今更ながら観てみて良さに気づきました。薦めてくれてありがとうございます
156【JSA】'00年公開の韓国映画。[シュリ]('99年)の翌年なんですね。韓流ブームの始まるちょっとだけ前とか、かな。監督はパク・チャヌク。キャストはソン・ガンホ([シュリ]、[パラサイト 半地下の家族])、めっさ若いイ・ビョンホン([HERO]、[G.I.ジョー]、[ターミネーター:新起動/ジェニシス])、イ・ヨンエ([親切なクムジャさん])。ちなみに北朝鮮軍中士のオ・ギョンピル役のソン・ガンホの声は山路和弘さん。所謂〈フィックス声優(担当声優)〉で[パラサイト]や[シュリ]のイメージのまんますんなり耳に馴染むのですごく観やすいです。他にジェイソン・ステイサムやヒュー・ジャックマンの声も担当してらっしゃるらしいのできっとみなさんも聞いたことある声やと思います。きちんとした声優さんの吹替なので安心して観れます。ちなみにぼくが観たのも地上波の深夜に放送してた吹替版です。韓国映画は半々の確率で吹替版で観ますね。韓国語のイントネーションや抑揚がよくわからないので声優さんの技量にお任せしてるという感じで。
タイトルの[JSA]は「共同警備区域」の意味で〈Joint Security Area〉。北朝鮮と韓国の軍事境界線上にある約800m四方の地域を指してこの区域には会議場施設などが設けられ、板門店と呼ばれている…との事です(Wikiより)
ストーリーは〈AREA〉〈SECURITY〉〈JOINT〉の3つのパートに分かれて話が構成されてます。これはタイトルの[JSA]を上手く活用してる。上手いですよね。このパート別の構成で頭に浮かんだのは'23年の邦画[怪物](是枝裕和監督)。こちらもすごく良くできたシナリオで観終わった後に唸らされました。ただ、[怪物]の方はミスリードが上手く使われていてパートごとの見える角度が微妙にズレるように組み立てられてる。そのミスリードが最後に絡まってひとつの線に結ばれたシナリオがまぁとにかく上手い。(珍しく)何の前情報もなく観た後でしばらく呆然としたくらい(Wikiで調べて観たりするタイプの人なので)で久し振りにおもしろい邦画やなぁと思いました。お薦めしますよ。
話を今作に戻します。
北側と南側の銃が使い分けられてるんですよね。北側のオ・ギョンピル(ソン・ガンホ)達が使うのはブローニングで南側のイ・スヒョク(イ・ビョンホン)達が使うのはベレッタ。これはそれぞれの軍が当時(作中では'98年)正規採用してるとかの背景もあると思うんですけど単純な言い方をすれば銃で新旧のメリハリをつけてる意図もあるんじゃないかな、と。若干、韓国の方が先に進んでるというか。まぁ特にソースとかもない妄想なんですけどね(こんなん考えるの好き)。
韓国映画でぶっちぎりで好きなのは[シュリ]なんですけどそれに並ぶくらい良かったです。「はじめまして」の作品やったけどかなり良かった。正直、〈華〉みたいなのはないかもしれんですね。恋愛要素とか明るいプロットがないから。男女の許されない恋愛を描いた[シュリ]の方がやっぱ〈華〉あるじゃないですか。今作はそんなんまるでないもん。男4人の友情なんで。でもぼく的にはそっちの方がシンプルでよかったです。純粋にシナリオで殴りにきてるから。まぁ確かに他の推理モノとか警察の取り調べや鑑識の技術とかを観たりしてると多少のツッコミ処はない事はないです。でもそんな野暮なスタンスじゃなくで色気のない漢気や友情、作中でも何度も出てきた『命の恩人』の重さが沁みます。あと、今作が観終わった後にネガティブになり切らないのは"クズ"や"(極)悪人"が出てないんですよ。中には「対北」や「対南」を煽るキャラもいましたよ。でもほとんどストーリーの進行の邪魔にならないモブ中のモブなんで気にならない。トラブルのきっかけになった北朝鮮側の上司も素行が良くないけどあの時とった行動は間違ってない。「先に銃を下ろせば…」と答えてるし。あのタイミングでラジカセが急に動かなければあんな騒ぎにはならずに別の運命のルートが動き出してたかもしれない(それがハッピーエンドかは別として)。ソフィーの志を邪魔するかのような将軍も嫌な奴だけど悪人じゃない。それは「対悪」を描写するのではなく「4人の友情」、もっと言えば「2人の友情を超えた絆」をフィーチャーするシナリオだからだと思ってます。『あれが南の歩哨場で起きていたら…私が先に撃っていた』って言った兄貴の無骨な優しさが良かったなぁ。シナリオついでに言えば、最後に4人が集まった時にふざけて屁をしてキャッキャしてて「空気が悪いから扉を開けろ」となってあってはならない遭遇に繋がる流れ…、上手いなぁと思いました。すごく自然で特に目立つ演出や流れでもなかったけど。"最悪の鉢合わせ"を無理なく自然に演出してたと思います。
3人目の主役にあたる女性少佐のソフィーを演じたイ・ヨンエさんが綺麗で演技もお上手やったので主演作品の[親切なクムジャさん]も観てみたくなりました。なかなか観応えのある復讐劇のストーリーらしいですからね。おもしろそうです。
所謂《38度戦》が素材になってる作品。こーゆー作風を観るたびに思うし"無知"を露呈してしまうのかもしれないし表現としては良くないのかもしれないけど、《フィクション》の枠を超えてこないんですよ。世界史や日本史とかに疎い事もあるしまぁ実際にそっちの方は無知やし。乱暴な言い方をすれば恐竜やゾンビや宇宙戦争、西部劇やギャングの抗争や幕末の動乱や時代劇とかヤクザ同士のアウトレイジ、その辺りとジャンルがあまり変わらないというか。もっとぶっちゃけて言えば日本史に対しても致命的に弱いので終戦や敗戦、日本の核に対する心理的抵抗(もちろんその悲しい経験は知らないワケじゃないですが)とかもどちらかと言えばフィクションに寄っちゃう。いけない事なんでしょうけどね。
板門店を訪れた観光客のシークエンス、「写真は禁止」と案内されてるのにパシャパシャ写真を撮る観光客を制してる場面、「写真撮っとるやん」くらいの軽い気持ちで観てたけどラストのラストで予想を超える上手い使い方をして唸りました。あれはキレイな使い方。もしスヒョクの最期を見て唖然とするソフィー…からのエンドロールやったら観終わった後の後味が全然違ってたと思う。シンプルな鬱エンドになってたんじゃないかな。あの写真で昇華された…というとチープで都合良過ぎかもしれんけど。苦味は緩和されてると思います。切なさは増したかもしれんけど。
おもしろかったです。前述の背景とかの違いはあるのかもしれないけど、韓国映画のおもしろい作品のシナリオの秀逸さはずば抜けてると思う。観た事なかったぼくにこの作品を薦めてくれた仲のいいFFさんに感謝したいです。
