髭日記

アメブロからのお引越し。

ちょっとハシヤスメ

'23に観た分が済んだのでキリのいいタイミングでちょっと今回は趣旨を変えてみます。

'23年に観た中で良かった作品5本を考えてみました。約110本観た中でのベスト5。その中ではじめましての作品5本です。


トップガン・マーヴェリック

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THE FIRST SLUMDUNK

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魔女〜The Witch〜

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THE BOYSシリーズ

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ゲットアウト

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まぁ細かい話[マーヴェリック]のはじめましては'22の劇場ですけど。配信で観直したのが'23になりますか。コレはぼくのベスト10に入るんじゃないかってくらい良かったです。前作へのリスペクトや愛が溢れるくらい詰め込まれててとても良かったです。

ちなみにベスト10をサクッと挙げると


DIEHARD

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プロジェクトA

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スターシップトゥルーパーズ

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レザボアドッグス

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ロビンフッド(ケビンコスナー版)

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スティング

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ローグ・ワン

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ランボー・最後の戦場

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M:I-2

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トップガン・マーヴェリック

 


です。入ってますね、[マーヴェリック]。なんかミーハー感出てますが。このベスト10の作品が地上波やBSで観れる機会はほとんど逃さず観てると思うしこれからも観ると思います。重複してる作品はアレコレ書くのはよっぽどじゃない限り端折るでしょうけど。


[スラダン]はど真ん中世代なのでモロハマりしました。[マーヴェリック]とタメ張るくらい良かった。劇場に何回も足を運んだくらい。何回でも観れるしまだまだ観たい。基本、映画は独りで観たい人なんですけど、この作品に関してはスラダン好きな人と一緒に観たいと思っちゃう。


配信で観て1番出会えて良かったのは[魔女]です。ラッキーでした。なんとなく観た作品ですけど大当たり。シリーズが続くらしいので追いかけちゃいますね、これは。


同じくらいのラッキーが[THE BOYS]のシリーズ。わかりやすいくらいハマりましたね。新シリーズの予告がもう出てるので既にワクワクしてます。観た人とアレコレ話したい作品。


作品自体の完成度というか唸らされたのは[ゲットアウト]。同じくはじめましてだった[ショーシャンクの空に][グリーン・マイル]も完成度(まぁ主に脚本ですが)はとても良かったけど[ゲットアウト]は抜き出てました。"好きな映画"かと言われればちょっと微妙ですけど"いい映画"でした。[ショーシャンクの空に][グリーン・マイル]とかの"いい映画"とは少し違うけど。明るいサクッと観る作品ではないと思うけど薦めたい作品ですね。

その次くらいに名前が浮かぶのは


イコライザー

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ジョーカー

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グリーンブック

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ですかね。若干の〈今更〉感はありますが。ワイスピのシリーズを知ったのも'23でしたかね。[羊たちの沈黙]を久し振りに観て脚本の凄さを改めて知ったり。

約110の半分以上はまた観直したり円盤持ってたりでしたけど、以前に比べると偏りは若干減ったんじゃないかな。88勝19分7敗という事で、良かったのが88作、微妙なのが19作、やられたのが7作という感想。上映期間中に行けずに観たくても観逃した作品もいくつかありました。配信か地上波やBSで放送されるのを楽しみにしながら好きだった作品を観直す機会はもちろん、観たことない『はじめまして』の作品に手を出す機会も増やしたいなと思ってます。

ここまでの書いてる事が昨年末になってますと正月気分もとっくに消えたあたりに書いてます

114【スピード】年末に地上波で放送してたので久し振りに。最初は録画したのを観てたけど吹替にちょっと違和感を感じたので(円盤にしようかと思ったけど)アマプラで観直した。

監督は続編の[スピード2]、[ツイスター]、[トゥームレイダー2]のヤン・デ・ボン。'94年のまぁ大ヒットした作品。主演のキアヌ・リーブスが[ハートブルー(原題:Point Break)]で注目され出した人気を確実なものにした作品で[マトリックス]('99)と並ぶ代表作。もう1人の主人公のアニー役のサンドラ・ブロックも一躍有名にした作品で、[イージー・ライダー]のデニス・ホッパー、[T2]のマイルズ・ダイソン役のジョー・モートンなど共演も豪華。今回の地上波ではジャックの声がこち亀アニメの中川の宮本充さん([マトリックス]のネオも同じ)、爆弾魔・ハワードの声を野沢那智さん、アニーの声がポケモンのサトシの声の松本梨香さん。別に吹替作品としての落ち度はないんですけどハワードの声の那智さんが[ダイハード]のマクレーンなのでブルース・ウィリスの顔がチラついちゃう(だから字幕版に)。

ストーリーがシンプルだけどとてもいい。アイデアで既に勝利してる感じ。そしてそれ以上にテンポがいい。いい感じのクライマックスがずっと続いてるようなテンポですごく観やすい。今観ると確かに粗は目立つかな。暴走するバスがコマ落としになってて周りの風景がおかしいとか、ジャンプするバスとか(でもあのバスはCGやミニチュアではなく実際のバスを飛ばしたとか)、冒頭の爆破シーンで飛んでる瓦礫が発泡スチロール丸出しとか。あと、個人的にはエレベーターのシークエンスとかでアタフタするハワードの姿がなんか年寄り臭く感じちゃって極悪感が薄れちゃう。

ちなみに続編はちゃんと世界線繋がってます。ジャックとアニーもこの作品の後でつき合いますし。ただ、繋がってるのとおもしろいのとはまた別の話。[2]を観た事がない人、別に薦めません。そのまんまで大丈夫です。


ジャックのしてるG SHOCK。真似して買って同じの持ってました。


'23のラストの映画。


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勝88

分19

負7

リリースは年明けてるけど書いてる内容はまだ年末の事なのでここでの新年の挨拶はまだ早いのかどーなのかというどーでもいい事を考えたり考えなかったり。

12/24に毎年恒例の[DIE HARD]を、12/25に[DIE HARD2]を観たんですけどさすがにもう書くのもカウントするのもパスしました。毎年観てるから。でも何回観てもおもしろい。相変わらず[1]のシナリオが最高でした、とだけ。史上最高のシナリオやと思います。裸足、写真立、腕時計、旧姓、苦い過去etc、全てが伏線で全てに無駄がない。さすがぼくのベストofベスト。最高。[2]のスケール感もたまんない。[1]の完成度には敵わないですけど。

 

 

 

 


113【ワイルドスピード・ファイヤーブースト】(初)/シリーズ10作目で原題はFast X。10(X)作目って事をタイトルに持ってくるセンスは好き。アマプラにラインナップされたので早速。

おもしろいんですよ。派手で。見映えするし。でも毛色が変わってきてる気がする。派手さが先行しちゃってるというか。某インポッシブルみたいになんか「スケールをデカくしなくちゃ」という呪縛に縛られてるというか。個人的にはストリートレースの頃の作風は好きじゃなかったですけどシナリオや中身はあの頃の方が詰まってたと思う。CGに頼りすぎてメッキばかりが濃くなってるというか。そもそもこんなに簡単に車ぶっ壊さなかったでしょ。敵対してた相手が仲間(ファミリー)に加わる流れも死んでたキャラがしれっと復活するカードも過去に観てるから奇策としては弱くなっちゃってる。ベタな流れが好物なので個人的には嫌いじゃないけどパンチとしては弱いよね。というか読めちゃう(ジェイコブもたぶん…)。一度"派手さ"で勝負するんではなくて"シナリオ"で勝負してリセットしてみたらいいのになと思ったりもします。

ただ、いかんせん主人公たちが所謂〈悪人〉なのがここにきてちょっと邪魔になってる気もする。立派な事を言ったりしたりやってる事は正義の味方なんですけども。いくら恩赦で犯罪履歴がなかろうが。作中でも『タンクローリー襲ってたよな』みたいにやんちゃ武勇伝みたいに言われてもさ。今回の事の発端だって結局は自分らが蒔いた種なわけやし。それこそその[メガMAX]あたりの金庫奪う話くらいまでなら強盗団の延長みたいに観れてたけど、そこからあまりにも〈ヒーロー化〉して描かれてしまってる気もするし、そーなると先述の〈悪人〉ていう肩書きが”要る"のか"ない方がいい”のか。そんな諸々を踏まえてもド派手アクションが好きな人やシリーズのファンなら手を叩いて喜ぶと思うんです。そんだけの勢いはある。ただ、粗が気になる、ご都合主義が気になるような一定数の人たちが過食を感じたりしないかという危惧もある。

ダンテ(ジェイソン・モモア)の人を食った掴みどころのないサイコパスなキャラは悪役としてほぼ満点なんじゃないと思う。あのノリで何をしでかすかわからない恐怖はたまらない。サイファーとはまた違った怖さ。[スカイフォール]の敵ラウル・シルヴァにちょっと似てるというか。相手を不快にさせる才能に長けているキャラ。

ストーリーは次作に繋がってるそうで。ダンテを次でしっかりやっつけてトドメを刺しておかないとその次か次の次くらいに味方になって戻ってきちゃうよ(まぁトドメを刺しても戻ってくるんでしょうが)(そもそもそこまでシリーズ続くのか知らんけど)。

派手さは嫌いじゃないです。


そーいえば、トンネルの中でダンテのフォード・フェアレーンが加速した時にタイファイターの飛ぶ音が聴こえませんでした?

あと、一応観返したら冒頭のオフィスに青いスーツのマッチョがちゃんと座ってた。


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勝87

分19

負7

読んでくれてるツレから「何個も並べてダラダラ書くより一個づつの方がまだ読みやすいやろ」と言われて『それはそれで言われてみれば…』と思ったのでちょっと試験的に単発でリリースしてみます。確かにサムネイルではひとつ目の画像しか見れないので目次代わりの役目としては微妙やなとは思ってたし。それで選んで好きなのだけ読んでもらうのも確かにありっちゃあありかな、と。放出する頻度は増えるけど一個あたりの長さは抑えれるから読んでもらうのも負荷が減るかもしれないし。

112【女優は泣かない】(初)/やっと公開されたので劇場にて(こちらでは12/22より公開)(『こちら』と言っても隣県ですがね)。我が推し(伊藤万理華さんの事です)の出演作品。さすがにまだ公開中なので言葉を選びましょう。

'23は彼女にとって[日常の絶景](テレ東)、[時をかけるな、恋人たち](カンテレ)、[ミワさんなりすます](NHK)とドラマや[まなみ100%]の映画で活躍してる姿を見せてくれた([まなみ〜]は観れてませんが)。その一年の締めくくりとしての今作。主演作の[サマーフィルムにのって]で演じた時代劇ヲタクの女子高生・ハダシの未来の姿にも見えなくはないというか。ただ、変に媚びるようなtoo muchな寄せる演出がなくてソコはよかったかな、と。でもハダシみたいにまた水に落ちた…とこっそりニヤけました。前に『免許が要る仕事があるので取った』と言ってたのはこの役なんでしょうね。ぼくが個人的に1番『お!!』と思ったのは運転シーンではなくホテルでくつろいでて同僚の出世を知る時。あの仕草は初めてでしょう。とても良かったです。

あさひなぐ ]、[賭ケグルイ]、[サマーフィルムにのって]に並ぶくらいのいい作品(『出しろがある』という意味で)で繰り返し観ても楽しめますわ。推しの演技で1番好きなのは[あさひなぐ ]の野上先輩。ここだけの話、他のメンバーよりもありゃ1番〈俳優〉してた。推しの演じたキャラで1番好きなのは[賭ケグルイ]の犬八。ビジュアル・キャラともにドストライク。それに並ぶとまでは言わなくても、いい味出してる今作の〈瀬野咲〉。前半のいいペースメーカーになってたんではないですかね。

