髭日記

アメブロからのお引越し。

大好きな作品の続編でハードル上がりまくってたけどしっかり満足させてくれたお薦めしたい作品のお話。

130【THE WITCH/魔女 -増殖-】(初)/WOWOWさんが放送してくれました。ありがとうございます。やっと観れた。感謝してます。なぜなら前作が大好きだから。楽しみにしてました。6月にアマプラで新作が控えてる[THE BOYS]シーズン4と同じくらい楽しみにしてた。副題は《Part2 The Other One》。韓国の作品で137分あるけど長いとは感じませんね。魅せ場がテンポよく続くしキャラがどれもいい味出してるし(映画に限らずぼくはこの〈テンポ〉ってすごく大事だと思って重視してます)。ちなみにレートは〈R15+〉です。ですのでまぁまぁエグイっちゃあエグイかも。副題が〈the other one〉なのはやっぱり「2人は双子」という解釈でいいんじゃないかと思う(しれっと核心を書く)。そんで邦題についてる〈増殖〉というフレーズは前作よりも「劣等種」(それでも十分すごい)や「土偶」といわれる能力者がいい感じでわんさか出てくるのと、明らかになった組織の目的であるプロジェクトの内容とにかかってるのかなと。前作に比べて能力者が増えてますけどいい塩梅で役割が与えられてるので安売りセールにはなってない(と思う)。

最初に言っちゃうと…おもしろかった。うん、確かにめっさおもしろかった。スケールも大きくなってた。アクションも増えたし派手になってボリュームも増してた。話の展開は前作よりもシンプルで観てて飽きないと思う。前作が前半のほのぼのしたジャユンという女子高生のパート(ゆで卵口一杯に頬張る顔の可愛いこと可愛いこと)から急アクセルで物語が加速していきましたけど、今作は初っ端からアクセル踏みっぱなしでぶっ飛ばしてます。それは前作で丁寧に能力者や研究施設とかの描写をしたおかげで今回は『能力者とはなんぞや』をある程度端折れてるんですよね。続編の強みだと思います。いい作品です。好きです。てか、大好きな部類です。

でも、前作の衝撃は超えてないと思う

主人公が変わった事やアクションがCG感増し増しやったとかそんなんは減点対象じゃないんですよ。ただ単純に前作のクライマックスのネタバラシのクオリティーが凄すぎた。贅沢な感想ですね。[ダイハード]と一緒。前作の1番の魅力はアクションやプロットよりもあのシナリオやと思うんで。《THE SUBVERSION》とつけられてた副題の『転覆』という意味は伊達じゃないですよ。ただ、前作の(まぁおそらくシリーズ通しての)主人公をまるでラスボスかのような悪役みたいに見せるやり方はなかなかインパクトありましたね。いいセンスだ。

オープニングのシーンは前作では描かれてなかったジャユンの幼い頃の描写なんでしょうね。前作を観てるとちゃんと繋がる。それをあの人が夢に見るというのは〈予知夢〉という捉え方でいいのかしら。でも、この少女がジャユンだとすると『母親から探されてる(意志が繋がっていて声が聞こえる)のは私じゃなく妹』って台詞にちょっと違和感はありますね。それかジャユンにも"幼い頃は聞こえていた"のか。序盤のシーンで、ガスが充満していくバスの中で3人目か4人目くらいでピンクの服の女性がしばかれるんですけど、その女の人がガラスの方にとんでもない勢いで吹っ飛んできます。笑うくらい吹っ飛んでく。もしよかったら注意して観てみて下さい。笑っちゃうから。