○

勝126
分22
負8
スクリーンで観るの奨励映画
155【F1】ジョセフ・コシンスキー監督や[トップガン・マーヴェリック]の製作スタッフによる'25年の〈ザ・ハリウッド〉の至極のエンタメ作品。[T・G/マーヴェリック]がハマった人なら必ずハマると思いますね。おもしろかったです。映画館で観てきました。作業が入らなかった平日のハッピーモーニングでちょっとお安く観れました。155分ありますけど中弛みもなくあっという間にクライマックスまで引き込まれました。終始ちょっとしたクライマックスみたいなシナリオ展開でハリウッド作品のいい所がギュッと詰め込まれた感じ。個人的には[T・G/マーヴェリック]のスケール感の方が好きでしたけど。
さすがにまだ上映回数が減ったとはいえ公開中なので極力ネタバレしないようにします。
主人公にあたるソニー・ヘイズ役はブラット・ピット御大。[セブン]や[ワールド・ウォーZ][ブレット・トレイン]のブラピもいいですけど[Mr.&Mrs. スミス]の2.5枚目の憎めないブラピに近いですね。好きな方のブラピ。あのやんちゃな笑顔はブラピならでは。スタイリッシュなスパイ、イーサン・ハントみたいなカチッとした真面目なヒーローとはちょっと違った親近感というか。とにかく魅せます。ある意味《ブラピの映画》みたいな感じ。
脚色やリアリティーの部分ではF1ガチ勢にはツッコミ処はあったのかもしれないです。でも〈セナやマンセルの名前は知ってる〉〈昔にフジテレビの夜中に放送してたレースをちょっと観てた〉程度のF1知識しかないぼくでも(だからこそ?)楽しめました。シナリオや展開がすごくシンプルなんですよ。"エンタメの王道"というか。『伝説の凄腕ベテランがチームの窮地を救うために現場復帰して才能あるルーキーとぶつかりながらチームが強くなって逆境を乗り越える』なんて星の数ほどあるベタな展開じゃないですか。テンプレにも程がある(褒めてます)。[T・G/マーヴェリック]もそうだったし、ぼくがすぐ頭に浮かんだのは[メジャーリーグ]のトム・ベレンジャーとチャーリー・シーン。他にも探せばたくさん出てくるテンプレエンタメ(褒めてます)やと思います。観ながら展開がほとんど読めちゃう。笑えるほど読めちゃう。でもその予想をいい感じで超えてきてくれるんですよ。迫力や映像で(展開自体は然程超えてこない)。「こんくらいシンプルでいいんやよ」って思いながら観てました。
特に滾ったのは序盤の〈3秒のピットイン〉。座席で悶絶しました。大好きなシークエンス。アレはカッコよかった。ミスに見せかけるソニーのトラブルがレース展開を有利に運ぶグレーゾーンを上手く使った作戦の裏でハプニングを繰り返す事でピットクルーに経験を積ませる…って作戦がカチッとハマった上手い展開をスリリングに見せる。粋なんですよ。そしてそのグレーゾーンを使う狡猾さを久し振りにレースに(F1に)復帰した老いぼれドライバーならではのミスに見せかけるソニーのしたたかさと小憎らしさをブラピのキャラが更に高いレベルに昇華させてる。そしてチームにトラブルが起きて1人で背負わなければいけない状況になるとそれを一身に背負う実力を見せる。背負う実力があるのがカッコいい。実力があるからこその〈ミス〉を演出できたってのがわかるんですよ。速いんですよ、ソニーは。そしてしたたかで賢い。速いから、上手いから、賢いから色々できる。それをしれっと見せる。粋なんですよ。
ただ、ひとつだけ(個人的に)残念だった展開がありまして。ケイトとの関係についてです。あまりにもベタな展開でしたし、予想できた展開過ぎたしその予想が当たった時は残念でした。なんやかんや言いながらその辺りはソニーは硬派で上手く躱して…って方が締まった内容になってた気がする。まぁベランダでデレが爆発するケイトと急に尋ねてきたルーベンを必死で誤魔化すケイトは観ててかわいかったですけどね。でもあの関係性は描かなくてもよかったんじゃないかなぁと思います。粋じゃないんです。
あと、クライマックスの『お前が勝て』がたまらなかった。気づいたら泣いてた。雨の中のクラッシュと相まってゾクゾクしました。そしてその後でもう一回クラッシュが起きる。正直、コレは予想してなかった。雨のクラッシュをトレースして今度はJPがソニーのアドバイスを活かして結果を出す。それを見ながらソニーは去る。みたいなエンディングかと思った。JPが克服・成長して結果を出す流れの御膳立てが整ってたから。でも違った。いい意味で予想を裏切られた(JPはシュミレーターとはいえ自分の過去を克服してソニーの存在と才能を受け入れてたんですよね)。そして、このクライマックスでのひとつ目のクラッシュはルースターを護るために撃墜されたマーヴェリックで、ふたつ目のクラッシュはヘリからマーヴェリックを護るために戻ってきて撃墜されたルースターなんですよ。そりゃ滾りますよ。おもしろくないワケがない。あのハングマンのラストの活躍までの流れが大好きやったんやから。
レースの映画で思いつくのはトム・クルーズ主演の[デイズ・オブ・サンダー]やスタローンの[ドリブン]やちょっと異色の[レディ・プレイヤー1]。最近だと[グラン・ツーリスモ]とか[フェラーリ]や[フォードvsフェラーリ]。そのあたりはまだ観てないけど見応えのあるレースシーンがあるとか。でもそれらを軽く超えるくらいおもしろかったと思います。お薦めです。更に言うなら、《劇場で観た方がいい作品》。4DXはしんどい(悪い意味じゃなくて内容的に酔いそうやし)かもしれんけどできるならIMAXとかで観れば更にいい(ぼくは通常上映で観ましたけどそれでも十分にド迫力は伝わりました)。多少のアップチャージなんか簡単にペイできますよ、きっと。大きなスクリーンで観た方がいいのは勿論ですけど、何よりあの臨場感は劇場の音響で観た方がいい。絶対に。全然違うと思う。それでも劇場で観れなかった人は円盤や配信で観る事になるんでしょうが、その際には(豪勢なホームシアターがあるような人は別にして)ヘッドホンやイヤホンをして大音量で観るのをお薦めします。まぁそれでも劇場の迫力には及ばないと思いますけどね(無駄で謎な劇場で観たよマウント)。
○

勝125
分22
負8
観てきたばっか。おもしろいよ。てか、書くの久し振りやな。
154【アマチュア】(原題:The Amateur)'25年公開…というより公開したばっか(4/11〜)を早速観てきた。公開週の週末の土曜日なのに客はまばら。まぁ朝イチ上映やったからってのもしれんけど「え?こんなもん?」とやや拍子抜け。ちなみに、曜日感覚がバカなので〈ハッピーモーニング〉(平日10:00台の上映は安くなる)目当てで行ったのに土曜やったので通常料金になりました(凡ミス)。