補正バリバリかもしれませんが、推しの演技で《目》が好きなんです。視線の向きひとつ、目の光の強弱で演技しちゃうんです。たまらなく好きです。表情とかよりも(もちろん表情も好きですよ)そーゆー”一部"で演技しちゃう。眉毛ひとつ動かして表現したり口角を動かすことで演技したり。[HOMESICK]で親の隣で純粋無垢でありながら不安的な心情を目線だけで表現したり、[お耳に合いましたら]でみんながいなくなった翌朝の目の光の弱さ、[時をかけるな、恋人たち]で本部からの伝達を伝えた後の『仕方ないじゃん』を眉毛の動きだけで魅せる。あげたらキリないけど今作も苦悩してる心情を細かい所作で表現してくれてたと思います。

タイトルの[〜泣かない]を最後にあの使い方するのは上手かった。それまでに何度も泣きそうな、泣いてもいいシーンがあったのにそこはしれっと流して最後に切ったカード。それもある意味〈逆張り〉のような使い方で。とても上手いと思いました。ただ、声のトーンはもっと抑えたドヤ顔でも良かったかなと個人的な好みはありました。”高飛車女優に戻った”くらいの。


『頑張りんしゃい』が1番効きましたわ。

泣いた。

 

奇しくも鑑賞した日が12/24。推しからクリスマスプレゼントを貰ったような気がしました。

 


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勝86

分19

負7

こーやって書き連ねてほぼ一年が経ったと思うという事は今年ももう年末であと少しで終わっちゃうけど年賀状とか年越しの準備は何もしてないけど取り敢えずメリークリスマス(全然[メリー]じゃないけど)

103【インビンシブル~無敵のヒーロー~・SEASON1】(初)/[TOKYO MER]と並行して観た。コレもアマプラオリジナル。[ボーイズ]を薦めてくれたツレに次に薦められた。系統が同じとの事で。今回はアニメ。前で懲りて(懲りてというか信頼して)今回は素直に観ちゃう。『インビンシブル(invincible)』の意味は『無敵』。〈The Invincibles/無敵の者達〉は無敗優勝したチームの称号とかにも使われたりします。

'21年の作品。[ウォーキング・デッド]の原作者のロバート・カークマンのコミック('03〜)が原作。海外のアニメのタッチがすごい。クセ強タッチ。昔のアニメ感。アニメというより〈CARTOON〉感というか。薦められた時に『最初は絵が受け付けないかも』と言われたけどやっぱそう。受け付けるのに時間かかった。感情移入がしにくいしにくい。改めて再確認しましたけと、日本のアニメって凄いんですね。表情やディテールだけじゃなく動きやもっと言えば〈線〉までもが繊細で。今作については”敢えて”そーしてるのかもしれんけど、ガキの頃に観た[ゴールドライタン]とか[スパイダーマン]や[アラジン]とかの絵のタッチと変わってないもん。海外のアニメって言えばDisneyとかPIXARとかのフルCGの印象は強いし『そりゃフルCGならキレイよ』的な感覚があるから『今このタッチ?』みたいな軽い衝撃はある。これは好き嫌いありそう。日本のアニメを観てる人には特に。ド深夜にこっそり放送してるようなウルトラマイナーアニメでももっとキレイな作画やと思うもん。

観た後でこんなん言うのも本末転倒みたいですが、やっぱ同じような内容を観るにしても実写の方が何倍もおもしろい。撮影の技術や特撮の凄さも含めて。ただその辺のレベルが〈追いついてない〉場合は観るに耐えないモノになっちゃいますが。そん時は『それならアニメの方が…』とか言っちゃう事もありますけどね。

[ボーイズ]ほどのペースでは観れませんでした。でも、ここでやりたかった事を上手くブラッシュアップして[ボーイズ]を作ったような感じもするので観ておいて損はない。毎回のタイトルの使い方は好きでした。画のクセは途中からだいぶ気にならなくはなりましたね(ゼロになったワケではない)。


◯(△に近い)

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104【インビンシブル~無敵のヒーロー~・SEASON2】(初)/'23年の続編。こんな最近の作品やとは調べるまで気づきませんでした。なんか気づいたら配信してる第3話まで追いついてた。どえらいトコで終わります。てか、全部回収できるのか?

シーズル3も制作が決まってるとか。もうここまで来たら追いかけたいですね([ボーイズ]たちの方をはよ追いたいけど)。


○(3話までという途中での採点になるのでどーしようかと思ったけど取り敢えずは○)

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105【ブロークン・アロー東海テレビの深夜に放送してた。'96年の作品。主演のクリスチャン・スレーターケビン・コスナー版[ロビン・フッド]、[トゥルー・ロマンス]、[インタビュー・ウィズ・バンパイア])や監督のジョン・ウー([男たちの挽歌]シリーズ、[M:i:2]、[レッドクリフ])が勢いのあった頃。憎たらしい悪役のジョン・トラボルタが見れます。悪役を演じ始めた最初の作品くらいじゃないかな([パルプフィクション]('94)のヴィンセントはゆーて"悪役"ではなかったと思うし)。いい悪役です。煙草を美味そうに吸う。クライマックスでテリーに暗証番号を入力させるくだりとかたまらなく良い。最期の死に方もイイ。国防長官役が[ロボコップ]のクラレンス(カートウッド・スミス)。この人、見かける役のほとんどが善人役なのに真っ先にイメージするのがクラレンス。まぁ良いのか悪いのかそれだけあの役にインパクトがあったんでしょう。紅一点のテリー(サマンサ・マシス)がなんやかんや言いながらそこらへんのボンドガールよりもずっと役に立つ…というか活躍する。

今観ても爆破シーンやアクションはジョン・ウーらしくまぁド派手(ヘリがトンネルにぶつかるシーンとか雑なのもあるけど)。ただ今観ると台詞回しや会話とかがいちいちテンポが良くない。[男たちの挽歌]の頃のキザで古き良きウィットに富んだ台詞が多いからかな。ひと昔前のテンポ。〈ハリウッド〉に憧れた人が〈ハリウッド〉を意識して(意識し過ぎて)撮ったみたいな感じ。いちいちtoo muchなの。トラボルタは粋に見えるのにスレーターが狙い過ぎのキザっぽく見えるのは格の違いなのかな(個人的な偏見)。トラボルタの悪役が思いの外活きてるのでそれに対するスレーターがちょっと青二才感が拭えなくてバランスが悪い気もする(この吹替版は宮川一朗太さんの声なのでさらに青二才感が増す)(これもど偏見)(宮川さんごめんなさい案件)。対するトラボルタの声はジェイソン・ステイサムソン・ガンホ(パラサイトの父親)、ウィレム・デフォースパイダーマンのグリーン・ゴブリン)、ヒュー・ジャックマンウルヴァリン)の本格派・山路和弘さん。さすがです。

魅せ場のひとつの鉱山坑道での爆破シーンはよかった。なぜ核爆発が起きても大丈夫なのかの理由までの流れもスムーズ(物理的にホンマかどうかは知らんけど)やしその影響がディーキンスにも上手く作用してる。この辺は上手い。蝶の使い方もお上手。個人的には爆発する直前に鹿が異変を察する描写を入れてるセンスがすごく好き。なくてもいいシーンやけどあるだけで全然違う。あのたった1秒のシーンを入れると入れないのでは印象が変わる。ホンマにセンスいいと思う。ただ、終始ボクシングを絡めたやり取りは今観るとかなりチープに感じちゃう。昔は『お!』と思ったのにね。

尺が100分くらいなのでサクッと観れる作品。クオリティーは[フェイス・オフ]の方が上やと思う。でも、おもしろいですよ。難しい事考えずに観れる映画。ただし、難しい事を考える人が観ると物足りなく感じそうな映画。

フレーム下にある折り畳みのフォアグリップが特徴的でロングマガジン、3点バーストがベースになってる対テロリスト用に開発されたベレッタ93Rが1番印象的に使われてる映画。ちなみにこの銃をベースに作られたのがロボコップの〈オート9〉。


今作もジョン・ウーは鳩使ってない。

 

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106【インビンシブル~無敵のヒーロー~・アトム・イブ】('23年)[インビンシブル]の前日譚にあたるスピンオフのスペシャルエピソード。『シーズン202』ってなってる。まだエピソードはひとつだけ。イブの出生から能力の覚醒、ヒーローになるまでを丁寧に描いていて中身がしっかりしている。もちろん[インビンシブル]を観てから観た方がいい(観てなけりゃたぶんちんぷんかんぷん)。

ちょっと画のクオリティーが日本のアニメっぽくなってる気がする。バトルシーンとか普通に観れるレベルやしなんならちょっとカッケェ。[インビンシブル]の時より観応えある。キャラデザとかは相変わらずやけど。

コレはコレで十分おもしろいので続きは観てみたい。


○([インビンシブル]より評価は高いかも)

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107【ブレット・トレイン】(原題:Bullet Train)(初)/'22年の作品。アマプラにて。[ボーイズ]のキミコ(福原かれん)がクレジットされてたので観てみることに(ほぼコレが目的)。監督は[ジョン・ウィック][アトミック・ブロンド]のデヴィッド・リーチで原作は日本の小説(伊坂幸太郎の[マリアビートル])との事らしいです。

B級でした。びっくりするくらいB級。ブラピ出てるし監督もデヴィッド・リーチやし予告とかをよく目にしてたからそこそこの大作…とまではいかなくてもまさかこんなB級やとは思ってなかった。嫌いじゃないですけどね。なんか"タランティーノ感"満載のタランティーノ関係ない映画。そんでそのタランティーノ味がちょっと邪魔な気がする(あかんがな)。てか、タンジェリンとレモンが[パルプ・フィクション]のヴィンセント(トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)なのよね。ちなみに、[パルプ・フィクション]ではブレット(Brett)ていうギャングの一員がアタッシュケースを盗むというこれまた偶然とは思えない偶然(偶然なのか?)もある。

キャラの個々の魅力はいいと思うんですよ。ただちょっと盛り付けが多過ぎる。列車内というクローズドなプロットでこんなに具沢山やとパンパンなのよ。タンジェリン役のアーロン・テイラー=ジョンソンって[キックアス]のあのパッとしない青年(ゆーて主人公)なのね。全然わからんかった。レディバグが“天道虫"の由来を説明される時にブラピに『7つの悲しみはごめんだ』て言わせるのはちょっと笑った。[セブン]やん。キミコが普通に台詞を喋ってるのがちょっと新鮮でした。ただ、金髪やから一瞬気づかなかったぞ。あと、個人的にはできるならホーネット役と代わって欲しかったです。もうちょっと出番が欲しかったかな。まぁチャニング・テイタム([ホワイトハウス・ダウン]、[ザ・ロストシティー])やライアン・レイノルズ([デッド・プール])2人カメオ出演サンドラ・ブロック([スピード]、[ゼロ・グラビティ])の贅沢な使い方に比べたらまだいい方かもしれんけど。『I got a bad feeling about this』の台詞を聞けるとは思ってなかった。終盤の伏線回収というか答え合わせ(帳尻合わせ?)は観てておもしろかったんですけどね。

個人的には少し前に観た[トレイン・ミッション]の方が中身がしっかりしててずっとおもしろかった気がする。ちょっとコミカルな味付けを強めにしちゃったかなぁというところが逆になんか残念。

 

△(もう少しで○になる△)

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108【スーサイド・スクワッド】(原題:Suicide Squad)(初)/'16年の作品。円盤持ってるけどアマプラで(探し出すのめんどくさい)。コレもキミコ(福原かれん)出てるのでそれ目当てで。ベースになってるのはDCコミックらしいですが、読んだことがないので知識はないです。劇場公開当時はすごく観に行きたくて結局行けなくて円盤を中古で見つけた時はやっと見つけたと思って即買いしたんですけど結局その円盤はまだ観てないという作品。

冒頭でスーパーマンが亡くなった世界線と言われて『は?』てなったけどDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)の前作(今作がシリーズ3作目)にあたる[バットマン vs スーパーマンジャスティスの誕生]の続きの世界線になってるんですね。そんなん聞いたらそっちも観たくなるな。

