なんですよね。吹替でどうなってるのかはわかんないけど字幕ならではその違いがわかるという細かい設定が上手いと思いました(クライマックスで残った2人も北京語を使ってましたね)。キャラに名前がないのも逆にいい。前作の敵キャラもそうでしたね。今作ではアクションの速度が増してるからちょっとアメコミ調になってるし速いが故に目で追うのが大変でしたけど。おまけにクライマックスではマスクしちゃうし夜間の戦闘なんで更に判別しにくくなっちゃった。No,2やと思われる男の土偶のやられ方がまるで白哉兄様の《吭景・千本桜景厳》ですやん(万人が[BLEACH]を読んでると思い込んで書く人)。結果的にトドメを刺すのが姉貴が投げたショベルなのも、超再生と無数の石の攻撃とで簡単にタヒねない身体なのでいっそのこと楽にしてやろうという同族の慈悲みたいなものやと思いました。とてもいい落とし方でしたね。

まぁ今回も主人公はクライマックスでは無双するする。前作のジャユンに負けず劣らず。てか、戦闘では無傷でしたよね。もうあそこまでいくと倒し方のイメージができない(バイオのラスボスならなんとか頑張ってウィルスを打ち込んで能力を無効化してトドメを刺すんでしょうけど)。『薬に依存しない完全体』との事でしたけどまぁまぁの頻度で鼻血出るし偏頭痛みたいなのに苦しんどるがな…と思いながら観てたけど最後に〈哀しみ〉によって覚醒する事で完全体になった、と。作中では実験体としての正式名称が『アーク1データムポイント』となってて彼女もやはり名前はありませんでした。「データム」は実験や加工する際の「基準」だそうです。ただ『完全体』としての存在なのであれば意味合い的には「フラグシップ」的な感じですかね。次作のラスボスはそれを凌駕する新たな〈超完全体〉が登場するのか、まさかの姉妹での対立になるのか、迎え撃つ準備をするペク総括がお付きの女性と立ちはだかるのか(ジャユンが動けなくなるほどのダメージを喰らったのは総括とのいざこざのはずなのでかなりの実力者なのはほぼ確定。その際の争いで負傷して車椅子が必要な身体になったと予想)、意外と実の母親とかなのか。少佐の実力も未知数ですしね。

前作のラストでのジャユンの『根本から変えようと思って』って台詞は、薬の力に頼るのではなく劇中で医者に『肉親から骨髄移植を受けろ』と言われたから施設を襲撃して薬を調達するやり方から《肉親を探す》事にシフトチェンジした…って認識でいいと思うけど、それを続編でちゃんと意味のある展開にしてる。上手く繋げたなぁ。あと、そのシーンの最後に『お母さんは…』『お姉ちゃんに…』と言われて立っていた女性の正体が"隊長"なんじゃないかと最初は思ってた。それが「組織にいた(吹替では「アークにいた」になってたけど)」って事の暗示なのかと。そこで『10年前の借り』ができたんじゃないかとも思った。ジャユンへ与えるダメージと隊長の実力も(ある程度は)辻褄は合うし。ただ、前作を観直してみてもちょっとお顔が違う(口元が違う)しエンドクレジットも(文字が)読めないのでわからない。それにアノ女性は続編で車椅子のペク総括の横に付いている女の人なんじゃないかと思うので『ほな違うかぁ』(←今ココ)。相変わらず不明なままですね。あの言い方やと〈妹〉って解釈になるから彼女もクローンなりそーゆー存在なのかもしれないですね。それならそれなりの能力や実力はあるもんね。


ただひとつ。格闘シーンで吹っ飛ぶ距離はもう少し短くていいよ。あそこまでやっちゃうとちょっと笑けちゃうわ。スピードももう少し落としてもいいかも。

あと、「あの"母親"がなぜ選ばれたのか」がわかる描写がなかった(次作で明かす?)のが唯一の『?』だったかな。前述した冒頭の〈予知夢〉がそれっぽいくらいでしたもん。母親になんらかの素質なりがあるのがわかるほんのちょっとでも何かが欲しかったしあってもよかったんじゃないかな。最後にちょっと匂わせる描写があったけどあれじゃわかんない。

ついでに言うと、この年代の俳優・女優さんが主役やメインのシリーズ続編を作るのなら間隔は短い方がいいですね。すぐに成長してしまうからちょっと時間が経つと物語の時間軸とズレるくらい見た目が変わりかねない。

 

ちなみに前作のベタ褒め感想はこの真ん中あたりに書いてあります。

https://telu0820.hatenablog.com/entry/2023/05/15/031330


〈三部作〉との事ですけど丁寧でよくできたシナリオと設定なのでもっと続いてもいいと個人的には思うし続いて欲しい。なんならスピンオフでヒョン隊長とトムのサイドストーリーとかも観てみたい。Netflixさんあたり、どーですか?

あ、あと、エンドロール後のポストクレジットが贅沢な使われ方をしてます。着地がかなり変わります。決してスキップしないで下さいね。


◎おもしろいです。薦めたいなぁ。てか、前作を猛烈に薦めたい。

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悔しいけど、こと《映画》に関しては韓国に勝てない、いや、"現時点では"勝ててないと改めて思わされました。

 


勝103

分20

負7