原作はロバート・リテルの同名小説(日本版は[チャーリー・ヘラーの復讐])の2度目の映画化らしいです。1回目の作品は'81年のカナダの作品らしい。調べてみたらほぼプロットは同じ模様。今作の監督はジェームズ・ホーズという方らしく調べても他の作品とかのデータが出てこなかった。主演は[ボヘミアン・ラプソディ]のフレディ・マーキュリーや[007/ノー・タイム・トゥ・ダイ]で能面のヴィランのサフィン(ぼくが絶賛した悪役)を演じたラミ・マレック。終始、〈一見すると頼りないチャーリー〉が見事にハマってました。[マトリックス]シリーズのモーフィアスや[ジョン・ウィック]シリーズのバワリー・キング役でお馴染みのローレンス・フィッシュバーンは流石の貫禄でした。ちなみに、あんま印象ないかもしれませんが[M:i:3]にも出てました。ブラッセル局長役で。CIA副長官のムーアを演じたホルト・マッキャラニーさんは[エイリアン3]で序盤でリプリーに暴行しようとしたりエイリアンを捕獲する際の囮になって犠牲になったテッド・“ジュニア”・ギレス役の人らしいんですけど、'94年の[愛・アマチュア](Amateur)って作品にもでてらっしゃるそうです。まさかの〈アマチュアかぶり〉。この後5月に公開される[M:I ファイナル・レコニング]にも出てるってさ。
さすがに公開中なので極力ネタバレなしで書きます。
ひとつ最初から最後までずっと頭に浮かんでた事がある。「もうちょっと画面を明るくしてくれんか」。全体的に暗い画面の中で物語が進んでいくので絶妙に細かいところまで見えにくい。これはたぶん配信や円盤で観ると少しとはいえ解消される事なんですよね。ある程度は自分で画面の明度をアジャストできるから。だから劇場ならではの悩みというか。これは〈黒浮き〉という現象も関連してるみたいで…。例えば、真っ暗な場所で黒い画面が存在した場合、黒の濃度や明度が低いとその黒い画面が浮いちゃう、と(ギュッとして書いてます)。逆にその暗さに画面の暗さが合っていると観えるスケールが大きくなり没入感や臨場感が増す、と。あと、なんかの記事で見たのは「イ◯ンシネマはプロジェクターの寿命を延ばすために照度を下げている」とか「寿命を過ぎたプロジェクターを使い回してる」とか(コレに関してはソースないウワサ程度に受け取ってください)。劇場の規模によっても左右されるので一概に「暗い!」と切り捨てるようなコトはできませんが(例えば大きい箱なら強い照度が必要で小さい箱は弱い照度でも写る。同じ照度の設定なら小さい方が明るく見える…とか)、せっかくの細かい演技や設定、張られた伏線や繊細な表情、物語に必要な情報とかが画面が暗くてわかりづらいのは残念だし作る側にもメリットにはならないと思うんですけどね。それにこんな些細なコトで「やっぱ劇場で観るより家で配信観た方が…」みたいな流れを作るのも残念やし勿体無いじゃないですか。ただでさえその流れが強くなりつつある昨今なのに。「やっぱ映画館の方が…」的なファクターをひとつでも増やしたいじゃないですか。そりゃ作る側には作る側のこだわりの明るさやその暗さの理由があるんでしょうけどね(それはそう)。
チャーリー(マレック)の途中までのもやし感というか頼りなさでしっかり助走しつつデータ処理能力の高さを随所に散りばめて飽きさせずに約2時間の長さが気にならない。おもしろかったです。コレがクリストファー・ノーラン作品なら途端にややこしくてめんどくさくなる(褒めてます)。すごくシンプルです。一応、"スパイ映画"なんですけど曲芸みたいなド派手なアクションやドンパチもないです。基本的にアクションがメインというより相手を出し抜く頭脳戦に重きをおいてるけど、その内容やトリックを考察させたりモヤモヤさせたまま進んでクライマックスで種明かしするんじゃなくてその都度見せながら進むのでテンポもいいです。
ちょっと込み入った話をすると…、1人目〜3人目のプロットはすごくよかったです。観てておもしろかった(まぁステイサムさんが[メカニック:ワールドミッション]でやってたのと同じ手口もありましたが)。それぞれ色んなやり方で仕留めていく(1人目はある意味"事故"やけど)趣向もよかった。ただ、ラスト4人目がちょっと拍子抜け。もっとスカッと終わらせるんやと思ってたから。3人とは比べ物にならないくらいの制裁を下すもんやとばっかり。そのあたりも主人公・チャーリーが脳筋キャラではなくデスクワーク専門なのかなぁとは思いましたけどね。
あと、最近は車に撥ねられる・轢かれる映像がリアル過ぎる。観てて驚かされるし、なんなら少し怖くなる。コレ、人によってはトラウマになってもおかしくないと思う。ホンマに"事故現場"を見せられてるようなリアルさがあるから。
やってるコトはガリ勉のイーサン・ハントみたいな事なんですけどパッケージが変わるとかなり新鮮味は増しますね。でも、ちょっと続編を作れそうな(作りそうな)終わり方をしたのが気になりました。続編は作らなくていいと思う。チャーリーの目標は達成できたんやから。コレで続編を作るとすると…CIAから依頼を受けたチャーリー、囚われた友人を救うためのチャーリー、逃げ出した4人目が更に復讐してきて返り討ちにするチャーリー、とかになるのかもしれんけど。あ、でも、書いてて2つ目と3つ目の案がベースならちょっとおもしろいかも…と思ってしまった("友人"がいいキャラでいいアクセントになってたから余計に)。[マッドマックス][リーサルウェポン][ジョン・ウィック]とかのように (立ち上げの1作目ならではというか)シナリオとしてキレイにまとまってるからわざわざそこに足さなくてもいいんじゃないかなぁ…と思っちゃいますね。
薦めたい作品でした。
同時期に公開されるリーアム・ニーソン主演の作品で[プロフェッショナル]ってのがあるらしい。内容はちょっと[イコライザー]っぽいみたいなんやけど、まさかの「プロ」「アマ」のタイトルが同時期にぶつかるというどーでもいい蛇足の豆知識を添えておきます。
○

勝124
分22
負8
まだ観てない人、観に行く予定の人は読まないでいいです
153【機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-】劇場にて。さっき観てきました。今日の朝。'25年に新シリーズとしてアニメが制作される[機動戦士Gundam GQuuuuuuX]の前日譚というか導入のストーリーにあたる作品。監督は[劇場版エヴァ]シリーズを合同監督してた鶴巻和哉監督。〈xapo〉(カラー)の取締役らしいです(代表は庵野秀明)。「ガンダムを知らなくても楽しめる」とかコメントされてるのを見たことありますけど、そんな事ないです。[ファースト]は観といた方がいい。せめてダイジェストの動画かなんかで予備知識は入れとかないと。前半の良さがわかんない。[SLUMDUNK]の時と同じ。〈おもしろさ〉の規模が全然違う。絶対観といた方がいい。