個人的には今作のユニオンのエージェントや4人の土偶とか出てくるキャラたちは最高に近いクオリティーやったと思います。まぁ前作のアップグレード感は否めない("焼きまわし"とかじゃなく)部分もありますけどね。厨二感もとてもいい感じ。特にソ・ウンスさん演じるチョ・ヒョン隊長とジャスティン・ジョン・ハーヴィ演じるトムのコンビがお気に入りでした。ただのモブでもコメディーリリーフでもなくちゃんと魅せ場もあるしカッコいい。最初は隊長の英語の台詞がちょっと取ってつけた感があってアジア圏の演者の呪いというか「限界」とまでは言わなくてもハリウッド作品でメインを任されるのはまだだいぶ先なんやろうなと思わされたりしましたけど、英語と韓国語の二カ国語を喋る事の違いを上手く使っていい感じのコミカルな設定にしてあってよかったです(これは個人的にはトムの功績やと思いますが)。この隊長がたまらなくいいキャラなんですよ。大好きです。前作のナイフ使いといいこのシリーズはいちいち癖に刺さるキャラを作ってきやがる。あと、これはどう伝えたらいいのかわかんないしたぶん伝わらないと思うんですけど、作中で〈元曹長〉って少佐から言われたんですよ。〈曹長〉がよくないですか?"中佐""大佐"の左官じゃなくて"少尉"とかの尉官でもない〈曹長〉っていう下士官なのがいいんですよ。言葉の響なんですかね。偉くなって後陣で作戦を指揮する立場じゃなくて最前線で戦いながら部下を引き連れてるけど部下より先に突っ走っちゃうポジションというか(妄想混ざってます)。たまんないです。あ、"伍長"とかでもカッコよかったかもな(ちなみに[エイリアン2]のヒックスが伍長)。是非とも"10年前"のエピソードや曹長時代のバックボーンを知りたいキャラです。

土偶〉のリーダー格の"姉貴"が最初に登場するシーンで一服してる顔に血がついてた理由はなんだったんだろうか。アーク襲撃前のはずなんやけど。かなり交戦的っぽかったので待ってる間に何かしらの暇潰しでもしてたのかね。それか単独で他のミッションをこなしてきて残りの3人と合流したのか。この〈土偶〉の4人はホントに前作のキャラと似てる(というか設定はほぼ同じでアップグレードした上位互換キャラ)けど"姉貴"のドS感がいいですね。最初の車内の4人の会話シーン、上海ラボ出身って事で中国語(北京語)での会話なんですよね。吹替でどうなってるのかはわかんないけど字幕ならではその違いがわかるという細かい設定が上手いと思いました(クライマックスで残った2人も北京語を使ってましたね)。キャラに名前がないのも逆にいい。前作の敵キャラもそうでしたね。今作ではアクションの速度が増してるからちょっとアメコミ調になってるし速いが故に目で追うのが大変でしたけど。おまけにクライマックスではマスクしちゃうし夜間の戦闘なんで更に判別しにくくなっちゃった。No,2やと思われる男の土偶のやられ方がまるで白哉兄様の《吭景・千本桜景厳》ですやん(万人が[BLEACH]を読んでると思い込んで書く人)。結果的にトドメを刺すのが姉貴が投げたショベルなのも、超再生と無数の石の攻撃とで簡単にタヒねない身体なのでいっそのこと楽にしてやろうという同族の慈悲みたいなものやと思いました。とてもいい落とし方でしたね。

まぁ今回も主人公はクライマックスでは無双するする。前作のジャユンに負けず劣らず。てか、戦闘では無傷でしたよね。もうあそこまでいくと倒し方のイメージができない(バイオのラスボスならなんとか頑張ってウィルスを打ち込んで能力を無効化してトドメを刺すんでしょうけど)。『薬に依存しない完全体』との事でしたけどまぁまぁの頻度で鼻血出るし偏頭痛みたいなのに苦しんどるがな…と思いながら観てたけど最後に〈哀しみ〉によって覚醒する事で完全体になった、と。作中では実験体としての正式名称が『アーク1データムポイント』となってて彼女もやはり名前はありませんでした。「データム」は実験や加工する際の「基準」だそうです。ただ『完全体』としての存在なのであれば意味合い的には「フラグシップ」的な感じですかね。次作のラスボスはそれを凌駕する新たな〈超完全体〉が登場するのか、まさかの姉妹での対立になるのか、迎え撃つ準備をするペク総括がお付きの女性と立ちはだかるのか(ジャユンが動けなくなるほどのダメージを喰らったのは総括とのいざこざのはずなのでかなりの実力者なのはほぼ確定。その際の争いで負傷して車椅子が必要な身体になったと予想)、意外と実の母親とかなのか。少佐の実力も未知数ですしね。