《悪と闘う(善側の)悪》というプロットはいいと思うんですよ。ただその《悪》としてのパンチが弱く感じちゃう。まだ《善》がチラ見えしちゃう。とことん《悪》で《外道》を貫いて欲しいというか。まぁ[ボーイズ]を観ちゃってるから《悪党》への抗体ができちゃってるってのもあるかも。アレくらいおもっきりはみ出してくれてたらずっとおもしろくなってたと思っちゃう。お互いのカウンセリングみたいな事をして慰め合ったり仲間の為に命を懸けたりするのは《ヒーロー》のやる事なんですよ。それはヒーローの映画で観てるからこの作品で観たいワケじゃない。そこの描写がブレるから《極悪》のはずのメンバーより役人の方がよっぽど《外道》なのが際立っちゃう(逆か?)。

だからなのか思ってたよりB級感が。続編とか関連作品とかできてるみたいやからもっとメジャー感あると思ってた。前に観た[ガンパウダー・ミルクシェイク]とかに近い感覚。[キル・ビル]とか。一作目の[ジョン・ウィック]とか。『なんかのスピンオフ作品』感があるというか。

1本の映画じゃなくてドラマシリーズで丁寧に描けばずっとおもしろくなる素材やと思いますけど。駆け足で2時間でやっちゃうからハレー・クインくらいしか印象に残らなくなりそう。他にもあるのに。ジョーカーもいい感じやし。いい食材が揃ってるのにチャチャっと料理しちゃった感。それかシェフの技量なのか。ただ、エンチャントレスは封印されてる時のビジュアルはほぼ満点の雰囲気なのに心臓を取り戻した完全体がツルッツルの健康体で逆に魔女の威厳がなくなるというトホホ感。個人的にはお目当ての〈カタナ〉が予想してたより([ブレット・トレイン]より)魅せ場が多くてよかったのと、炎を操るエル・ディアブロがカッコよかったですね。

DCもマーベルもほぼ素人なのですごく素人みたいな事言いますけど、DCよりマーベルの方がスケールデカいんですね。


△(○にしてもいいくらいの△)

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109【パルプ・フィクション】ホントは[ブレット・トレイン]の後で続けて観ようと思ってたんやけど。'94年の作品。そんな前なのね。円盤持ってっけどアマプラにて。

エピソードの時系列がシャッフルされてて通して観ると整理されて繋がるっていう当時としては『え?』『は?』てなった〈タランティーノ・メソッド〉というか今作以降に色んな作品で取り入れられた手法というか。それが上手くハマってるのは前作の長編デビュー作[レザボア・ドッグス]よりも今作の方じゃないかと思う。絡み合うエピソードが少なくてまだシンプルかと。前作は登場人物分のエピソードあるからね。ただぼくは[レザボア・ドッグス]の方が好きです。(今作も好きですけど)。

これは字幕で観た方がいい作品。スラングがしこたま使われてるけどそれ込みで味になってるから。

ブルース・ウィリスの声とタバコの吸い方はやっぱり好きですね。吸い方は1番好きかも。めっさカッコイイ。喫煙のシーンが少なくなってきてる昨今でこれほど旨そうにタバコ吸う人はあんまいない。声のせいで台詞も粋に聞こえる。彼の声が聴きたくて吹替にしないまである。もっと観たかった大好きな俳優さんです。

今観ると繋がり方にちょっと雑味を感じなくもないけどそれでもちゃんとおもしろい。音楽もイカしてる。偏見まみれでモノを申すと『この映画の良さがわかるとセンスがいい。わからないようならセンス悪い』みたいなモノサシにされそうな映画。そんな事はないとは思うけどね。映画ヲタクのタランティーノが好き勝手に自分がおもしろいと思うモノを形にしたらこんなんなりました…みたいな映画。終わり方も『え?終わり?』ってなるでしょうけどあの幕引きはなんか奇妙な余韻が残る。後味が残ると言うか。それも甘かったり美味しい味じゃない後味。おもしろいですよ。

 

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110【コン・エアー】(Con Air)。'97年の映画(四半世紀前の映画かよ…)。深夜に地上波で放送してて字幕にして観ようと思ったら地震の影響で津波注意報が画面に出てるのが原因(たぶん)で字幕表示ができなくなってたっぽいので円盤に切り換える選択肢もあったけど吹替のまま視聴。ただ、主人公のキャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)の声を我らが大塚明夫さんがやってるので結果的に吹替版も全然ハズレじゃない。

タイトルの《コン・エアー》は囚人輸送などの空輸隊の意味。

豪華です。キャストが。[ザ・ロック]('96)[フェイス・オフ]('97)で勢いのあったニコラス・ケイジを主役に、ジョン・キューザック([2012])、ジョン・マルコヴィッチ([RED]シリーズ)、スティーヴ・ブシェミ([レザボア・ドッグス][アルマゲドン])、ヴィング・レイムス([パルプ・フィクション][ミッションインポッシブル]シリーズのルーサー役)などなど。『どっかで観たことある』人にたちがいっぱい。ちなみにシボレーを勝手に使われた挙句にあんな事になったマロイ捜査官(コルミ・ミーニィ)は[DIE HARD2]で見せしめとして墜落させられたウィンザー114便の機長。監督は今作が長編映画デビューで後に[トゥームレイダー]も撮ったサイモン・ウェスト

サイラスの極悪っぽさがいいです。ただの知能犯だけじゃなくて自分で引金を引く残忍さもある。いい悪役。本来ならラスボスできそうなヴィング・レイムスの演じるダイヤモンド・ドッグが側近にしか見えない。サイラスがウサギのぬいぐるみを人質に取るシーンが1番好きです。センスある。

クライマックスのホテルに突っ込むシーンは廃業して解体予定だったラスベガスのホテルに買い取った廃棄旅客機を突っ込ませての一発撮影だとか。知って観るとすごいのがわかる。衝撃でスロットの777が揃って大当たりするという素人でも思いつくようなワンシーンを入れるのが逆にすごい。

粗は正直目立ちます。そこをネチネチほじくる映画じゃないです。頭空っぽで(言い方)子供みたいに楽しむ内容です。シナリオもおもしろいと思う。機内だけのストーリーでこじんまりしたサスペンスにするんではなくて途中の給油所や着陸後にアクション要素を足してるのもいいと思う。[ダイハード]と[リーサルウェポン]とセガールさんの沈黙のなんたらかんたらのなにかしらを足したようなエンタメ映画。グリーン(ブシェミ)の扱い方やキャラが好き。元々この人好きですし。グリーンの最恐の犯罪者としての描写がほとんどないのはモノ足らないと感じなくはないけどこの人はスクリーンにいるだけで存在感があるし普通にしてるだけである意味逆に不気味なインパクトがあるからキャスティングの時点でほとんどお役御免なトコはある。グリーンのインパクトある登場シーンの護送車から移乗する時の厳重な警備が[羊たちの沈黙]のハンニバルがモチーフかと思ったら[ジュラシックパーク]のヴェロキラプトルがモチーフらしい。ぼくはニコラスさんがあまり好きじゃないのでそこまで大ハマりはしないけどそれでも十分おもしろい。吹替の大塚明夫さんvo.でかなり補正してもらってるとは思うけど。あんまこんなん言わないけど、吹替版もお薦めです。

どーでもいい話ですけど、ラストで排水溝にぬいぐるみが流れた時に中にピエロがいる映像を想像しちゃって笑ってしまった。


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111【グリーンブック】'18年の作品。TVの地上波で深夜に放送してたのをたまたまチャンネルが合ったのでなんとなく途中から観てたら思いの外おもしろかったのでNetflixで観直した。地上波で主人公の1人のトニーの吹替が大塚芳忠さんでスムーズに物語に入り込めたのも大きな理由かと。大塚芳忠さんといえば[メタルギアソリッド V・ファントムペイン]の冒頭の有名な主治医や[ジュラシックパーク]シリーズのマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)の吹替。ちなみにもう1人の主役のドクの声はハサウェイのケネス大佐の諏訪部順一さん。

キャストのみなさんは申し訳ないけど知らない人ばっかり。これはただぼくが情薄なだけ。でもちゃんとおもしろかったです。というか、観終わった後ではこのキャスティングが逆に作品の質を上げているような気がしなくもない。とてもフラットな目で見て没入できるというか。純粋に〈演技〉で魅せられたような気がしたから。

人種差別とかに対してほぼ暗愚なので難しい事や背景とかはよくわからない。その辺がわかるときっとこの作品の深みやおもしろさは増すでしょうね。ぼくは純粋に2人の男の友情を観て感動しました。例えば、白人と黒人の刑事のバディ、善人と悪人が手を組んで更に大きな悪に立ち向う、色んなバディムービーがあるけど今作は派手な魅せ場はほとんどないのにすごくいい作品。『おもしろい』というより〈いい作品〉。うん、〈いい作品〉。もうひとつの主役である《音楽》もとても良かったです。

〈差別〉はいけないと思う。でも〈区別〉は要ると常々思う。ただ、《される側》からするとそんなのは関係なくて。そしてホントに些細なことでも《される側》にはすぐわかる。《する側》に大きな悪意がなかろうが、ルールや仕来りや伝統や風習を盾にされようが、巧妙に隠したつもりだろうが。歳、性、色、思想、推し、人が違えばズレは起こる。きっとコレは人が人として生きているうちはなくならないんじゃないかなと思う。でもトニーのように変わることはできるんだよね、と(知識がねぇから言ってる事が薄い)。

全体を通して《白人側》の方が下衆い描写がされてて《黒人側》が粋な描かれ方というか脚色されてるような気もした。この辺は演出の妙なんでしょう。〈オレンジバード〉での一連のシークエンスで十分ホッコリして雪の中のパンクのくだりで『メリークリスマス』って言われた時に1番泣けました。1番よかったシーン。警官との絡みが先に描かれててそれと上手く対比させてるシナリオは上手いですよね。あと、バンドと即興で演奏してる時に唯一楽しそうにピアノを弾くドクの笑顔がとても尊くて美しかった。楽しそうに聴く相棒トニーの笑顔がドクをそうさせたんでしょうね。ちなみに、『メリークリスマス』のシーン、警官が車の屋根に手をついて最後にバンバン!と挨拶するんですが…警官が手をつく前に積もった雪に手の跡があるんですよ。だからたぶん撮り直ししてるな(それかリハか)、と。それってつまりあの撮影は小道具の雪ではなく本当に屋外で雪の降る中で撮影されたんじゃないかな…と想像しちゃうわけです。小道具じゃないからまた積もって指の跡が消えるまで時間がかかってなかなか消えなかった………もしくはただの凡ミスか。停める時にも手をついてるけど作業してる間もずっと降り続いてた雪が積もってる(それに厳密に言えば少し手を置く位置が違うっぽい)から指の跡だけ残るのも『?』。まぁ知ってたところでどーかなるポイントではないですけどね。あと、ラストの『席を作れよ』が〈トニーの台詞じゃない〉ところが個人的に好きでした。あそこでその台詞をトニーに言わせるとどこか少し押し付けがましい印象や〈トニー〉の変化だけを描いて終わるけど〈トニーじゃない〉から〈トニー以外〉の変化(や可能性)も描写できてるように思う。

派手さはないしキャスティングも正直地味かもしれません。ヒーローも宇宙人も出ないし銃撃戦もカーチェイスもないし謎解きやどんでん返しがあるわけでも特撮やアクションがすごいわけでもない。でもいい映画は作れるよって見本であり、観たら心が豊かになる作品。

偶然とはいえいい映画に出逢えた。

今回のリストの中で1番良かった。


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85勝19分7負

前回はメジャーな作品が多かったけど今回の品揃えの地味なこと。笑っちゃうくらい地味。でもめっちゃおもろい作品ばっかり観た気がするし観てよかったと思える作品ばっか。 あげてるタイトル数は8個やけど、海外シーズンドラマは約50分x8話くらいなので1シーズンあたり短い映画なら4本、長編映画で2本分くらいなのでそれが4シリーズ分になるからその計算やと20〜12本くらいの濃度 (加えて[TOKYO MER]は約50分x11話→映画5〜3本)。そりゃ充実しますね。