ぶっちゃけて最初に言っちゃいます。合わなかったです、ぼくは。
理由はなんとなくわかってます。まず1つ目。[エヴァ]を通ってないんですよ。一切。WOWOWで劇場版の何かが放送してた時にちょろっとだけ観たけどなんか気持ち悪くなって観るのやめちゃったし。だから庵野レールに乗ってないの。まぁ[シン]シリーズも合わないですよね、そりゃ。だからなのかオープニングで〈xapo〉のロゴで[帰ってきたウルトラマン]の変身時の効果音が聞こえた時は正直ちょっとしかめっ面になっちゃった。
"ジオニスト"のツレは喜んでました。あの展開は。『俺たちが観たかったのはあの前半だったのかもしれない』とか言ってましたから。『ジオニストの夢』やと。(あ、あと、ワシ、別にジオニストじゃねぇぞ)。まぁその喜びもわかる。確かにそこの部分はよかった。でもどうだろう、[ファースト]ファンは喜ぶか憤怒するかに分かれるのかな。ぼくは"その部分"に関してはそこまで否定的ではないです。所詮パラレルでスピンオフであって正史じゃないと思ってるから。そこはライアン・ジョンソンの馬鹿タレとは違う。今作に関しては、ね。[シン]シリーズの話は今回はやめときましょう。ネガティヴな事しか出ないから。
まだガッツリ公開中やし公式もネタバレ禁止を掲げてるのでどこまで何を話していいもんか…。まぁどーでもいい事から適当にあげていきますか。でもまぁネタバレが嫌な人はここで読むのをやめてもらった方がいいかもしれません。以下は自己責任でオナシャス。
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜
まず、前半。冒頭のナレーションで永井一郎さんの存在感を痛感しましたよね。所謂[ファースト]を観たおしてる人にはニヤニヤするシーンは多かったです。まぁ前半は庵野氏が脚本を担当したらしいのでぜんぶ狙ってやってるんでしょうけどね。ザクのモノアイから全てのストーリーが始まって…大地に立つ姿…ビームサーベルを抜く時の画…ビームサーベルでコロニーに穴を開けないような対応をする…『見せてもらおうか、連邦のモビルスーツの…』の台詞…『遅い!』で腹に蹴りを入れる…。狙ってますやん(それはそれでなんかムカつく)。この歳になって何回も何十回も観てるのにニュータイプの『キラリン!』の効果音にはいまだにワクワクするんですね。あ、音楽は過去のトレースを上手くしてましたね。よかったです。褒めてあげる。ただ、シャアたちがワインを飲むシーンだけなんか[ルパン]ぽい音楽が流れてた。そこだけ。『ここまで白い機体だと戦場では目立つな』←真っ赤な目立つ機体のアンタが言うか?って心の中でツッコミました。
《if》をやるなとは言わない。でもやるんなら無駄に個性出していぢくりまわすなや、とは思ったりはします。まぁレーンに乗っかって庵野教を崇拝してたら全く逆の事を言ってるかもしれませんがね。通ってないから。あの世界を。だからなんか薄っすらとイヂられてる気がしないワケでもなかった(被害妄想)。でもまぁ[シン]シリーズほど無茶苦茶はしてなかったですけどね。「前半だけやって庵野さん去ってった」ってツレが言ってた。ホンマかどうかわからんけどなんとなくわかる。後半に全然興味なさそうやもん。
すっっっっっっげぇ個人的な、まぁもうこれは"好み"の問題になるんでしょうけど、出てくるMSが全部カッコ悪い。コレが2つ目の理由。コレなかなかデカイですよ。MSが主役やと思う部分もあるんで。《if》をやるならMSもあのカッコイイまんまでやって欲しかった。ザクはあんなカッコ悪い機体じゃないよ。ガンダムも。なんだよ、アレ。[復讐のレクイエム]のガンダムEXぽかったけど。大地に立つ時も『違う違う違う違う』と悲鳴をあげそうになりました。01ガンダムもちょっと[レクイエム]のジムに引っ張られてないか?ガンキャノンはビームキャノンじゃねぇし。そこでビーム使うとビームライフルの特別感がブレるでしょ。あのシーンのアレをビームにした意味がわからない。実弾の被弾でも成立したでしょ。そのくせブラウ・ブロはそのまんまとかさ。イヂれや、そこも。ビグザムもはっきり見えなかったけどたぶんあんま変わってないと思う。ちょっと[サンダーボルト ]のビグザムっぽく見えた気もするけど。前半のクライマックスのソロモン攻略の作戦あたりでチラッと映ったドムはたぶんオリジナルに近かったと思う。そして後半のMSも目を当てられない。まぁGQuuuuuuXの事ですけど。[水魔女]とどっこいどっこいのカッコ悪さ。あ、いや、トータルで考えたら[水魔女]の方が酷かったか。MSにフサフサついてたからな。[ユニコーン]や[オリジン][NT]でカッコイイMSは終わっちゃった。[ハサウェイ]も主役機はトホホやし。
キャラデザインもどっかその辺にあるボカロのMVに出てきそうなキャラというかVtuberみたいなキャラで軽い。コレが致命的な3つ目。前半のキャラはまだちゃんとオリジナル([ファースト])に寄せてた。ドレン大尉にしてもデニム曹長にしてもマ・クベ大佐にしても(マ・クベさんの声は唯一しっくりきてました。他の声は…まぁ可もなく不可もなく)。そこは褒めてあげる。でもブルさんは浮いてたね。"後半"が混ざってた。"目"のまわり辺りとか。そんで後半ですよ。後半になった途端に…。SNSで見かける同人イラストみたい。[ポケモン]なんですよ。誰をターゲットにしてるのかよくわかんない。なんか無駄に女子キャラを乱立させてる気もするし。どこの何に媚びてるの?あと、コロニーに争いながら突入してきた2機の機体を『ガンダムだ!』ってすぐに認識してたけど、あのデザインで〈ガンダム〉ってすぐわかるのすごいな。ほぼ初見でさ。ぼくならわかんないよ。面影ないもん。世界観とかちょっと[パトレイバー]も混ざってたきてた気もする。他にも説明を端折ってる案件が山ほどあるけどそれはアニメで回収してくんでしょうね(そりゃそう)。
そーいえば、最近のMSの戦闘シーンってあんなスピードでやる必要あります?くるくる回転したりしてやたら速くて目で追えなくない?酔っちゃいそう。-1.5倍とは言わないけど-1.25倍くらいスピードを抑えても十分やと思うんですけどね。そのベクトルでMSの高機動性を表現しようとしても限界あると思うけどな。そーゆー意味でも[レクイエム]の重機同士の戦闘はカッコよかったのになぁ。