前作のラストでのジャユンの『根本から変えようと思って』って台詞は、薬の力に頼るのではなく劇中で医者に『肉親から骨髄移植を受けろ』と言われたから施設を襲撃して薬を調達するやり方から《肉親を探す》事にシフトチェンジした…って認識でいいと思うけど、それを続編でちゃんと意味のある展開にしてる。上手く繋げたなぁ。あと、そのシーンの最後に『お母さんは…』『お姉ちゃんに…』と言われて立っていた女性の正体が"隊長"なんじゃないかと最初は思ってた。それが「組織にいた(吹替では「アークにいた」になってたけど)」って事の暗示なのかと。そこで『10年前の借り』ができたんじゃないかとも思った。ジャユンへ与えるダメージと隊長の実力も(ある程度は)辻褄は合うし。ただ、前作を観直してみてもちょっとお顔が違う(口元が違う)しエンドクレジットも(文字が)読めないのでわからない。それにアノ女性は続編で車椅子のペク総括の横に付いている女の人なんじゃないかと思うので『ほな違うかぁ』(←今ココ)。相変わらず不明なままですね。あの言い方やと〈妹〉って解釈になるから彼女もクローンなりそーゆー存在なのかもしれないですね。それならそれなりの能力や実力はあるもんね。


ただひとつ。格闘シーンで吹っ飛ぶ距離はもう少し短くていいよ。あそこまでやっちゃうとちょっと笑けちゃうわ。スピードももう少し落としてもいいかも。

あと、「あの"母親"がなぜ選ばれたのか」がわかる描写がなかった(次作で明かす?)のが唯一の『?』だったかな。前述した冒頭の〈予知夢〉がそれっぽいくらいでしたもん。母親になんらかの素質なりがあるのがわかるほんのちょっとでも何かが欲しかったしあってもよかったんじゃないかな。最後にちょっと匂わせる描写があったけどあれじゃわかんない。

ついでに言うと、この年代の俳優・女優さんが主役やメインのシリーズ続編を作るのなら間隔は短い方がいいですね。すぐに成長してしまうからちょっと時間が経つと物語の時間軸とズレるくらい見た目が変わりかねない。

 

ちなみに前作のベタ褒め感想はこの真ん中あたりに書いてあります。

https://telu0820.hatenablog.com/entry/2023/05/15/031330


〈三部作〉との事ですけど丁寧でよくできたシナリオと設定なのでもっと続いてもいいと個人的には思うし続いて欲しい。なんならスピンオフでヒョン隊長とトムのサイドストーリーとかも観てみたい。Netflixさんあたり、どーですか?

あ、あと、エンドロール後のポストクレジットが贅沢な使われ方をしてます。着地がかなり変わります。決してスキップしないで下さいね。


◎おもしろいです。薦めたいなぁ。てか、前作を猛烈に薦めたい。

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悔しいけど、こと《映画》に関しては韓国に勝てない、いや、"現時点では"勝ててないと改めて思わされました。

 


勝103

分20

負7

 

 

 

スケールはこじんまりしてるけど良質な舞台を観たような良作なお話。

129【リバー、流れないでよ】(初)/WOWOWにて。'23年公開の舞台を主戦場にしてるヨーロッパ企画が制作した作品。久保ちゃん(乃木坂46の久保史緒里ちゃんの事です)の出演作品("友情出演"扱いですが)。原案・脚本は[時をかけるな、恋人たち]の上田誠。他にも[続・時をかける少女]('18・新内眞衣出演)、[夜は短し歩けよ乙女]('21 ・久保史緒里出演)、[たぶんこれ銀河鉄道の夜]('23・田村真佑出演)、[鴨川ホルモー、ワンスモア]('24・清宮レイ出演)など乃木坂ちゃんと縁のある舞台を作ったりしてる方なんですが、いかんせん舞台を観に行く感覚が乏しいのでなかなかご縁がなかった。SNSのTLで見かけたり予告を目にしたり作品自体は存じてました。久保ちゃん絡んでるし。劇場で予告を観た事もあると思う。