95【THE BOYS・SEASON1】’19年のAmazon primeのオリジナル作品。1話約50分ほどの全8話。ツレが『観ろ観ろ。シーズン1だけでも、せめて1話だけでも観ろ』と猛烈なお薦めを会って話すたびにずっとしてきたのを適当にはぐらかして観てなかったけど取り敢えず少し観たい作品も落ち着いたので。

 

《R-18》


これだけでなんかおもしろそう。好きです。

冒頭からやってくれてますね。笑っちゃった。R-18に納得して。そりゃ無理よ。アレやアレをやるならR-18のレーティングは要るわ。無茶やれる範囲が広いから次に何をしでかして来るのかわからないから観ててワクワクする。これくらい作る側が遊んでくれると観てて楽しい。

主人公の父親役でIMFベンジーサイモン・ペッグ)がしれっと出てきて『お!』てなった。最初はどのキャラもパッとしない印象だったんですよね。存じない方々でしたので。ベンジーしか知らないもん。でもすぐに引き込まれた。ブッチャーやフレンチー、MMとかはもちろん、セブンの連中も観てるとどんどんハマる。推しはキミコ。主人公のモブ感もいい塩梅。どのキャラも魅力しかない。キャラや設定が良いからなんでしょうね。キャストでおもしろさが決まるんじゃなくてちゃんとできてるシナリオなりプロットなら全然おもしろいモノが作れるよっていうイイ見本ですよ。

それと、ひとつひとつのエピソードとかを丁寧に描写できるのはやっぱシーズンドラマの強味ですね。これを1本の映画で駆け足で見せられたら印象は全然違う。既存の《ヒーロー像》がしっかりと認知されてるから後出しジャンケンで好き勝手におもしろくできる。企画とアイデアの勝利。一歩間違えば総スカン喰らうリスクはあるけど。ヒーローたちをクズに描けば描くほどこの作品はおもしろくなるし、作ってて楽しいんじゃないかな。色んなキャラも創れるし。ジャンプとかで漫画になっても人気出そうなくらい良くできたプロット。でもR-18でやってるこっちの方がきっとおもしろい(というかぼくは好き)(てか、少年誌じゃムリ)。1話50分くらいなのが気にならなくてあっという間に過ぎちゃう。テンポがいいから。2日で8話全部観ちゃった。

スッッッッッゲェ終わり方します、シーズン1。あんなん卑怯やわ。続き観たなるやん。

I AM YOUR FATHER

に対する返しはSWepⅤの

NOOOOOO!

が頭に浮かんだけど。


ずっと薦められてたのを頑なにほぼ半分意固地になって観てなかったから今度その薦めてくれてたツレに合うのが悔しいというかちょっと恥ずかしい。

おもろかったよ。

お釣りくるくらい。


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96【THE BOYS・SEASON2】あんな終わり方されたらそらすぐ続き観たなりますわ。'20年のシーズン2。全8話構成。

いきなり《透明人間の棺》で笑かしにきた。

そして簡単に予想を超えてくる。身構えてても『マジか!?』てなる。急に破裂するとか心の準備できるワケないやん。シーズン1がとてもよいテンポと展開だったのでちょっとそれには負けてるような気がしないでもない。①よりヴォート内部の揉め事や駆け引きが描かれていてちょっとサスペンス感は増してますね。最初はクズ感しか感じなかったディープに対してさすがにちょっと同情もしたくなる。

①と比べちゃうと作品に若干の弱さを感じてしまうのはホームランダーの敵に回す怖さや止められない独裁者の怖さが①でバレちゃってるからかな。今回その役目をストームフロントに任せるのかと思いながら観てたら違った。まぁ①のホームランダーのインパクトを越えるのは無理よ。ストームフロントが悪いワケじゃない(まぁそもそも役割が違うけど)。①のホームランダーが完璧過ぎた。そのストームフロントをただの無双して敵対するラスボスにしてないあたりがこのシリーズのいやらしさ。結局立ち塞がるのはホームランダー。今回も父親のホームランダーは怖くてたまらない。気持ち悪い。父としての悩みや葛藤も描かれてるけどそれより怖い。気持ち悪くて怖い。絶対的な力を持つ者(モノ)がタガが外れて暴走し始めてく怖さ。そして8話の森でのホームランダーの表情の素晴らしいこと。あんな色んな感情が万感交到る表情はなかなかお目にかかれない。すごい(語彙力)。あと、バールを手にする時のブッチャーの殺気。あんな演技観たことないぞ。すごい(語彙力)。宗教団体を出してイヂるあたりは昨今のデリケートなカサブタを剥がしにきてるようでさすがやな、と。ただ、その舵の取り方にゴリゴリの悪意があるのがこの作品のいいところ。コンプラガン無視。①で張られてた伏線や細かい設定やキャラのバックボーンを丁寧に上手く描いててただの続編になってない。とてもキレイに回収してまとまってる。コレでシリーズを締め括ってもいいんじゃないかってくらいキレイ。

ふと思ったけど、この作品(このシリーズ)は女子ウケしねぇやろうな。逆にこのシリーズを好きな女の子は好みが合いそう。


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97【THE BOYS・SEASON3】'22年のシーズン3。

冒頭、『あ、コレは例の映画か』とピンときたけどいきなりシャーリーズ・セロン出てきて『は?』てなった。なんて贅沢な。ここでまんまと意表をつかれた勢いでその後でキミコが歌い出した時も『マジか!』って鵜呑みにした(終盤でまた引っかかりました)。

相変わらずシナリオの繋がり方が秀逸。普通に続けて観れる。1話序盤でまだ時系列がハッキリしてない段階でMMの自然な台詞から②のエンディングより1年後ってわかる演出がオサレでキレイ。とてもお上手。チームが再集結する流れもすごくよくできてる。相変わらず手段を選ばないブッチャーのエグさ。カール・アーバンの演技と相まってホンマに無茶やりそうで駆け引きする相手は生きた気がしないでしょうな。ハイランダーとどっこいどっこいの唯我独尊っぷり。ホンマ〈狂犬〉。[リーサルウェポン]1作目のマーティン・リッグス(メル・ギブソン)感というか。好きだったのは3話でアニーがオープニングで固く握った拳をエンディングのスターライトで使うセンスの良さ。唸ってニヤけた。MMのソ連のイヂり方が[若き勇者たち]('84)(若い頃のパトリック・スウェイジチャーリー・シーンリー・トンプソンが出てます)と[ロッキー4]っつぅのは両方観てる人からすると声出して笑った。ホント色んな方面にケンカ売るよね。②でちょっとディープを同情しかけたのにまた底辺に叩き落とす流れがほぼ悪ふざけ。ちょいちょい[ジョン・ウィック]のコンチネンタルホテルが映ってます。

過去のエピソードの際のキャスティングや作り方がバツグンやと思う。それぞれのキャラの特徴を掴んだそのまんまのキャストやないの。アニーの子供の頃はめっちゃアニーやしエドガーの若い頃なんて喋り方までめっちゃエドガーやんか(語彙力の欠片もない)。エドガー役のジャンカルロ・エスポジートの他の作品とかを観たことがないので普通の演技を存じないんですが、声や喋り方がすごくモーガン・フリーマンに似てるけど寄せてるのかしら。ノワールの過去のエピソードの描き方もなんか遊びながらやってるけど喋らないキャラ設定を上手く利用してる。アイデアがいいよね。目の映らない(映さない/映せない)ノワールの命が途絶える演出もアニメを使って上手かった。

正直、予告で今シーズンのちょっとしたネタバレを喰らった時は『マジか?』とちょっとtoo much感はあった。MMの台詞じゃないけど『ボーイズはそうじゃないから…』ってトコにおもしろさがあったと思うので。でも結果的にはいいと思う。というか仕方ない。そりゃあーならなけりゃならない方が〈らしさ〉があってよかったのかもしれないけど。あの展開は賛否両論ありそうな気はする。手を出しちゃいけないトコロに手を出した感というか。《能力者vs人間》のおもしろさがなくなる(薄くなる)というか。でもあーでもしないと落とせない気もするのよね。ゆーて元論クライマックスは観応えあったしおもろかったけど。


最後、ライアンはブッチャーたちを結果的に護る為にホームランダーについたのかな。シーズン4での答え合わせが楽しみ。


個人的にはブッチャーの迎える結末がとてもいい。②のラストでも十分カッコよかったのに。カッコイイにもほどがあるぞ。アンタ1番ヒーローやないか。

ハイランダー星条旗のマントやコテコテのブロンドでこれでもかとゴリゴリの〈THE U.S.A〉を表現してる衣装なのはアメリカこそがトップっていう皮肉った世界情勢をイヂり倒してる設定なんでしょうかね。絡むキーマンとかが②はドイツで③がソ連っていう描写も良い。シリーズがずっと続けばいつかアジアの敵ボスも出てくるかもしれん。その時はおもっきりコケにしてきて欲しい。セージ・グローブ・センターから脱走したシンディーとかマデリンの息子とかまだいいキャラが残ってるから次のシーズンにすごく期待してます。

通してシリーズ観てみてやっぱシーズン1のインパクトがすご過ぎたかな。②も③もおもしろかったですよ。シニカルな部分も①で成功してるから作る側が気持ち良くなっちゃってどんどんハメを外してるし、ストーリーも蛇足にならずにちゃんと成立してるから。でも初見の①の衝撃には敵わない。

とても良いB級感というか。なんて言えばいいんやろ。あんま下手にメジャーになって欲しくないというか。このB級感でずっといて欲しい。カルトな人気のあるインディーズバンド的な。それそこヴォートみたいな大手とかに目をつけられて金儲け商業ラインに乗って欲しくないというか。まぁもう既にヒットしてるレベルなのでこのまんまで大丈夫なんでしょうけど。

あと、ひと昔前は《映画>ドラマ》という固定観念があったしなんなら実際にそうやったと思う。でももう《映画=ドラマ》を通り越してモノによっては《映画<ドラマ》も成立してる。作る側、作らせる側も映画にかける金と同じくらいかそれ以上の制作費をドラマにも投入してる。〈映画館〉と所謂〈モバイル〉(配信)の入口の違い。それが観る人の数字に直結しちゃう。ともすればそれが《映画を作る》事への負荷やハードルの高さにもなっちゃう。いい事でもありちょっと悲しくもあり。でも〈観る〉スタイルが変わっちゃったから仕方ないのよね。

だけどぼくは[映画館で映画を観る]のが好きです。観たい全ての作品を映画館で観るワケではなくなったし観に行きたいと思える作品は減ったけど(好きなシリーズがほとんど完結した)、好きな作品はできるだけ映画館に足を運んで観たいし観ようと思う。映画館には映画館だから、スクリーンだから楽しめるワクワクがある。

シーズン4はよはよ。


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98【GEN V】[ザ・ボーイズ]のスピンオフ。’23年のアマプラオリジナル。1話のオープニングから[ザ・ボーイズ]の系譜が丸わかり。まぁ飛ばす飛ばす。観る前は時系列的にはだいぶ離れた過去とかパラドックス的な世界観なのかと思ったらガッツリ繋がってる。シーズン3のラストで崩壊しかけたセブンタワーが修復中だったり、ホームランダーの裁判がどーのこーの(③のラストでやらかしたあの件)とか。マリーのいた〈レッド・リバー〉って施設はシーズン3でヒューイが養子を探すってテイでデータを盗みに行ったトコで過去にナディアが育った研究所だったり、マデリンの息子が教室で瞬間移動してたりとか。ちゃんと繋がってるから観てて楽しい。加えてぼくは配信をリアタイでちょっとずつ観たりシーズンの間隔が空いてたりしたワケじゃなく〈一気観〉したもんで観たばっかで記憶や感覚が新鮮なので楽しさが倍増してる(最終話の配信前日に7話まで観て追いついた)。1話で早速爆散したルークがシュワル…………ツェネガーの息子さん。親父さんよりずっとイケメン。ほとんど面影ない(褒めてます)。

悪魔の実と違ってコンパウンドVはよく似た(というかほぼ同じ)能力者を作り出すのね。最初、ちょっと頭が追いつかなかったし『同じやん』て思ったりしたけど。マリーの〈血を操る〉能力ってのは武器や攻撃や防御(止血)ってのがちょっとしたミスリードでホントはニューマン(ナディア)と同じ能力やったっつぅ仕掛けが上手すぎる。物理的な能力を発揮する際は出血した血を使わないといけないけど、遠隔操作とかなら出血させなくてもいいって事ならそれこそナディア(ニューマン)と一緒というか、分析や解析ができて物理的な武器にもなるしマリーの方が上位互換?