個人的には学園内でのおぼっちゃまたちのイベントやらジャンク屋の非合法なバトルやらを観たいワケじゃないんですよね。正義と正義を掲げてぶつかった「義」を護るための戦争が観たいんです。親友に裏切られて散ったガルマや崇高な戦士の散り際を示したランバ・ラル、仲間のために犠牲になったリュウさん、ビグザムが大破したらノーマルスーツでライフルを撃ってガンダムに対峙して最期は背後に悪霊のような執念を見せつけたドズルとか、そんな身震いするような戦争が観たいんです。まぁ[ファースト]も"一年戦争"の裏にザビ家の遺恨っつぅでっかい親族の喧嘩がありますが。アニメの[GQuuuuuuX]はこれからどーなってくのか未知数なので期待する戦争ストーリーに展開してくのかもしれませんけどね。まぁ前述の通りパラレルのスピンオフの延長線の世界線やと思ってるのであんま堅っ苦しい期待とかせずに取り敢えずは観てみようかと思います。よっぽど作画に嫌悪感を感じなければ。
ホントは観に行くの悩んでたんです。信者じゃないし。先に観たツレに激薦めされてどーしようか迷ってたら仲のいい人が観に行った事をSNSにあげてて。『ん〜〜〜んじゃ行くか』と。朝イチの上映を観たので入場料も安かった(1,100円)からまぁいいか、というのもありますかね。ちなみにチケットの半券はパンフに挟んであります。石神さんの言ってた通りに ([容疑者X]にまだ引っ張られてる人)。
つぅか、こんなん作っとらんとハサウェイの続き作れや!って思ったりはしてます。
△(諸々のデザインのせい)

[復讐のレクイエム]の方がぼくは好きですね。
勝123
分22
負8
ネトフリ乃木ヲタ推奨映画
152【セーヌ川の水面の下に】(現代: Sous la Seine。英原題:Under Paris)YouTubeのとあるコンテンツ(乃木坂配信中)でとあるグループ(乃木坂46)のとあるメンバー(中西アルノちゃん)(全部言う)(隠す意味)が激推ししてた作品です。圧倒的な歌唱力でブン殴られて以降、盲目的なアルノ信者でもあるぼくとしては『こりゃあ観るっきゃない!』と普段なら手を出さない所謂〈サメ映画〉(おまけにこれまた敬遠してる〈仏映画〉)を観るハメになっ…いや、もとい。〈サメ映画〉を観てみることにしました。([ストレンジャー・シングス]も薦めてたんよなぁ。通ってないんよなぁ)
ちなみにこの動画ですhttps://youtu.be/yWLcHcsEDI4?si=u27cyF8zOCXpq5lp
作品の詳細データを調べてちょっと書いておこうかと思ったんやけど、なんせWikiがない!こりゃ困りました。'24年配信のNetflixオリジナル作品で[ヒットマン]('07)を撮ったザヴィエ・ジャンって人が監督したまぁど真ん中のB級映画…くらいの情報しかない。100分くらいなのでサクッと観れます。仏映画なので今回は吹替版に切り替えて(Netflixはコレができる)観ました。
様々な研究をするにあたっての苦労とか危険性を顧みない志や勇気はわからんでもないしそのリスクとモチベーションが所謂"発展や進歩"に繋がるのは十分承知の上なんですけど、知識がなくて簡単な例えしか出ないけど…例えばサメのいる海に潜る、肉食動物に近づく、猛毒を持つ生物や獰猛な生物にコンタクトしようとする、危険な高所に登る、そんな行動に対して感情が乗らないというか、擁護とかできない人間なんですよね。〈他人事〉というか任しちゃう立場やから。だから『ですよね』としか思わない。『そりゃそうよ』と。だから終始半笑いの『すーーん』とした感覚が続くんですよね。なんならアルノ先生も言ってた『やっちゃいけないことを全部やる』が途中から笑けてきた。あんま"賢い人"が出てこない。営利ファーストの清々しいほどにクズな銭ゲバ市長や、その市長の顔色を窺って初手をミスる警察署長(結果はトカゲの尻尾切り)、ダイバーの命を危険に晒すようなタイミングでセンサーを切らせるネキ。とてもわかりやすい。市長のキャラに関しては最近のハリウッドではなかなかあそこまでわかりやすいステレオタイプの下衆キャラはお目にかかれないですよね。韓国ドラマの仇役みたい。一歩間違えば…と言うかもうほぼtoo muchなのよ。SNSで先導されるチョロい若者とかもフラグ祭りで地下墓地の虐殺の頃にはサメの応援してたしトライアスロンのスタート前なんかワクワクしてたわ。
「海洋汚染」だの「人間の愚行」だの「人類への警鐘」だの「環境破壊へのプロパガンダ」だの「オリンピックへのアンチテーゼ」とかそんなめんどくさい事は考えずに観ました。ただのホラーアトラクション的なエンタメとして。ただ、《熊》の事は頭にチラつきましたね。ぼくは住んでる場所に熊を送ってこられたら困るし『現地の人の生活を脅かすなら撃っちゃってどうぞ』のタイプの人なのでビーコンセブンに対しても1ミリも同情しなかったけど。
〈単為生殖〉に進化した説明とかはあった方がよかったかな(まぁ辻褄を合わせれるなら、やけど)。あと、ラストが2人以外全滅みたいな描き方してたのがいただけないですね。その辺が雑やなぁと。B級やから通る企画(脚本)なんでしょうね。 個人的には市長と相談役には誰よりも惨い最期を与えてやって欲しかったけどまぁしゃあないか。
似たようなプロットでありながら更に《サメハンター》という要素が加わってた[ジョーズ]の出来の良さが際立った気がします。「ボートのスクリュー事故」ってくだりも[ジョーズ]で使われてましたね。[ジョーズ]と[ディープ・ブルー]も観たくなっちゃった。でも、アルノ先生の言ってた《サメを盛る》方にベクトルが向いてないという潔さというか中身で勝負しようとする心意気みたいなのはありました。後半はバックバクいっちゃってくれてるし(個人的にはもっといっちゃって欲しかったけど)。ただ、その2作に肩を並べるか…と言われたら…それは、まぁねぇ。
○(正直、△でもいいけどアルノ先生の顔を立てて)(超大甘)

勝123
分21
負8
ちょっとここでひとつ修正…というか補填というか。1個前の[ザ・クリエイター/創造者]で『正義寄りのマジョリティーvs悪者っぽいマイノリティー』みたいな話の流れで「戦隊ヒーロー・西部劇・時代劇」を例えに出して書きましたけど、それってみんなシンプルに『マジョリティーの悪者vs正義のマイノリティー』でした。自分で読み返してて『何言うてんの?』と引っ掛かりましたのでこの場を借りて訂正させて下さい。筆が滑っちゃいました。
お薦めします。おもしろいですよ。