主演の藤谷理子さんはこれまた乃木坂46のメンバーが出演してた[あさひなぐ ]('17)でキュートな副住職の郁林(いくりん)役を演じて(知って観るとものすごく郁林ぽいです)、実は今作の舞台でありロケ地の老舗旅館〈貴船ふじや〉は彼女のご実家なんですと。宿泊客の1人・クスミ役でこれまた[時をかけるな、恋人たち]でタイムパトロール隊の隊長役を演じてた石田剛太さんが出てました。観た瞬間に既視感を感じてすぐに調べた。女将のキミ役の本上まなみさんと宿泊客の作家・オバタ役で近藤芳正さんくらいしか存じてなかったんですが(これはただぼくが情薄なだけです)プロップとシナリオが良かったのでおもしろかったです。予想してたよりおもしろかった。86分というコンパクトな時間もいいんですよ。クラファンに参加したサポーターの名前がエンドロールに出てましたね。「一緒に作ってる」じゃないけどこーゆー参加型の試みはいいなと思いました。

「2分をタイムリープする」

この設定を見て『2分で何ができる?』とたかを括ってあんま期待すらしてなかったです。実際最初の数回のリープではおもしろさが微妙に見つけられなかった。雑炊の2周目あたりから少しづつじわじわきましたね。とても良くできてる。〈5分〉ならできる事が増えちゃうしドタバタ感が薄れちゃう。〈10分〉なら当然長過ぎる。「あ〜もうちょっとなのに〜」っていうモヤモヤやおもしろさが〈2分〉でちょうどよく描かれてる。タイムリープ、タイムスリップの設定で過去一短いスパンじゃないですか?〈2分〉って。それでもちゃんと成立してるんですよね。〈2分〉を計測しながらのワンショット撮影なのも演出では出せないリアルさとでも言うのか現場感や没入感みたいなのを引き出すメソッドになってるように思いました。リープに慣れて開き直ってく流れや『初期位置』や『スタートここです』とか『このターンでは無理』のフレーズもコミカルでよかったですね。犠牲者(?)が出始めたあたりで少し不穏な空気にさせる匙加減も巧かったと思います。その辺も重くならずにユーモラスに描いていたのも脚本の上手さなんでしょうね。かと思えば「髪を切る」くだりでエモエモな気分にもさせてくれる。最後のループでみんなが協力し合う大円団の流れとかちょっと感動しちゃった。よくできた脚本ですこと。まぁオチの唐突さというか素っ頓狂な部分はそんなに気にならないです。〈コメディー〉の範囲内でしょう。〈スリラー〉や〈サスペンス〉でアレなら『?』ですけど。〈コメディー〉ですから。最初に謎解きをしようとして空振りしたあたりから『あれ?ヒサメ(久保史緒里ちゃん)は?』と頭に浮かび出しての大オチなので『ほほぉ』て感じでした。ただ、久保ちゃんが助けを求める時に『凍結してて』って言うワードが雪のないタイミングなので今思うと違和感あるけどそれも〈大雪〉を匂わせる伏線だったのかしら。