自傷行為摂食障害というともすればデリケートな要素が能力のトリガーになってるという設定がいかにもブラックユーモアでこのシリーズらしい。あと、このシリーズは終始いろんな組織のトップや権力者が女性で描かれてる。マデリン、マロリー、ニューマン、エドガーを継いだアシュリー、今作のインディラ学部長。これも現実でのまだ男尊女卑寄りの組織形成に対するアンチテーゼなのかなとか。

このシリーズならではの過激な描写やブラックユーモアで自傷や人種をネタにしてるけど、今作で何より気持ち悪かったのは《SNS》に執着してる連中。これは実社会でもほぼそのまんまなんでしょうけどとても気持ち悪い。承認欲求がモラルや常識より優先される。とても気持ち悪いし胸糞悪い。なによりホラーに見えた。

最初は[ザ・ボーイズ]に比べたらキャラが弱いかなと思いながら観てたけど、匹敵するほどではないにしても十分魅力的なのですぐに没頭した。まぁ、あの連中に比べたらそりゃ薄口に感じるのはしゃあないし。中でも特にエマのキャラや表情や台詞がとてもいい感じにガス抜きのようになっててずっと和んだしマリーよりずっと魅力的でした。

シーズン2決まってるとか。個人的には本筋[ザ・ボーイズ]の続きのシーズン4が観たくてたまらないけどこっちはこっちの楽しさがあるから追いかけていきたい。お互いのキャラが行ったり来たりすると更におもしろさが増すと思うので期待しちゃう。

最終話のクライマックスはずっとニヤニヤ。エンディングもポストクレジットもずっとニヤニヤ。あんなんずるい。喜ぶの知っててやってるもん。最終話のタイトルもいい。こんなカタチで第1話の回収するとかやる事がニクい。そんでまた素直にキレイな着地せずに最後に一捻りを捻じ込んでくるあたりがこのシリーズ(脚本)のすごいところ。


あ〜〜〜〜観て欲しい。

そして話したい。


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99【クイック アンド デッド】(The Quick and the Dead)BSテレ東でやってたので久し振りに。字幕版にして視聴。'95年のサム・ライミ監督の西部劇。『サム・ライミが西部劇?』[死霊のはらわた]のイメージが強いからそりゃ『???』てなる。他の監督作には[スパイダーマン]シリーズ(ピーター・トビー・マグワイヤ・パーカーのトホホなシリーズ)とかあるけど西部劇のイメージはないもん。

主演はシャロン・ストーン。[トータル・リコール]、[氷の微笑]、[スペシャリスト]で勢いのあった頃。相変わらずお綺麗です。あと、笑けるくらい脇をかためるキャストが豪華すぎる。〈ラッセル・クロウ〉、〈レオナルド・ディカプリオ〉、〈ランス・ヘリクセン〉(←声がめっちゃカッコイイ)、〈ジーン・ハックマン〉。笑っちゃう。なんでこんなに集まったの?B級感満載やのにこの贅沢すぎるキャスティング。ジーン・ハックマンのラスボス感たるや。悪役なのにカッコよ過ぎる。シャロンさんを喰っちゃってるのよ。あとラッセル・クロウがキャラといいビジュアルといい男前が過ぎる。ディカプリオはたまに『ディカプリオ?』て思う時があるんやけどなんでだろうか。知らずに観てたら『なんか似てるなぁ』くらいの気づき方をしそうな程度。[タイタニック][ロミオ+ジュリエット]よりも前でまだできあがる前の[ギルバート・グレープ]('93)の頃のレオという感じなのか。青臭いガキというか(言い方)。顔のサイズが今のディカプリオの半分くらいの小ささ。ラッセルもレオもこの後どんどん出世してきます。制作に携わったシャロンさんの抜擢らしいけど〈見る目〉ありますね。

ちなみに今回放送してた吹替版はシャロンさんはアラレちゃん・ミンキーモモ・ビッグマムの小山茉美さん、ラスボスのへロッドはカリオストロ伯爵の石田太郎さん、ラッセルさんはメタルギアソリッドのオタコンやドカベン山田太郎・スラダンの木暮(初代)やドフラミンゴの田中秀幸さん。所謂"ちゃんとした"〈観れる〉吹替版。


内容はシンプル。早撃ち大会。と復讐。


衣装がカッコイイ。この時代の服装がもうカッコイイのよ。音楽がアラン・シルヴェストリ(BTTFの音楽で有名)なんやけど言われなきゃ気づかない気がする。

撃たれて親指が吹っ飛んだり撃ち抜かれた頭の穴からの視点や撃たれた胸の穴から差し込む光とかちょいちょいサム・ライミ風味が効いてる(というかロバート・ロドリゲスっぽい)。最後の一回転は要らんかったと思うけど。準決勝(準決勝と言うのか?)の前にへロッドが手袋でエレンの顔を引っ叩くシーンがあったけど、本来ならあの行為は〈決闘の申込み〉なんでしょうけどこの2人は組合せではないワケで『?』なシーンでした。クライマックスの一気擊ちの伏線やったのかしら。

幼少期のエピソードはヘロッドの悪党鬼畜っぷりが上手く描写されてるけどなんか個人的にはモヤっとするというか。まぁあれ以上のトラウマの与え方はなかなかないやろうけど、どーしても若干の『お前が撃ったんかい』感はついて回っちゃう。あと少しエレン(シャロン)のメンタルが終始ブレブレすぎる気も。乗り越えて克服した感を演出したかったのかもしれんけどもっと冷徹な復讐鬼でもよかったかな。

こんだけのとびっきりのカードを揃えてB級感しかないのが個人的には好感しかない。シナリオが若干安っぽいんですよね。シンプル故に。でもおもしろいですよ。大ヒットした作品ではないけど観やすい西部劇に仕上がってます。

シャロンさんの寝起きがことごとく色っぺぇ作品。


ひとつだけ腑に落ちない事が。みんなからモノを投げられ罵声を浴びさせられるほどラッセルさんが嫌われてる理由がよくわからない(過去の悪行に対して?それならへロッドの仲間で彼だけ憎まれるのはちょっと違和感あるし)(カットされてるのかしら)。そんでそんなブーイング浴びる男が保安官なんて務まるのか?


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100【ショーシャンクの空に】(初)/はじめまして。今まで観たことなかったんですよね。良い評判しか聞いてなかったんやけどなんか地味な作品のイメージがあったんで。’94年の作品で有名な映画。Netflixにて。監督は[グリーンマイル][ミスト]のフランク・ダラボン。原作は意外な人でスティーブン・キング。主人公はティム・ロビンス。この人の作品はほぼはじめまして([トップガン]に出てるらしいけど記憶にない)。「主人公」と書いたけど本当のこの作品の主人公はレッド(モーガン・フリーマン)で彼の希望〈HOPE〉のストーリーなんじゃないかなと思う。囚人の1人ヘイウッドが[ダイハード2]のスチュアート大佐役のウィリアム・サドラー、看守長に[スターシップトゥルーパーズ]のズィム教官のクランシー・ブラウンが出てて『お!』てなった。

序盤はものすごく重くて暗い。地味。閉ざされた刑務所の中で展開される事もあり明るい話題がほとんどない。救いがない。とても時間が進むのが遅く感じる。でもアンディーを取り巻く環境が”変わりだして”から、いや、彼が”変え始めて”からは少しづつストーリーにテンポと希望が生まれてくる。ただ看守に笑顔で『おめでとう』と言われただけなのに観てて胸が透く。そして展開は爽快に裏切られる。すごくよくできてる。地味に凄いのがあのドンデン返しを大オチに使わないの。その後でそれまでに張られてた伏線がキレイに回収されてく。とても美しい脚本。たまんないね。

ただ、ひとつ。真犯人の背後に黒幕がいたような感じはしないし結局のところは冤◯だったって事なんですよね。刑務所に対しては会稽を遂げたけど真実を知ったからもう◯罪そのものを晴らしたりそこに対する返報はないという終わり方ですよね。レッドに『手伝って欲しい』のはホテルとかであってまさか復讐的な事ではないはずなんですよね(そもそも仮出所のレッドがそんな事を手伝うハズがない)。そこがぼやかされてるってトコにこだわる人とか好き嫌いが出そう。ぼくは全然問題ない。

派手な銃撃戦や爆破シーンもなければカーチェイスもない。宇宙人が攻めてくる事も未来から殺人マシーンが来たり目からビーム出したり頭が爆裂する事もない。でも、〈名作〉ってこーゆー作品よねっていう作品。

ポスターになってるシーン、壮大な感動するシーンを使ってるのかと思って観たら全然そーじゃなくてしれっと通り過ぎるくらいのシーンで拍子抜けはしました。


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W杯終わって[浅草キッド]から数えてキリの良い100作目。12月後半やったと思うから1年弱。ジャンルは偏ってますね。笑っちゃうくらいに。好き嫌いと食わず嫌いがとても顕著。あと文才の無さ。好きな人のブログとかと読み比べると恥ずかしくなっちゃう。表現の仕方が感想文レベル。書き方や文章も上達していかないと。とは言え観たい、観直したい作品もまだたくさんあるのでこれからもぼちぼち進めていこうと思います。

ホントは100本目はちょうど観たい作品が劇場でやってるから配信や円盤ではなく映画館で観たかったんですよね。でもなかなか行けるタイミングがなくて。久し振りにスクリーンで観たい作品なんで時間作って行きたいんですけどね。

 


101【グリーンマイル】(初)/[ショーシャンクの空に]からの流れで。Netflixにて。こちらもはじめまして。これも名作と言われてる作品。'99年の作品でフランク・ダナボン監督・スティーブン・キング原作のショーシャンクタッグ。主演はトム・ハンクス。この人の主演作品をちゃんと観たことがほぼない。[フィラデルフィア]くらいかしら。有名な[フォレスト・ガンプ]も[プライベート・ライアン]も観た事ないのよね。もう1人の主演と言ってもいいメインキャストが[アルマゲドン]でベアーを演じたマイケル・クラーク・ダンカン。好きだったのは主人公ポールの相棒ブルータス刑務官役の[ザ・ロック]でハメル准将に義理と筋を通してカッコよかったバクスター少佐を演じたデヴィッド・モース。今回もイイ感じです。終盤でネガティブな声が入ってきて辛い想いするコーフィーにかける言葉がとても良き。泣いちゃった。1番泣いた。被害者の双子の父親に[ショーシャンクの空に]のヘイウッド役で観たばっかりのウィリアム・サドラー。序盤で刑を執行されるビターバックは[ダイハード3]でジョンの同僚のランバートや[ダンス・ウィズ・ウルブズ]の蹴る鳥を演じたグラハム・グリーン。

長い。188分あります。一つ一つのシーンや画の撮り方が監督デビュー作の[ショーシャンクの空に]よりすごく丁寧になってる感じ。風景や何気ない場面もしっかり撮られてる。そりゃ長い。でも中身がスッゲェ詰まってる。そしてやはり今作も暗い。前作でショーシャンク刑務所の中を描いた次の今作は刑務所の死刑囚棟。そりゃ暗い。