151【ザ・クリエイター/創造者】(The Creator)[ローグ・ワン][2014GODZILLA]のギャレス・エドワーズ監督の'23年の作品。劇場公開当時にものすごく観に行きたかったけど観逃した作品。観れるの楽しみにしてました。作品を通してちょっと[第9地区]や[チャッピー]とかのニール・ブロムカンプ作品と世界観とか似てる気がした。個人的にはどちらも好きなのでガッツリ楽しめましたけどね。主演は[TENET]のジョン・デヴィッド・ワシントン。デンゼルさん家の長男です。
諸々のデザインがモロ好み。[ローグ・ワン]ぽいシュッとしたスタイリッシュ感(最後の舞台になった"スカリフ"っぽさとか)と前述の[第9地区][チャッピー]のロボロボした武骨感がいい具合に混ざってるというか。シュミラントのデザインがすごく好き。というかこんな映像が作れるようになったのかという驚き。ロボ警官とかのまるまるロボットなら最近のCGなら表現できるようになった認識はあるけど、あそこまで生身と機械の融合をシームレスに違和感なく作れる(創れる)のか、と。大好きな[ローグ・ワン]も良かったけど、それに加えてギレルモ・デル・トロ監督の[パシフィック・リム]シリーズに似たヲタク観(褒めてます)がいい感じで滲み出てて作ってる側が好きなモノを楽しみながら作ってる作品のような気がしました。
我らがケン・ワタナベの右腕的なAI兵士がすごく良くて。「敵の本陣を破壊するのにアルフィーを使うけどそれで犠牲になっても仕方ない。あの子は何も知らない」みたいな事を言うハルン(ケンさん)にやるせなさを見せたり(ロボなので表情とかないから感覚的なモンですけど)くつろぐ時にタバコみたいなの吸ってたり、敵の攻撃の的にされた時も助かろうと避難した先に子供たちが隠れてたから被害が及ばないように離れようとして自分を犠牲にして護ったり(あのシーンは『ああぁぁぁ』って声出た。1番好きなシーンかもしれない)。でもそのすぐ後の橋の上での攻防戦でしれっと謙さんの後ろに映ってたのは見間違いなのか別機体なのか凡ミスなのか。出てくるキャラで1番好きでした。
舞台がニューアジアという事での親しみやすやみたいなのもあった。イメージ的にはチベットとかあの辺りでしょうかね。ベトナムとか。よく調べてござるのか製作側のセンスなのか日本語の文字表記とかたまに混ざる日本語の取り込み方も特に不快感や違和感もなかったですね。ただ、ラボの最後のロックのかかった扉に書いてあった「ステイバック」のカタカナ注意喚起の文字は要らんでしょ。笑っちゃったわ。すぐその下に「危険な場所に注意」とまで表記されてるんやから。そもそもどーせ書くなら「ステイバック」の意味を書かなきゃ。
序盤で捜索しているAIロボ警官たちが銃声で一気に振り返るシーンがなんか面白くてシュールで好きでした。グレネードを犬が…とか起爆装置を猿が…のシーンはちょっとした息抜きというか張り詰めた緊張の糸を少し緩めるというか上手い使い方やなぁとは思いました。まぁなくてもいいシーンやとは思いますけどね。個人的には張り詰めたまんまでも良かった気がするので。
自爆を命じられたAIロボットが上官への「ご一緒できて光栄でした」って台詞にちょっと胸がキュッとなりました。それに対して「早く行け」と返す人間の上官。どっちが人間の感情でどっちがAIの感情なのかを皮肉った描写でこの会話だけで捻ったコントラストを表せててとても上手いと思いました。そして作中では一貫して《人間→悪者、AI→善者》の描写なんですよね。無慈悲にロボットの記憶から情報だけを搾取して処分する上官のやり方とか無差別に村やラボを蹂躙したり顔認証のロックを解除するために「顔を借りよう」という発想が当たり前かのように出てくる米国軍とか。一般的な定義としての《善》とされやすい人間や軍、もしくはマジョリティーと認識される米国であったり地球人であったりが《ヒール》となって、今作のようなAI側や迫害される側の異星人や反乱分子とかのマイノリティー側が《ベビーフェイス》で描かれる。最近多いですな。ガンダムの[復讐のレクイエム]とかもそうでしたね。まぁ帝国軍に対する反乱軍の[スターウォーズ]もそうですしその流れを汲んだ[ローグ・ワン]ももちろんそう。そもそも過去から続いてる戦隊ヒーローやライダー達もそうなんですよね。(雑魚とはいえ)たくさんの戦闘員達に囲まれてヒーローがそれを薙ぎ倒していく。西部劇だってそう。街の治安を脅かすならず者達を用心棒が成敗していく。『皆のども、やっちまえ!』と襲いかかる下っ端を斬っては捨てる侍や暴れん坊の将軍様とかの時代劇もそう。観てる側の感情が乗るんですよ。応援しちゃう。そのうえで敵を倒していく爽快感もスパイスになるんですわ。だから観てる側からすると《正義》というか《応援する対象》として成立する事が加速しちゃう。昔から好まれてる〈ビリー・ザ・キッド〉や〈ロビンフッド〉とかもその流れですかね。
シナリオの転換するタイミングでチャプターみたいなのが入りました。"目次"的な役割をしてるというか。最近では[NOPE]とかも使ってた。これは個人差があるでしょうね。ぼくは別にあることに対して嫌悪感も違和感もなかったです。わかりやすいし。まぁ「それがなくてもわかるように作らないと」と言われればそれも一理あるとは思いますけどそこまでのノイズにはならないと思います。
映像美は半端ないしほぼ文句のつけどころはないと思います。脚本については目の肥えた人なら物足りないかもしれない。シンプルで特に捻りとかないから。でもね、この作品は宇宙の平和を守るスペースオペラでも世界を救う特殊任務でも未来を救うための戦争とかじゃないと思うんです。〈家族愛〉の映画。わかりやすくていいんですよ。クライマックスあたりからジョシュアとアルフィーの息の合った関係性にちょっと泣きそうになりました。 ジョシュアの合図に素直に能力を使うアルフィーの素直さ。たまらなかった。親子なんですもん。ずっとアルフィーが男の子やと思って観てたら女の子でした。クライマックスも終わり方もすごく好きです。まんま[ローグ・ワン]ですけど。 あと[バイオ6]のクリス・シナリオも想い出した。ガッツリ持ってかれました、感情を根刮ぎ。まぁ泣いた泣いた。好きなんですよねぇ、あれくらいのハッピーエンドが。ジョシュアたちの描かれ方といい、最後の『やったよ、お父さん』のアルフィーの笑顔、たまらなかった。
年末にレコーダーのディスク部分の不具合が解消されて年末年始はレコーダーの容量整理とかでドラマやバラエティー番組のディスクへの落とし込み作業をずっとしてて(まだ継続してますが)あんまり映画に触れてなかった(録画はして溜まってはきてる)ので年明け1発目のちゃんと観た作品(嘘ですね。ジャッキー作品や北野武作品はWOWOWで観ましたわ。そのうち書きます)になりますけどいきなり大当たりの作品です。劇場で観たかったな。その価値はあると思います。《好きな作品》の上の方にランクするくらい好きです。お薦めしますよ。 観処が随所にあるし何回も観直せる作品です。