お金のかかった壮大なセット(旅館のロケなんでそりゃそうですわ)で質の良い演劇を観てるかのような感覚。演者さんの芝居や台詞にも若干演劇の舞台感はありましたしね。作戦会議の時に呼んでないみんなが集まるトコとか、解除しようとする時にみんなが川縁に集まるトコとか舞台感満載でしたし。でもそれはマイナスポイントではないです。最近の映画での〈(字幕が要るような)ボソボソ喋る話し方がリアル〉的な流れに対して(まぁプロップ次第ですけど)とてもわかりやすくて明確でしたもん。まぁ舞台風味がちょい濃いのはご愛嬌の範囲内です。それよりも《言葉遣い》にほんの少しの違和感が。京都の奥座敷の老舗旅館が舞台なら京言葉を使って欲しかった気はします。接客の際は標準語でもいいかもしれんけど裏でスタッフ同士で喋る場面とかだけでも方言を出して良かったかな、と。もっとリアルでコミカルになってたと思いますね。それかいっその事《スタッフ→標準語/宿泊客→京言葉・関西弁》にして白黒を反転させて遊ぶか。背景が新緑だったり雪景色だったりというのは本来なら〈チョンボ〉なんですよね。繋がらないもん。でも「想定外の大寒波での大雪で撮影中止になるはずがスケジュールの都合上で強行撮影した」みたいな事を上田さんがラジオで話してるのを聴いてたので逆に笑えるポイントになってましたしそんなに気にならなかったですよ。まぁよりによって外ロケの逃避行のシークエンスが雪の降ってるタイミングなのは笑っちゃいました。逃走ルートなくなるループで雪消えてるし。ただ、もう一度最後のループ前にミコトとタクが和解して話し合うターン(髪を切るターンですね)も雪が残ってた。これは敢えてワザとじゃないかしら。雪景色の逃避行に合わせたと思うんです。ミコトとタクがメインのループはほぼ雪なんですよ。開き直って逆に大雪を背景の一部にして利用したかのような。敢えて印象深くする為に雪に合わせたかのようなキレイなシチュエーションでしたね。

タイムリープを使ったワンシチュエーションSFコメディ("SF"要素は薄味ですが)で限りなく低予算なんじゃないですかね(野暮な事言ってごめんなさい)。それでもこんだけ高密度でおもしろい作品が作れるんですよ。予算をバッカバカ注ぎ込んでスケールだけデカくして作る漫画原作の作品なんかよりずっとずっとおもしろいしよくできてますよ。

今作を観ていきなり『うん、これからはどんどん舞台も観に行こう!』とまではならないけど『舞台もおもしろいエンタメなんやな』という意識の上書きはできました。まぁほんのちょっと行きたくはなってます(なりかけてます)けど。単純なんで。てか、《貴船ふじや》に行きたくなりました。久保ちゃんが出てるから乃木坂繋がりで観た作品ですけど、思ってたよりもずっとおもしろかったです(もうちょっと久保ちゃん観たかったけど"友情出演"枠なら仕方ないよね)。

 


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勝102

分20

負7

余計な事は言いません。是非観れる人は観て欲しい。めっさおもしろいです。くらい言い切っちゃうお話。

128【ファイナル・インパクWOWOWで放送してた。『放送してくれた』と個人的には申したい。ありがたい。なぜなら、某Tubeで一部のシークエンス(といっても10分ほどの)を観たことがあってその動画にものすごく惹かれてて観たくて観たくてしょうがなかったけどどこでも配信されてないし調べてもWikiもなくて、やっと、やっと、やっと観れた作品だから。すげぇ嬉しい。ちなみに、日本では公開されてないらしいです。劇中の「津波被害」という表現のせいなのかな。'22年のロシアのディザスター映画。でもハリウッドの大作と引けを取らないクオリティーの作品。おもしろいです。めっさおもしろい。原題(英題)はMIRA。これは作中に登場する宇宙ステーション及びそのAIの名前。おそらく作中の言語はロシア語なんでしょう。英語の吹替がしてありました。ほんの少しだけフィットしてない違和感はあったけどロシア語の台詞より何倍も没入できるので助かりました。てか、よく考えたらこれなら吹替で観るのと変わんないって事?

冒頭から魅せてくれます。小さな隕石が落ちてくる描写があってそれがもう既にすごい。車のフロントガラスにちょっとキズをつける程度の小石サイズなんでなんて事ないようなエピソードなんですけどこのシーンで一気に興味と気持ちを持ってかれます。『おぉ!これはおもしろいぞ』と期待しちゃいます。

序盤で自己紹介を兼ねたエピソードを見せる事で競技の際に1人肌を隠すウェアだったり親友(彼氏?)が義手だったりととても丁寧な伏線を張ったりしてます(競技場でのあの行動とその後の夜の会話では「こいつ🐎🦌なのか?」とちょっとイラっとしましたけどね)。ともすればディザスタームービーと知ってて身構えて観てるからこの辺の平和な描写は退屈に感じがちですけどね。でもこれが上手く後で効いてくる。

