髭日記

アメブロからのお引越し。

年末年始に結構観たから弾の補充はそこそこできたけど単発リリースになるとここに書く事が枯渇しちゃうんではないかと危惧し始めました。

116【ダイハード4.0】[3]と連続で深夜に放送してたんで(結局円盤で観直すんですが)。'07のシリーズ4作目。個人的にはすごく好き([1][2]の次に好き)なんですけどあんま評判は良くないみたい。まぁなんとなくわかるけど。原題はLive Free or Die Hardニューハンプシャー州の標語「Live Free or Die」(自由に生きるか、さもなくば死を)に由来する…そうです(Wikiより)。監督はリブート版[トータル・リコール]('12)を監督したレン・ワイズマン。相棒のマット役のジャスティン・ロングアダム・ドライバー(SW epⅦ〜Ⅸのカイロ・レン)がごっちゃになってどっちがどっちかわからないと思ってたりした。今作は娘のルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド、[遊星からの物体X/ファーストコンタクト])がキーパーソンになってて次作の[ダイハード・ラストデイ]では息子のジャック(ジェイ・コートニー、[ターミネーター:新起動/ジェニシス]のカイル・リース、[スーサイド・スクワッド]のキャプテン・ブーメラン)が相棒になるという流れ。娘が勝気(父親譲り)ですぐ手が出る性格(母親譲り)とか両親のいいトコ(悪いトコ?)を受け継いでるキャラ設定は上手くできてる。

ドアタマの20thCentury-Foxのロゴからイヂってくるのは好きです。遊んでる感が。冒頭の爆破のスイッチになるのがスケルトンのT-800だったり「デジタル世代の”ジェダイ”」とかちょっと嬉しくなるネタでまんまとクスッとしますね。娘(ルーシー)に「ジョン!」と名前を呼び捨てにされて『その呼び方はやめろ』と言い返すのは[アルマゲドン]で同じやりとりしてましたね。あと、FBI捜査官としてシリーズ通して3人目のジョンソンが出てきたのはたぶんシリーズファンへのサービス。そもそも、1作目であんなちっちゃかったルーシーを大人にして再登場させてくれてるのもサービスのひとつやと思ってる。ただ、マクレーンがヘリで飛ぶというのに違和感しかないし自分で操縦するとかちょっと設定を変え過ぎなんじゃないかな、と。どうせ飛ぶなら嫌がってるのをマットが『シュミレーターで経験ある』と言いくるめるか騙すかして操縦してマクレーンが横で愚痴を言ってる方がよかった気もする(まぁ非常時とはいえネットヲタクにヘリを操縦させるのもどうかとは思うけど)。使う銃が変わったり作中で乗る車が昔の車ばかりじゃなく最新装備の車になったりと時代を反映してる中でマクレーンだけは苦手を克服したりするアップデートをできてない…って方が良かったんじゃないか、と。

今作の敵ボスはちょっとパンチが弱いというかスキルと怖さが釣り合ってないというか。メンタルがブレブレの弱弱に見えちゃうのよね。このシリーズの悪役はクールでエレガントで余裕綽々で上からマクレーンを蹂躙して欲しいの。たぶんシリーズ通して1番頼りなく見える。カリスマ性も皆無。やろうとしてる事ややってる事はとんでもないんやろうけど。[1]のハンス、[2]のスチュアート、[3]のサイモンがほぼ理想の悪役だったから余計に。その敵ボス・ガブリエルの恋人で仲間のマイ・リン(マクレーン曰く「すぐ人を蹴る女」)は[M:i:3]でランボルギーニを爆破したゼーン・リー役のマギー・Q。部下の1人でパルクール使いの『ハムスター野郎!』ランド(シリル・ラファエリ。ガチのスタントマンであり俳優)がとてもいい味出してるキャラ。あと、後半に出てくるワーロックのキャラが良いから使い方がなんかもったいない。こっちがマクレーンの相棒で《アナログ親父&ガチヲタク》のコンビでもおもしろかった気もする(画ヅラの問題はあるでしょうが)。

ラストの決着の付け方が好きなんですよね。味方ごと撃つ、人質ごと撃つ、そんな機転であっと驚かせた主人公はいたけど《自分》のパターンは初めて観た気がする(しれっとラスト言っちゃう)。とてもマクレーンぽい気もするし。ただ、途中で戦闘機が出てきた時は映画館でちょっと引き笑いしたけどまぁこのシリーズならやっちゃうわなとも思った。宇宙行かないだけまだマシかな、と。今作からCGが盛り盛りに使われてるから派手さやスケールはデカくなってるけど若干のtoo much感は正直なところある。『なんでもありになっちゃうやん』というか。前作までの脚本・プロットがほぼ完璧な出来やったから余計にパワープレイ感がなくはない。ただの〈おもしろいアクションエンタメ映画〉になっちゃってるのもぶっちゃけ否めない。でもおもしろいんですよ。アイデア自体はいいんです。トンネルでのクラッシュシーンや送電所のシークエンスとか。シリーズ通してのファンなので補正かかってるけどね。ただ、好きな立場から敢えて言うなら『ダイハードの冠要らなくないか?』

あと、[3]でも書いたけど《見せかけて》のトリックがなくて(なくはないけど)そこが1番の失念点でネックの作品(まぁ敵ボスもネックっちゃあネック)。それが理由でステレオタイプの〈アクション映画〉になっちゃう。そこが評価が良くない最たる理由やと思う。脚本、伏線、その回収の秀逸さがこのシリーズがおもしろい理由でもあると思うし。展開がちょっとフラットになっちゃってる。フラットというか"薄っぺらい"。それ以外は当時の考えれる最新の〈テロ〉を描いててリアルなんじゃないかなと思う(現実味があるかどーかは別にして)し、素材としての目の付け処はいいと思う。でもやっぱり1番の問題は《脚本》かなぁ。

ルーシーの鼻っ柱の強さや頭の回転の速さは観応えもあるので製作側が安直な考え方なら親父の跡を継いで娘版を作るという血迷った考えになってもおかしくはないけどそれをしていないのはちょっとした救い。マクレーン主役作品がもう作れないし、ネタに困ってこれからやる危険性もゼロではないけど。でもキャラや俳優に魅力があるのでダメ元でNetflixさんあたりが試しにドラマでも作ってくれたらたぶんぼくは観る。おもしろいかどうかは別の話やしよっぽどの駄作じゃなければ文句言わない。敵に拘束されてる時にホルスターの銃で足を撃ち抜くのを親子揃ってやった時は『(親子関係を)上手いこと使うなぁ』とニヤけました。

あと、マクレーンが今作からタバコやめてるのがとても残念。


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勝90

分19

負7