◎

勝122
分21
負8
ドジョウは5匹もいなかった。
150【ダイ・ハード/ラスト・デイ】(A Good Day to Die Hard)'13年公開のシリーズ5作目。ブルース・ウィリスが'22年に俳優を引退したので事実上今作がシリーズ最終作に。監督は[エネミーライン]のジョン・ムーア。原題は、インディアンの言葉である「死ぬにはいい日だ(="It's a good day to die.")」をもじったものらしいです(Wikiより)。なんか前作くらいから原題をやたらほじくって小洒落た感を出そうとしてません?そんでそれがあんま小洒落てないという(個人の感想)。[ダイハード]のナンバリングじゃダメなの?(原題はダメなのかもね、もしかしたら。知らんけど)。WOWOWでシリーズ作品一気放送してたのを録画してあった(全作円盤持ってますが)のを観ました。出来栄えとしては〈シリーズ続編〉というより〈スピンオフ〉。おもしろいですよ。ドンパチ派手で。でもなんか違う。なんか薄いというか軽い。シリーズ通して前作[4.0]までは120分超えだったのに今作は100分ほど。大絶賛しながら書いた第1作目の次に書くといかに今作がトホホなのか際立っちゃうかもしれませんがまぁ実際そうなので仕方ないのかなぁと思いながら書きます。
冒頭の裁判所のシーン、爆破の特撮はちょっと「おもしろいかも!」と期待しちゃいました。そんで、作戦を仕上げるために突入してきた部隊が最初ガスマスク越しの視線もなんかワクワクしました。でも導入がとても稚拙過ぎて。「政治犯2人が歪みあっている」の説明だけでいきなり始まるもんで『???』なスタートで不安な雲行き。そしてココで許されない大チョンボのひとつをやらかしてる。そのひとつ目が《ジャックがコマロフの裁判に絡む事を目的に殺人罪で逮捕される》というシナリオ。コレが「実は殺人に見せかけたトリックで…」じゃないの。実際にジャックは人を殺めてる(通常版では相手の身体を撃ったけど別バージョンでは頭を撃ち抜いてるらしい)。あかんやろ。ホンマに殺したら。結果的にバックにCIAがついていたワケですがCIAは目的のために人を殺すんか?ありえん。おまけに『6分遅れた!』だけで作戦中止にする本部の無能さ。何年もかけてきた作戦なんやろ。そして〈プランB〉の頼りなさ。セーフティーハウスに1人しかいないってさ。本部で何人アタフタしてるんよ。無能かばっかりか。ついでに言うと"6分遅れた"理由の半分は勝手に車から降りてどっか行こうとしたコマロフ(おまけにそれが理由でアリクに見つかる間抜けっぷり)が原因やし、そもそも"6分遅れ"って何の6分よ。裁判所が襲撃されたのも計画の範疇みたいな事になるやん。その辺がすっちゃかめっちゃなのよ。粗い、粗い。
序盤のカーチェイスも「派手にしよう」というパワープレー感。そして長い。このカーチェイスの製作費が10億円とか。いや、そこまでかける必要は感じないですよ。ただただ派手に車を潰してるだけにしか見えない。おまけに品がない。ワイルドほにゃららとかミッション・インなんたらかんたらとかのカーアクションみたいな事をしたかったのかもしれないですけどできてないんですよ。無駄にクラッシュさせてるだけ。まだ[4.0]のハイウェイのトンネルのシークエンスの方がずっとマシ。おまけにココでもやっちゃいかん大チョンボをやらかしてる。 ジャックたちを追うためにマクレーンが車を調達する際…1台目のトラックは停車してあった車輌なのでまだわからんでもないんですが、問題は2台目ですよ。一般市民の車の前に飛び出して文句を言ってきた相手をぶん殴って車を奪うんですよ。お前、警官やろ。本国(アメリカ)じゃなかったらなんでもありかよ。ロシアなら、ロシアの市民相手ならなんでも許されると思ってんのか?確かに過去にもタクシーを奪って(一応、『警察だ』と強引とはいえ協力を要請した)公園内を爆走したり駐車してある車を盗んだり通りすがりの人の携帯を奪ったりはしましたよ。でも今回の荒業はあかんでしょ。だからロシア人に対して『ロシア語なんて喋んな!』の台詞も笑えない。ドンズベリですよ。そんで一般市民の車を踏みつけて大混乱を巻き起こす。ロシアの人たちの人権なんてお構いなしとでも言わんばかりに。どっちがテロリストなんかわからん。だけどね、最後に装甲車が高架から突っ込むシーンはよかったです。声出ました。そのシーンというかその直前の自爆に近い無茶なマクレーンの捨て身の攻撃が良かった。あんなん絶対に自分も無事では済まないやん。でもそこで最後にハンドルを切る、切れる。アクセルを踏める。それがマクレーンの凄さであって強味であって"敵にすると厄介"なんやというのを表現できてたと思います。このカーチェイスの観処は唯一そこくらいですね。
カチコミの前に武器を入手するやり方、『あのクラブは武器の持ち込みができないから車に隠しておく』はまぁ百歩譲ってスルーしましょうか。ただトランクの中に銃が何丁かあるだけじゃなくて防弾ベストやマシンガンやライフルをごっそり入れておくのはテロリストの車なのよ。粗い、粗いって。よくこんな脚本でOKが出ましたね。そんで、敵が防護服とマスクの完全装備でいるのに2人はそんなのお構いなしで普段着のまんま。マクレーン家の男は放射能に対してでも「ダイハード」と言わんばかりに。別にエンタメアクション映画に〈リアルさ〉を事細かに求めたり押し付けたりするつもりはないですよ。あくまでも「フィクション」なんですからね。多少のご都合主義にも目を瞑りますよ。『放射能を中和するガスよ』。正直「なんそれ!」ですよ。本音は。厨二が考えたんか?って。でも作品内なら別にいいと思いますよ。それは仕方ない。そーゆー設定を作っちゃうのなら。それならそーゆー世界観なんですもん。そこの〈リアルさ〉はぼかしてくれていいんですよ。ただ〈整合性〉は保ってくれよ、と。2人が野面でカチコムのも別にいいけどそれはそのナンタラガスが十分に散布されて敵側もマスクや防護服を必要としなくなるくらい浄化されて中和した状態じゃないと。まぁそれでも最後の"プール"の使い方だけはなんともならないでしょうけどね。あの使い方は悪くないけどあの使い方をするなら"汚染"を連想させない整合性を取らないと。その辺も「なんとかなるか」くらいの雑な感覚で作られてるように感じちゃうんですよ。そもそも中和させるなら最初から汚染は解除されてたりチェルノブイリ以外の場所でもよかったくね?