そして30分間ほど進んだら急展開するんですけど、ぼく個人的に1番のクライマックスともいえるくらいの"隕石(流星群)が墜ちる"シーンからの約10分のシークエンスがホントにすごい。すごいです。ワンカットで撮られてるかのような緊迫感(某tubeで観た動画はこのシークエンス)(コレです。もしよかったらお試しにどうぞ)

https://youtu.be/goYRQ4Xhzk8?si=uc5gLydfeTM-0FkJ

なんなら怖いくらいリアル。ここだけ何回も繰り返して観れます。〈墜ちた衝撃波から身を隠す〉という瞬時の判断がすごく好きでした。例えるなら[閃光のハサウェイ]の市街地戦のシークエンスで離れたところに着弾した衝撃波に備えて1人だけ耳を両手で覆って鼓膜を守ったエメラルダの仕草みたいな地味だけどリアルでカッコイイ作り手のこだわりの描写、みたいな(伝わらない)。天体ショーから一転しての災害という流れもどこかありがちなリアルさを感じさせる。言葉悪いけど〈平和ボケの怖さ〉とでも言いますか。拙い語彙力では説明しきれないので是非観てもらいたい。観ればきっとぼくと同じように語彙が追いつかないから。色んなこのジャンルの映画で被災シーンを観てきたけど頭ひとつ抜け出してるリアルさとでも言うのか。怒られそうな不謹慎な事を言いますけど、こーゆージャンルの映画を観ると被害は甚大であればより甚大な方がいいしリアルであればよりリアルな方がいい(あくまでもフィクションとしてね)。引かれるついでにもっと言えば劇的になるのであれば犠牲は多いに越した事ない。ただ、ぼくがしょっちゅう言う《風呂敷の大きさ》ってのはすごく大事でこの作品はそこら辺の塩梅がすごく上手い。絶妙。

市販されてるぬいぐるみや街頭の監視カメラから看板や信号、果ては個人の義手までを遠隔操作して娘を救うために利用するアイデアは秀逸ですね。できるかどうかは別にしてもなんかできそうでリアルだし(実際にできたら怖いけど)。AI(MIRA)がその方法を『レーラ(娘)を安全な場所に連れて行く事がを貴方(アラボフ)を(安心させて)脱出させる1番手っ取り早い方法』とか提案するなんてイキな事をするから惚れそうになる。地上(娘)と宇宙(父)の場面の切替も巧くてちょいちょいセンスを見せつけてくるんですよ。暗転したり繋ぎ合わせるだけじゃなくアクションをリンクさせてる(説明難しいな)。自然というか気づいたら場面が切り替わってるような。怪我をした弟を抱き抱えて絶望しかけた時にヘリの扉から義手が見えた時、不覚にも泣きそうになりました。ドラマチックないい脚本ですよ。そしてこの時にヘリに手をついたレーラのカットソーの袖口から火傷の跡が少し見えてそれを目で確認するミシャの視線が描かれてるのが細かい。そして宙ではMIRAとの別れ。コンピューターのシャットダウン史上1番感動します。

最後の舞台がタンカーになってから正直ちょっと間延びした感はありましたけど、炎を克服する流れで伏線を回収してくのは良かったんじゃないですかね。ちょっと[バックドラフト]感ありましたし演出がtoo muchで泣かそうとしてる圧みたいなのがありましたけどそんな毛嫌いするほどじゃあない。ただ、ちょっと作品のテイストが微妙に変わった感はありました。おまけに錫とかライティングで少し汚れたヒロインのお顔がそれまでの極東顔(悪口じゃないです)じゃなくてちょっとラテン系に見えちゃうという弊害が生じてました(極めて個人的な感想です)。でもまぁ「ダメ」じゃないですよ。最後の最後まで自分に時間がない事を告げずに娘を追い込まなかった代償に自分が犠牲になるなんて愛(優しさ)しか感じないでしょ。義手をハックするくだりを考えた人はしたり顔でしょうね。よくできてますよ。このシーンを1番描きたかったんじゃないかな…なんて思いますけど、序盤で子供が閉じ込められた車のガラスを叩き割ったり、前述のヘリの扉のシーンをわかりやすくキレイに描けたり、クライマックスで船内の熱で熱くなってる扉とかを操作できる整合性を持たせたり〈義手〉というプロップはとてもこの映画をドラマチックにしてるファインプレーやと思います。