冒頭のお爺ちゃんをずっとハンクスさんの特殊メイクかと思いながら観てたけど全然違った。序盤のコーフィーの台詞がどえらい伏線になってるけど、ちょっと含みがあり過ぎるというか話が進んでいくと結構早い段階で『ピン!』とくる。ちょっと驚いたのは”執行”の時に人を入れてる事。歴史とか知らないからびっくりした。任意なのかとかよくわからないけど『観たい』ものなのか?まぁ遺族とかからしたらそうなるのか。デルの執行のシークエンスはなかなかエグくてとてもスティーブン・キングっぽかった。そもそも執行の時のディテールとかリアル過ぎてめっちゃキング。

海外の映画やドラマで会話の終わって別れる時に友達や仲の良い同僚とかが去り際に肩とかをポンポンって叩くのいいですよね。その仕草に信頼や立場を越えた距離感や絆みたいなのが詰まってる。なんか憧れるしたまにやっちゃう。

ファンタジーな内容なのである程度はプロットやストーリーに自由が効くんでしょう。でもそーゆーアドバンテージを抜きにしてもストーリーが秀逸。ファンタジーに振り過ぎてない。どちらかと言うとずっしりとした人間ドラマ。ファンタジーは借りてる程度。エンディングは大好きです。オールハッピーじゃないところが。その辺はキング原作っぽいのかも。ウォートンが撃たれてパーシーが病院送りになるトコでコーフィーの冤罪が晴れてハッピーエンド…じゃない。そーしようとしてもできるのに。しない。なんならここからが本筋。最後まで自分の口から真実を話さずに冤罪のまま刑の執行を〈救い〉として受け入れたコーフィー。理不尽で不条理。でもコーフィーにはそうする理由があるわけで。そしてポールやブルータスの心情を察すれば慚愧に堪えないし、彼らが非難されるのは違う。そこには看守としての誇りと正義があるから。やるせない。2人はそれを甘受できずに転属する。そこら辺のボタンの掛け方が非常に上手い。個人的には看守たちがルールを破ってコーフィーを外に連れ出す際に若くて子供のいるディーンを巻き込まない心配りが粋で好きでしたね。文句溢さずに当然のように乗るブルータスも粋やし文句垂れながら手伝うハリーの優しさも粋。そして何より特によかったのがコーフィーの奇跡の謎をそのまんまにしてるところ。明かさない。たぶんこーゆートコはキングっぽくてディズニーやスピルバーグと違うところ(知らんけど)。[ショーシャンクの空に]の復讐云々と同じ。ぼくは好きです。

最後まで観ると冒頭のあの映画の意味合いや印象が全然変わる。終盤での鑑賞は楽しそうなコーフィーの姿が胸を打つけど同じ映画なのに冒頭のポールの心情を考えると切ない切ない。この辺の回収が抜群に上手いの。散歩の理由とか冷めたトーストの意味とか。上手いなぁ。たまらん。たまらんぞ。


この流れできたらもうついでに同監督・同原作の[ミスト]まで観たい。なかなかのクソ鬱エンディングで有名な作品らしいので敬遠してたけど勢いで行っちゃうか。

…と思ったらアマプラにもNetflixにもなかった()


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102[ミスト]が後回しになったのでNetflixで見かけた【TOKYO MER】を観た。大好きなんですよ。めっちゃ好き。前にDisney+にラインナップされてたのでまさかNetflixで観れるとは思わなかった。ぼくの好きなドラマで上から数えた方が早い作品。ベストは[ランチの女王]で次が[コードブルー]。この2つはほぼ固定。その次が今作か[アンナチュラル ](←コレも大好き。第5話で復讐を果たした後に降る雪のシーンとか美し過ぎて泣ける。流れる〈Lemon〉も完璧。あんな美しいシーンはなかなかお目にかかれない。あのシーンが観たくてこのドラマを観たくなる)。何回でも観れるし何回でも観たい。エレベーターで妊婦さんを救うエピソードと大使館のエピソードあたりから最終回までの畳み掛ける展開がすごく好き。籠城犯のエピソードも土砂崩れの病院のエピソードもいい。最終話のクライマックスが1話をトレースしてるのもすごく好き。毎回同じ温度で同じ展開で同じようにドキドキして同じようにスカッとしてる。ずっと同じ事してるんですけどね。1話から最終話まで。でもそれでもおもしろい。TVドラマなのでここで書くのはちょっと違う気がするのでタッチしませんが(そこそこタッチしたくせに)、また機会があれば。

 

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78勝17分7敗

今回ちょっと長いです(今回も?) 今回はBTTFと007多めになってます。

84【バック・トゥ・ザ・フューチャーNHKで特番をやっててそれを観てたらとても観たくなったのでNetflixにて。このシリーズは円盤持ってないのよ。

'85年の作品。名作オブ名作。ベスト映画に選んでる人も多いですよね。ぼくもベストととまでは言わないけど(アクション作品が好きな上位を占めるから)すごく好きな作品。何回観たかわかんない。放映されるたびに観てるから。


色褪せないですね。

ロバート・ゼメキス監督の世界観と脚本とプロットが完璧に近い完成度やから。何回観ても普通におもしろい。特番の中でも言われてたけど、本シリーズは色んな作品をオマージュしてるけど結果的にそれ以降のたくさんの映画とかにオマージュされるほどの作品になった。ホンマそうやと思う。

 

この映画の1番好きで凄いと思うポイントは、シリーズを通して天丼を繰り返すネタ振りがたくさん盛り込まれてるし結果的にその振りが続編で回収されててそれがちゃんと成立してておもしろい事。ただのギャグパートに終わらずにちゃんとストーリーに溶け込んでる。

タイムスリップして変な形で母親に会って父親がダメダメでビフに上からドヤられて結果ビフにお約束の罰が下る。

毎回同じ事してるやん。でもそれがちゃんと成立してる。作ってる側が楽しんで作ってる感じ。早送りするシーンがほとんどないのも凄いと思う。全てが振りになってたり何かが仕込んであったりほとんどが魅せ場になってる。観た事あって結果知ってて観てもちゃんとおもしろい。アラン・シルヴェストリの音楽もいいし。


個人的にはPART2の終わり方が芸術の域にいってるくらい凄いと思う。PART1のエンディングをこれ以上ないくらい上手く利用してちゃんと風呂敷をキレイに結べたのに、それに足しても流れやシナリオも抜群にスムーズで一切破綻してない。ホント凄い。誰が観ても続きを観たくなる終わり方。3部作でPART3に繋げるPART2は数多くあるけど飛び抜けてキレイな繋げ方やと思う。


字幕版で観たけど吹替版でも十分楽しめる。今回のNetflix版ではマーティの声は山寺宏一さんやけど個人的にはテレ朝版の三ツ矢雄二さんバージョンの方が馴染みが深い気がする(山寺さんでも違和感はない。馴染みの問題)。でもドクの声はこの吹替版の青野武さんの声が聞き馴染みある。このドクの声で日本で愛着が湧いてヒットしたってのもあるんじゃないかな。


過去の映像や音楽が使われる番組やコーナーでは必ずと言っていいくらいテーマ曲が使われますよね。日本人のほぼ全員が聴いたことあるんじゃないかな。ぼくは毎週日曜日にとあるラジオ番組のコーナーテーマとして流れるのを聴いてるから古臭さとか一切感じないけど。あと、細かすぎて伝わらないモノマネのテーマ曲でもある。


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85【バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2】続けてNetflixにて。個人的にはシリーズ通してこの②が1番好き。作品の完成度は①の方が完璧と言えるくらい断トツですごい。ただ、プロットとかは②が1番凝ってると思う。例のNIKEのクツとかホバーボードとか。未来を描いてるから発想の自由度が高いですよね。その未来(2015年)も今となっては過ぎた過去になるけど2023年より未来っぽいし今観てもワクワクする。あと、ただでさえカッコイイ〈デロリアン〉が飛行形態になったらもっとカッコイイ〈デロリアン〉になってる。内容的には1作目よりもタイムパラドックス感はグッと増してる気がする(本人同士がハチ合わせするシーンはしれっとギャグシーンになっちゃってるけど)。

何度もドクが『デロリアンを壊す』て言ってた懸念が具現化されてるストーリー。大筋の軸が一切ブレてない。ホントによく考えて練られてる。

ここまでハッキリと前作を素材にしてなんの歪みもなく成立させてるのがすごい。こんなに続編の強みを遺憾なく発揮できてるのも珍しい。なにより、あの完成度の①を素材やフリに使っちゃう贅沢さよ。①を観てなくても楽しめるけど①を観たら何倍も楽しめるように観た人にたくさんのギフトが込められてる。②を観たら改めて①をまた観たくなる。

マイケル・J・フォックスが何役も演じたりする遊び心が当時の勢いを感じさせる気もしますね。まぁ①のジョージ(お父さん)役のクリスピン・ヘリオン・グローヴァーが続投せずに離脱したってのもその理由なのかもしれないけど。

街灯の手前までホバーで飛んでて街灯を通過するタイミングで走行に切り替わる撮影トリックが今でこそチープに見えるかもしれないけどとても上手く使われてる。

『HELLO! ANYBODY HOME?』のビフ家伝統の台詞のファンなのでちゃんと出てきた時は嬉しかった。『I'LL BE BACK』(ターミネーター)、『Yippee-ki-yay, motherfucker』(ダイハード)、『MAY THE FORCE BE WITH YOU』(SW)とかに匹敵するくらい好きな台詞。


このシリーズは一度は観ておいた方がいいと思う。いや、マジで。ジャンルの好き嫌いはあると思うし感想の良き悪きもあるでしょうが。ただ、観ておく事で必ず観た人の財産になる。ぼくの好きな映画(ダイハード、プロジェクトA、その他)でこんな言い方するシリーズはあまりない。まぁ、好評で続編が作られたシリーズと最初から〈3部作〉として制作されたシリーズとの違いはあるけど。ただ単に『おもしろい』だけじゃない。単作で薦めたい作品はいくつかあるけど《シリーズを通しての完成度》が素晴らしい。ズバ抜けてる。3作で1つの作品になってる(③はちょっとダレるけど)。SWのepⅣ〜Ⅵとかトップガン〜マーヴェリックに匹敵するトータルでの完成度。観た後で『あんまりやった』『(そんなに)おもしろくなかった』と思ってもいいので観ておくべき。大袈裟な言い方になるけど、観た人の知識・教養・財産にきっとなる。

もちろん①②③の順番で観た方が当然何倍もおもしろい。ぼくが何度も言ってる天丼とシリーズならではのフリが活きる。


ずっと笑って観てられる①に比べるとちょっとストーリーが暗いけどね。時代を行ったり来たりしちゃうからちょっと複雑やし。それでもちゃんとおもしろい。


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86【バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3

個人的にはちょっと蛇足感を感じなくもない作品。まぁ①と②が飛び抜けてるからなんですけどね。今作もちゃんとおもしろいんですよ。本来は②と③は1本の作品だったけどあまりにも長過ぎるから2本に分けたのは有名な話。つまりは③に当たる今作はシリーズとしてのクライマックスが描かれてるパートなわけなんですよね。でもなんかどこか刺さらないのはたぶん今作の主役がマーティじゃなくてドクになっちゃってる事かな。コレは完璧に個人の好き嫌いの問題です。作品に落ち度や罪はない。最後の最後(現代に戻ってから)はキレイにまとまってて気持ちいい。良いエンディングの大円団やと思う。

ぼくは西部劇も好きなのでまだおもしろさのバロメーターがキープできてると思うけど西部劇を観ない人とかでもちゃんとついてきてるのかしら。西部劇で言えば、②でビフが風呂で観てた[荒野の用心棒]の伏線回収(イーストウッドの名前も含めて)がキレイ過ぎるし、祭りのシークエンスでマーティが銃の腕前を披露して『練習したのはセブンイレブン』て答えるというくだりの前振りも②のカフェのゲームコーナーでちゃんと振られてるのがすごい(まぁ、②と③で分けるのと②③でくっついてるのではすごさの印象が違うけど)。