[1]や[3]の伏線の張り方を勉強して作って欲しかった。あんなよくある〈裏切り〉程度でこのシリーズの生命線である《見せかけ》のトリックになんかならない。観てる人ほとんど気づいてるでしょ。チープ過ぎます。そもそもこのシリーズは派手さで勝負するんじゃなくて練りに練られた脚本や秀逸な伏線とその回収の見事さ、パズルが完成した時に『こんな絵になるのか!』のトリックが作品をおもしろくする観処であってこのシリーズが他のアクション作品と一線を画すパワーポイントなんじゃないか。前作[4.0]でCG盛り盛りのアクション活劇になっちゃった。その後遺症というか反省がされてない。というか、おそらく"反省しなきゃならない"と捉えていないんでしょう。ただ単純に〈超える〉事しか目指していない。だから"一面性の側"だけで中身が薄い。その表れが前述の盛り盛り過食気味カーチェイスにも現れてるんですよ。「超えなきゃ!派手にしなきゃ!」で。
〈スケールが大きい〉と〈ただ派手にする〉はイコールじゃない。
カーチェイスにしても爆破シーンにしても銃撃戦にしても「派手にしときゃ」感が透けて見えるのよ。それに1作目でビルの中という限られたエリアでボロボロになりながら愚痴をこぼしたり泣き言を言いながら孤軍奮闘するという新しいフォーマット像を作れたのに、2作目で派手さとスケールが大きくなって(一応2作目も孤軍奮闘スタイルは継承してはいる)3作目で監督が軌道修正して等身大のマクレーンという元に戻した(とぼくは思ってます)のに4作目の[4.0]でほとんどスーパーマンになってしまった。CGが全面に出ちゃって。明らかに1作目の活躍の仕方と違うもん。その良くない流れを止めるどころか拍車をかけるように今作でその傾向はさらに顕著になってる。もちろん悪い方に。そうじゃないんですよ、マクレーンは。スーパーマン([4.0]が1番常人離れしてると思う)にならなくていいんですよ。「何でもできる」超人なんかじゃないんですって。「死にそうで死なない」諦めの悪い男なんですよ、マクレーンってのは。
もうひとつ、この作品がしっかり立ててない足腰の弱さの原因が《ジャックに惹かれる有能さも魅力も感じない》なんですよ。CIAのエース感はほぼ皆無に近い。ただただ親父に反抗してる部分だけが悪目立ちして。そんでクライマックス前に急に2人が和解して親子愛を見せつける描写もなんか駆け足感があってもったいなかった。感情移入もそんなにできない。惹かれてないから。それに、マクレーン家の血筋の無鉄砲さやガラの悪さというか"輩感"とでもいうのかそーゆーのがないんですよ。母親のホーリーのインタビューに答えるよりも先にソーンバーグをぶん殴った血の気の多さや、明らかにその遺伝子を受け継いだような銃を持った悪党に対しても真正面から反抗してみせたお姉ちゃんのルーシーのような肝の座り方も。ルーシーの方がよっぽどマクレーンの子供ですよ。弟は「いい子いい子」で育てられたお坊ちゃんでもあるまいし。なんならやんちゃ娘のルーシーを見て育ってるでしょうよ。知らんけど。そんな坊ちゃんならCIAに入るとかの設定もブレちゃうし。まぁ一緒に行動する親父の荒唐無稽さとの対比のために抑えたのかもしれませんけどその比較のさせ方は良策じゃないよ。〈型破りx型破り〉でお互いがその型破りっぷりを上書きし合う方がマクレーン家の良さが引き立つんじゃないのかよ。
あと、ついでに言わせてもらえば、せめてクライマックスを夜が明けて明るくなり始めた時間帯に設定すりゃやりたい事や見せたい事、観て欲しい事が多少なりともわかりやすくなっておもしろさも変わった(かもしれん)のに。夜間でそれがほとんど伝わってこない。夜間にする必要ないやん。まぁあの手榴弾が引火した炎のくだりがキレイに見えて映えたくらいか?あのワンシーンを活かすために夜の設定にしたのならコスパ悪すぎるやん。
ホテルでの危機一髪のシーンで突然笑い出して敵を欺くやり方は1作目のラストのハンスとのシーン、反撃する時に天井のガラスを撃って敵を錯乱させるのはハンスとカールの『Shoot the glass!』のシーン、ジョンとジャックがコマロフと保管庫で遭遇する場面は爆弾の確認をしててマクレーンとバッタリ出会ったハンスが嘘をついて身分を隠したシーン、ラストのヘリのテールローターのくだりも落ちるコマロフは「ビルから落ちるハンス」と2作目で「ジェット機のエンジンに巻き込まれたグラント」を合わせたオマージュ…なんでしょうが、どれもただのパロディーにしか見えない。おまけに本来なら1番の魅せ場であろうクライマックスのヘリの特攻もてんで的外れというか。近年稀に見る無駄死にやないの。あんな死に方をさせられたイリーナが敵であるにも関わらず不憫で仕方ない。あんな親父の死に様を見せられて(ましてや自分の操縦するヘリで)あの終わらせ方じゃ浮かばれないよ。
ただ、すごく良かったところももちろんありまして。ラストのジャックを救うためのジョンのヘリからの決死のダイブはすごくカッコよかったしあのシーンはすごく[ダイハード]でした。好きな[ダイハード]。好きな〈ジョン・マクレーン〉でした。ただ過去作と少し違うカッコよさで、あのアクセルを踏む瞬間はジョンは助かる事なんて考えてなかったと思うんです。ナカトミ・プラザの屋上から消火ホースを体に巻いて飛び降りる時、「軍隊葬」として銃弾の嵐を浴びた挙句目の前にグレネードが投げ込まれて脱出装置を使った時、豪水に飲み込まれそうになった時や大量の爆薬と拘束された時、天然ガスを送り込まれ建物ごと爆破されそうになった時も戦闘機対トレーラーなんていう闘いにもならないようなマッチアップになった時、それでもマクレーンは〈死ぬ事〉を考えてなかったはずなんです。必ず〈生き延びよう〉と抗う行動を取って結果生き延びてるんです。なんなら〈勝てる!〉〈大丈夫!〉と思ってるでしょ。でも、あの武装ヘリからあの高さで車を落とした時は助かる計算なんかしていない。鎖で繋がれてるとはいえヘリが落ちれば当然死ぬ事になるし鎖が解かれてヘリの落下から逃れたとしても車が落ちれば助かる高さではない。それがわかってていつものあの台詞を言って自分を鼓舞してアクセルを踏み、ヘリからダイブしたんですよ。前述した序盤のカーチェイスでのラストの無謀な運転も。同じ理由なんです。なぜか。親だから。息子を護るため。全てはジャックを護るために。それがたまらなく好きでした。
ジョン・マクレーン役を演じたブルース・ウィリスが俳優引退をしたためにジョンが主役のダイハードは今後作られる事はなくなりました。 願わくば6作目でまたマクティアナン監督が復帰してブルース・ウィリスと組んでちゃんとした[ダイハード]で締めくくって欲しかったという欲がないわけじゃないけど。別の俳優でリブートとか作る可能性がゼロじゃないけど、まぁ作らないでしょうね(それにあんまそんな[ダイハード]はぼくは観たくないな)。大好きなシリーズだったのでとても寂しいですが今作で観納めになるのも引き際としては良かったのかもしれません。[ランボー]や[ロッキー]もシリーズとして幕を引いたし([ロッキー]は[クリード]に引き継がれてる)[ターミネーター]なんかはまだ続けれるかもしれないし(おもろいかどうかは別として)[エイリアン]シリーズは新作が控えてる。最近は過去の作品を年を経て新作として作る流れもあるので(Netflix作品の[ビバリーヒルズ・コップ/Axel F]とか)、昔好きだったシリーズがまた新しいカタチで観れる事もあるかもしれない。でも[ダイハード]は取り敢えず今作でおしまい。それでいいです。大好きなシリーズの大円団という事で。
○(ホントなら△…✖︎寄りの。でも好きなシリーズの最終作という事で大泣きの○)

勝121
分21
負8