クライマックスの機関車を落とす撮影トリックのエピソードは有名ですよね。「大事な機関車を破壊すな!」っていう界隈からのクレームに対して『そんなコアなファンの目を騙せた!』ってスタッフが喜んだという。ウィットですよね。

クライマックスの余韻に浸りながら'85年に戻ってくるくらいから『あぁもうすぐ終わっちゃう』とちょっとセンチメンタルになるし、ラストで木端微塵になるデロリアンを観ると『ああぁぁぁ』てなっちゃう。なんか寂しい。ジオングにやられていくガンダムを見てる感覚(イヤ、ソウジャナイヨ)。


たぶんですけど、西部開拓時代のストーリーはアメリカ人が見ればめちゃくちゃウケるのかもしれない。でも、ぼくら日本人は(主語が勝手にデカい)あくまでも〈スクリーンの中の世界〉として認識してる感覚が強いのでそこまでテンションがアガるポイントではないんですよ(たぶん)。恐竜がいた時代とさほど変わらないというか。もし仮にこれが江戸時代や幕末なんかで侍とかが出てくればもっとタイムスリップした実感が沸くんでしょうね(たぶん)。それがおもしろいかどうかは別にして(イヤ、オモロナイヤロ)。あ、[戦国自衛隊]とか題材にしてる作品はいくつかありますね(その作品を否定してるわけじゃないです)(たぶん)。

いくつも時代を行き来する複雑な②に対して西武開拓時代一択にしてシンプルな活劇に仕上がって観やすい③になってるから、これぞ《THE 完結編》というこれ以上ない完結編。3部作になってた壮大な時空旅行がキレイに終着した感。風呂敷の結び方もとても美しい。


ただ、ドクの墓をドクが見るというのには違和感がなくはない。過去や未来から来たドクが見るのならわかる。でも見てるのはその時代のオリジナルのドク。もし過去にドクが死んでるタイムラインならあのドクが存在してるのはおかしくなる。一度タイムスリップしてまた戻ってきたドクが見るのなら辻褄が合うと思うけど。まぁそんなん気にならないくらいおもしろいけどね。


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87【メカニック:ワールドミッション】(初)/BS日テレで字幕版が放送してたから。ジェイソン・ステイサムの'16年の作品。'11年の[メカニック]の続編。今回は凄腕の殺し屋。もうどんな役でも驚かないよ。

トミー・リー・ジョーンズ(日本ではBOSSおじさんとしてイヂられてるけどすごい人なんやぞ)やジェシカ・アルバが脇を固めてて初見で観てたら『お!』てなった。どっちもスクリーンでは久し振りにお見かけした。


シンプルな映画。よく言えば。気楽に観れるというか。98分という手頃な長さもいいですね。なんとなく導入から振りから展開からクライマックスまでがテンポとかも含めて少し浅く感じちゃう。シンプルゆえに。まぁ、これくらいサクサク進む方が気軽に観れるのかもしれないけど。嫌いではないですけどね。ただどうしても前半は退屈な感じはしちゃう。あと、この人の映画にはロマンスは別に要らなくないか?って思っちゃう。迫られても軽くあしらうくらいの方が合ってると思う。

仕事をするにあたっての準備や迎え撃つための罠の工作をしてるシーンはいいですね。こーゆープロフェッショナルを描写するシーンは好き。ド派手なアクションや特撮シーンと同じくらい好き。あと、最後の脱出の種明かしのやり方が取ってつけたエピローグにするんじゃなくてちゃんとキャストを活かしてるのがなんかセンスがあっていい。

高層プールのシークエンスはよかったですね。すげぇプロっぽくて。この場面が1番よかった。任務を終わらせて戻ってきた地上(道路)にターゲットの憐れな掉尾がうっすら見えるのもよかった。[ゴーストプロトコル]のブルジュ・ハリーファのシーンよりスマートで観応えがあるかも。イーサンたちは後先のこと度外視して窓ガラスを切り取ってたし戻る時もガラスブチ割ってたけどこちらのビショップはちゃんと修復して去り際もキレイ(さすがに窓のふちのパッキンまで戻す余裕はないとは思うけど)。ただ、あの高さであのガラスの開け方したら気密性の問題で空気の入ってくる勢いはハンパないと思うけど。


今回は元飛び込み選手という経歴がこれでもかというくらいに活かされてますね。とてもキレイなフォームでした(本人かスタントダブルなのかは知らんけど)。泳ぎもさすがに達者。泳ぎを知ってる人の泳ぎ方。


[メカニック]っつぅタイトルの由来がよくわからなくてもっとメカメカしたトリックを使うとかそんなんかと思ってた。調べたら前作がチャールズ・ブロンソン主演の'72年の作品でそのリメイクだとか。

あと、英語で整備士、整備兵、熟練工、職人って意味で、英俗語で殺し屋って意味がちゃんとあるらしい(Wikiより)。なるほどね。取り敢えずちょっと前作を観たくなった。


△(あともう少しなんかあれば十分○になる。ステイサムニキの作品てこんなん多いよね)

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89【ゲッタウェイ】BSPで字幕版やってたので。スティーブ・マックイーン主演の'72年のサム・ペキンパー([ワイルド・バンチ][わらの犬][ガルシアの首])監督作品。

脚本をウォルター・ヒル([48時間][ダブルボーダー][レッドブル]の監督)なのは今回初めて知った(ちなみに[ダブルボーダー]はめっさカッコイイ映画です。銃撃戦が痺れる)。オープニングのクレジットの出方とかがペキンパー風味全開というか。いちいちストップする撮り方とか。


マックイーンのこの作品と[ブリット]はとても好き。[タワーリング・インフェルノ]もいい。マックイーンの演技が上手いかどうかは正直なところわかってないかもしれない。台詞が棒読みかどうかとかはあんまわかんないし。でもカリスマ性はある。リバー・フェニックスや幅を広げたら尾崎豊本田美奈子も。怒られる言い方になるかもしれないけど亡くなった事で(更に)伝説になったというか。ジョン・レノン的な。もっと観てみたかった人たちですけどね。円熟味が加わった違う伝説とかワクワクしかない。

なんか〈男が惚れる男〉みたいなとこある。最近の俳優さんであんまいない感覚。ただのアウトローじゃない。なんかこう、色気じゃないけど引き寄せるオーラみたいなのを纏ってる。あと、銃の扱い方が抜群にカッコイイ。バイクの乗り方も(今作ではバイク乗らないけど)。個人的にブルース・ウィリスの銃の扱い方も同じくらいカッコよかったと思う。この2人は飛び抜けてカッコイイ。他でそれに近いのはキアヌ・リーブス

銀行を襲った後でルディーを撃つ時に反動を殺すように手を引きながら撃ってる(たぶん)のや、もし防弾ベストとかを着てた場合を考えてトドメを頭に入れようとする(結果的に頭には当たらず首?肩口?に当たっておまけに案の定ベスト着てたから仕止めきれなかったけど)のや、撃ち終わった後に(おそらく)撃鉄を戻してセーフティーをかける仕草とかいちいち細かいところがカッコイイ。中盤で無造作にショットガンの弾をジャケットのポケットを入れるとか痺れるくらいカッコイイ。紙に包まれたショットガンとかカッコイイにも程がある(その後のジャケットや白い布?カーテン?で雑に隠されてるのもたまんない)。リロードする時にショットガンを裏返して装填口を上にしてのリロードがこれまたカッコイイ。クライマックスでショットガンの弾を撃ち尽くしてハンドガン(コルト・ガバメント?)に持ち替えた時にさりげなくスライドさせて装填するアクションがあまりにも流れるように自然で何回でも繰り返し観れる。

犯行前の準備や打ち合わせの雰囲気とかはすごく手練れのプロ感を出してるのに犯行後のあたふたドタバタがちょっとお粗末な感じ。乱暴な車の運転といい自分から目立ってないか?という。ニュースとかで自分達の顔が指名手配として知れ渡ってるのを知ってるのに普通に顔を晒す不用心さもどうかと。


アメリカン・ニューシネマ〉にカテゴライズされるのかどうかはわからないけど、ペキンパー版[俺たちに明日はない]という感じ。ただ、ラストがラストなのでどっちが好きなのかは好みは分かれるところ。ぼくは個人的にはボニーとクライドが迎えた運命の方が好きかもしれない。


久し振りに観たけどこの年代の映画はたまに観るとすごくいい。まぁ今作はNTRとかあるし明るく観れる作品ではないけどね。


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90【トレイン・ミッション】(初)/BSテレ東で吹替版やってたけど日本語字幕に切り替えて。吹替版でもいいんやけどリーアムさんの声はオリジナルの方が渋くてカッコイイ。原題は[The Commuter]。意味は「通勤者」。

リーアム・ニーソン主演の'18年の列車内でのサスペンスアクション。この人の映画は結構好きです。[シンドラーのリスト]やSWepⅠ[ファントム・メナス]のクワイ=ガン・ジン役が有名ですね。[96時間]シリーズも円盤持ってるし好き。ちょっと推理の仕方が似てるかな。頭が切れる人の推理を少しづつわかる展開は引き込まれますね。少し前にアマプラかNetflixで見かけた[アイス・ロード]って作品もおもしろそうなので近々観たいと思ってます。


〈通勤電車〉ってのが一見地味な設定に感じるけどイイ意味で活きてくる。前半の顔馴染みに協力を求めれる事や後半の〈普通→疑う→疑いが晴れる〉の一致団結してく流れがスムーズ。これが旅先の豪華列車とか豪華客船やと舞台はぱっと見派手になるけど同じように流れをスムーズにするにはそれぞれエピソードを付け足さなければならないから間延びしちゃう。それが〈顔馴染み〉で省略できてテンポが良くなるから〈通勤〉電車というアイデアでアドバンテージがある。

この監督の映画([アンノウン]とか[フライト・ゲーム]とかもリーアムさんとタッグを組んでておもしろそう)は初めて観たけど、パンチした切符の穴からのカメラワークとかヘッドフォンの音漏れの使い方とか撮影のセンスがイイね。犯人を明かすきっかけをあーゆー〈台詞〉というポイントにしたのもGOOD。


イイ役で[ジェラシックパーク]シリーズのグラント博士(サム・ニール)がいてちょっと美味しいトコロを持ってく。他の脇役さんたちもちゃんとキャラが立っててイイ感じで観れた。最後にジャクソンが見せた漢気にみんなが続くトコ、鳥肌立つくらい良かったしなんか泣きそうになった。


観てる途中までは全然初見のつもりやったけど、クライマックスで濡らした新聞を貼り付けるあたりからなんか既視感が。途中から観たことあるな。

スケールをもう少し大きくアレンジしたらシナリオやプロットは良いのでダイハードみたいな映画になってたと思う(褒め言葉です)。

あんま期待せずに観たけど十分おもしろかった。


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91【007 カジノ・ロワイヤル】(Casino Royale)(初)/BS日テレで字幕版を。恥ずかしながらはじめまして。'06年のダニエル・クレイグの初ボンド作品。

007はあんま観ずに育ってきたんですよね。ティモシー・ダルトン・ボンドとピアーズ・ブロスナン・ボンドを何作か観た事があるかな…くらい。地上波でたまたま放映してたのをチラッと観た事があったりなんかと同時上映やったのを観た気がする程度やと思うのでクレイグ・ボンドは実質はじめまして。どっちかっつぅとスパイ=イーサン・ハントの印象が強い。

'67年の作品のリメイク。でも前作は007のパロディー映画らしい。


マッツ・ミケルセンという最高のカードの切り方が若干勿体なくないかなと思う部分もある。まだまだもっと使えるくらいのいいキャラやと思うから。敵役にはもってこいのキャスティングですね。〈血の涙を流す〉という設定はマッツっぽくて気持ち悪くて(いい意味で)とても良かったしあの拷問の仕方もめっさ変態でものすごくマッツ。

暗証番号を知ったヴェスパーが罪の意識に苛まれるかの様な表情になるのが根っからの悪人ではない事と彼女の最期にも繋がるのは上手く描写されてる。でもまぁ仕事は仕事でやっちゃうんやけど。


とても暴力的でワイルドな野性味に溢れまくってる今回のクレイグ・ボンド。ボンドってもっとスマートでエレガントなちょっと憎たらしいスケベ顔のスパイのイメージ。このボンドは007というよりジェイソン・ボーンとかに近い感じ。すぐパワープレーしちゃう。でも、前半のオーシャンクラブに侵入する時に騒ぎ起こして紛れながらも女の人が通る時にさりげなくドアを押さえてる仕草は英国紳士のボンドっぽかったけど。

[ダイハード]のジョン・マクレーンしかり[リーサルウェポン]のマーティン・リッグスしかり、スマートさとは程遠いアクションヒーローが好きなので(それで育ってきたので)すましたスタイリッシュなボンドはちょっと好みとは毛色が違うという偏見を持ってました(今でも多少持ってます)。これはこれで良さもあるしさすがにもう変なこだわりもなく観れるんやけど、心が躍るのは前者のぶきっちょなゴリゴリの武闘派ヒーローなんですよ。スーツ姿やキレイなお召し物で闘うスパイの主人公よりタンクトップやジーンズでボロボロになりながら闘う警官の方が好みのドストライクなんですよね。ただ、そーゆー意味ではクレイグ・ボンドは過去のボンドに比べたらちょっと近い気もする。


ダニエル・クレイグがボンドに選ばれた候補の中にクリスチャン・ベールの名前もあったとか。そっちのボンドも観たかった気もしないでもない。


○(ちょっと△よりの○かな)

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92【007 慰めの報酬】(Quantum of Solace)(初)/quantum=量、額、分け前。solace=慰め、安堵。'08の作品で前作[カジノ・ロワイヤル」の続編というか前作のエンディングから繋がったオープニング。[カジノ・ロワイヤル]を観た勢いで続けてアマプラで字幕版を。公開の間隔が2年しかないって事も[続編]としての鮮度を活かす意図があるのかな。

なんか[カジノ・ロワイヤル]と今作でまとめて1本の映画にしても(作品時間の長さは別にして)成立するような感じ。逆に前作を観てないとちょっとついていくのが難儀な内容かも。そのかわり続けて観てる人は導入部分がゴッソリ前作に当たるのですぐに本題に入れるし、引き続き出てるキャラもいてスムーズに観れる。〈車のトランク〉のくだりとか『そのキャラでその展開ですか?』と前作との繋がりもある。組織がいくつか絡んできたり復讐のターゲットが複数人だったりと若干ですが複雑さは感じますけど。


陥没孔から町までの距離を裸足で歩き通すカミーユ(歩かせるボンド)にちょっとびっくり。タフね。クライマックスの燃え盛るホテルがカミーユの過去のトラウマのエピソードに繋がってて上手い。ドレスを着て惑わすボンドガール(グリーンに対してその武器も使った事を表す台詞はあったけど)というより泥だらけでボロボロになりながら銃を持って闘うパートナーみたいに描かれてるのは好印象。フェードアウトの仕方もいい。

途中まではフィールズがヒロイン的なポジション(所謂「ボンドガール」)なのかとも思ってたのであの展開は『は?』てなりました(一応2人ともボンドガールなんですね)。

グリーンの最初のイメージがゲイリー・オールドマンっぽくてものすごく期待値が上がった。こりゃあ憎たらしい敵やな、と。でももう少し極悪のエピソード(カミーユの過去を知りつついとも簡単にメドラーノ将軍に渡すあたりはなかなかの鬼畜っぷりでしたが)が欲しかったなと欲は出ましたけど。最後にオイル缶を渡されるオチはフィールズの仇としてシャレてました(スッキリするしないや甘いかどうかは別にして)。


今回のボンドはインポッシブルなミッション遂行(この書き方すると作品名がブレる)よりも前作からの復讐や仇討ちに加えて自分が巻き込んだ人たちへの弔いという私的な行動理念(結果的にそれでもミッションコンプリートしちゃうんですけど)。ただ、観てて下手な正義感や任務遂行よりずっと感情移入しやすいです。

106分という尺に加えてものすごくテンポ良く進む展開であっと言う間にエンディング。逆にテンポ良過ぎて、観劇の際に袋を渡すトリックやグリーンから組織を聞き出す取り引きのくだりや最後にネックレスを捨てるシーンとかもう少し丁寧に見せてくれてもよかったのではないかという気持ちはありますが。でも、核兵器や大量殺戮兵器や致死ウイルスという若干ファンタジーなモノではなくて狙いが[水]というのもシンプルでありリアルでいい。


ただ、観終わった後に真っ先に出たのは『Mr.ホワイトわい!』でした。


○(今作単体で捉えるとカジノ・ロワイヤルよりも△寄りかも。でもセットで判断すると十分○)

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93【007 スカイフォール】(Skyfall)(初)/クレイグ・ボンドを続けて。アマプラで字幕版。'12年のクレイグ・ボンドの3作目。改めてこのシリーズを観てみると、ここまでしっかりと〈オープニング〉を作ってる作品って最近では珍しいですよね(前作はいきなりカーチェイスでオープニングにあたる部分はなかったけど)。[スパイ大作戦]系のあっちもオープニングは作ってるけど、永くシリーズとしてやってるとやっぱ必要というか成立するというか『さて、始まりますよ!』みたいな役割のパートなんですかね。


冒頭の観応えあるアクションでのあの状況から助かったボンドが次に出てくるシーンでいきなり女の人とイチャコラしててなんかシーンをスキップしてしまったのかと『?』てなった。そんでその療養してるビーチがなんか既視感あるなと思ったらちょっと前に観た[メカニック・ワールドミッション]でビショップが訪れたメイのコテージとごっちゃになってた。

敵役のシルヴァ(ハビエル・バルデム)を調べたらWikiに既視感があって『?』と思ったら、少し前に金ローでちょっとだけ観た[パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊]でサラザール役やってたから調べた形跡があっただけでした。

いいキャラですね。シルヴァ。怖い。見た目や威圧感や凄味とかではなく気味の悪い怖さ(見た目アレな描写はあるけどそーゆー事での怖さではなく)。何をするかわからない怖さ。読めない怖さ。[M:i:Ⅲ]のディヴィアンぽいというか。金髪やもんで余計に。


007シリーズに愛着があまり湧かないのはボンドの愛用銃がワルサーな事。これは極めて個人的な好みなんで仕方ないんですけどね。ベレッタやその前ならコルト・ガバメントとかで育ってきた世代で最近でこそやっとSigとかに慣れてきたもんですからワルサーにはあんま馴染みがない。どーして変装得意なももみあげ怪盗のp38が浮かんじゃうし。


本来はイヴやセヴリンがボンドガール的なポジションなのかもしれないけど観た後ではホントの今作のボンドガールは[M]なのかな、と。ヒロインでしたね。

最後まで観てみると、公聴会でMがテニソンの詩を語ってる時にボンドの姿がオーバーラップしたりしてあの内容がMからボンドへの矜持みたいなメッセージなのかと。加えてこの公聴会では、大胆且つ用意周到なシルヴァ、銃を向けられて覚悟を決める強い意志のM、反発してても身体を張ってMを救うマロリー、現場での機転は一枚上手のボンド、無理をせずに引き際もわきまえてるシルヴァ、それぞれのキャラを端的に上手く描写してるシーンがいっぱい詰まっててとても良いシークエンスやと思うし、なかなかこんな綺麗な構成はお目にかからないと思う。この公聴会の一連のシーンはなんならクライマックスよりデキは良かったと思う。

乗り換えたアストンマーチンが[カジノ・ロワイヤル]で賭けで奪った例の車かと思ったけど違った。クライマックスで敵を迎え撃つのに罠を拵えて家で待つスタイルというのはランボーのラスト作と同じプロット。まぁ当然こっちの方が先ですけどね(向こうは'19年)([ホームアローン]みたいとかまでは言いません)。あと、もう少し〈シルヴァにだけわかるパン屑〉をわかりやすくして欲しかったかな。

ボンド「準備はいいか?」

キンケイド『お前が生まれる前からできてるよ』

の会話で平子隊長の『お前が母ちゃんの子宮の中におるときからや』の返しを思い出した(BLEACHの話です)。


タイトルの[スカイフォール]の由来、『そこ?』ってちょっと思いましたけどね。でも今まで描かれてなかったクレイグ・ボンドの過去の一端を描写してたりいい設定じゃないですかね。


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94【007 スペクター】(Spectre)([カジノ・ロワイヤル]の時に『クレイグ・ボンドははじめまして』って書いたけど、この作品観たことあるわ。オープニングですぐわかった。だからこっちを初見で観た時がホントのはじめましてでした。'15年の作品。BS日テレで放送してたけどアマプラで字幕版。

冒頭のメキシコシティーのシークエンスがとても印象深い。パレードから狙撃まではワンカット撮影なんですと。観てて引き込まれる。オープニングテーマの映像、[カジノ・ロワイヤル][慰めの報酬][スカイフォール]観てると観てないでは印象変わりますね。前の時は他を観てなかったから気づかなかったけど(クライマックスのあの写真たちも同じく)。

フォローしてくれる上司が亡くなって口うるさい憎まれ役の上司に代わるのもよく考えたら某スパイ大作戦の流れと同じですね。そしてあっちの世界線ではイーサン・ハントたちにやられた(実際に手を出したのはイーサンではなく遺恨のあったジェーン)女殺し屋(レア・セドゥ)がこっちの世界線ではボンドガールになるという知ってるとちょっとニヤけるキャスティング。順番的には[ゴーストプロトコル]が'11年なのでサビーヌ・モローとしてブルジュ・ハリーファから落ちる方が先です。一応今作のボンドガールなんですね。そんなつもりで観てなかった。2人して列車の中で襲撃を退けて『この後は?』の後でちゅっちゅする流れはよく意味がわかりませんでした。拷問を受けたボンドがその後遺症で銃の扱いが本調子じゃないのをマドレーヌが援護射撃する…とかいう流れでもよかった気はする。まぁコテコテの展開が好きなベタな脳の考える展開ですけど。


基地爆破シーンがギネス級。というかホンマにギネス記録。やってる規模はイーサン・ハント作品と引けを取らない。[ダークナイト]でジョーカーが病院を爆破したシーンや[リーサルウェポン3]のポストクレジットでビルを爆破したシーン、古くは西部警察の名古屋ロケで煙突を爆破したシーン(このロケをナガシマスパーランドまで小学生の時に観に行ってました)を思い出す。大掛かりな爆破シーンは観ててワクワクするし楽しいしCGじゃないというのがたまらない。そして何が凄いってこのシーンをラストのクライマックスに使わない事。使いたいやん、普通。


クレイグさん、たまに表情や顔の向きによってはジェレミー・レナーに似てる気がする。横顔とか。なんかずっと既視感みたいなのがあって([トゥームレイダー]のアレックスではなく)それの正体にやっと気づいた。たぶんコレ。悪いとかじゃなくて。過去のボンドよりもずっとカッコイイしボンドっぽいと思う。スパイっぽいというか。なんかハリウッド顔じゃないんですよね。英国スパイ顔。


個人的にはクレイグ・ボンド作品で1番好きかも。観応えは1番ある。でも作品としておもしろいのは[スカイフォール]かもしれない。

ただ、取り敢えず4作連続で一気に観てみて改めて考えると[カジノ・ロワイヤル]のポーカーのシークエンスは正直地味な印象を感じてたけど(アクション観たい人なんで)あのシークエンスこそがとてもジェームズ・ボンド作品ぽいのかな、と。『アクションをド派手に!』って傾向にいかずに(もちろん、アクションも魅せて)あのスリル感を出してるのは他のアクション映画とはちょっと違うというか。そー考えると[カジノ・ロワイヤル]の評価は高くなる。


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70勝17分7敗