エンディングが「地球が滅ぶのを救う」だの「人類滅亡の危機」だのと大きな風呂敷を拡げ過ぎてないところがいい。すごく好きです。『娘のために』。コレがこの作品が締まっておもしろい理由のひとつでもあると想うんですよね。勿論、特撮がすごい。でもこの絶妙な"ありがちな"サイズの風呂敷がいいんですよ。ただ娘を救いたかった父親の愛だけなところがいい。クライマックスの『(お前を)助けさせてくれ』とかすごく良かったですよ。だから風呂敷もキレイに結べてる。そー考えると至ってシンプルな映画なんですよ。でも飽きさせない。ずっと没入させてくれる。

アルマゲドン]や[ツイスター][ディープ・インパクト]とかと肩を並べても遜色ない作品だと思います。いや、充分並ぶ。それくらいおもしろい。〈着地〉のキレイさまで含めたら一、二を争うくらいいい出来だと思います。キャストや製作陣のネームバリューがなくてもプロットと撮影技術があればおもしろい作品は撮れるよという見本のような1本。これは大きなスクリーンで観たかった。これから劇場公開されても観に行く価値はあるかもしれない。配信されてなかったりとなかなか視聴できる機会や条件はないかもしれないけどできれば観て欲しいし薦めたい作品です。是非観て欲しい。今のところ今年の"はじめまして"で1番です。

おもしろかった。


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勝101

分20

負7

一連の継投があまり上手くいかなくてよくない流れを断ち切れないままなんとか抑えはしたものの拍手をもらえるほど綺麗なリリーフで試合を締め括れなかったんじゃないかなっていう作品のお話。

127【エイリアン: コヴェナント】(Alien: Covenant)(初)/WOWOWにてはじめまして。シリーズ一気放送の最終作。'17年の作品で前作[プロメテウス]の続編。シリーズでナンバリングするなら6作目にあたる作品。前作でタイトルに「エイリアン」の冠を入れなかったのになぜまた入れたのか。[プロメテウス]で抜いた事に拘りはなかったんかい。今作も別に入れなくていいやん。[コヴェナント]でいいやん。ちなみに「コヴェナント」は「契約」の意味らしく「ユダヤ教キリスト教においてコヴェナント=ユダヤ人と神との契約を意味し、神がイスラエルの民に与えることを約束した「約束の地」を謳ったものであり、聖書からの出典」との事です(Wikiより)。ほら、やっぱ入れなくていいやん。

「固っ苦しい」そんな印象の映画。前作[プロメテウス]もどっちかといえばそんな感じしたけど。なんか純粋に「エイリアン」を楽しむのではなくなんかちょっと身構えて背筋を伸ばすような感覚。窮屈とまでは言わないけど。もっと"単純"でもいいような気はする。冒頭のあの広い部屋の雰囲気やデザインから監督のこだわりが伝わってくるけどなんか違和感じゃないけど『あれ?なんか違う?』という不穏な感覚。リドリーさんってこんなスタイリッシュなセンスありましたっけ?という変な偏見も。[ブレードランナー]のごちゃごちゃで武骨なイメージが強いから。アルファベットが分解された直線で組立てられていくオープニングタイトルは1作目と同じですね([プロメテウス]はちょっと違った)。観始めて最初は〈デヴィッド〉?〈ウォルター〉?乗組員は…ウォルター?あれ?デヴィッドは?と思ったけど、冒頭のシーンはプロメテウス号の出発前でデヴィッドは前作のデヴィッドでいいらしい。かなりややこしい。一言くらいテロップや字幕でのサポートは欲しかった気はする。ウェイランド(ガイ・ピアース)の見た目の年齢くらいしか判断材料がないもん。

コヴェナント号の副長のクリスになんか既視感があると思ったら[M:i:Ⅲ]でデイヴィアンと裏で結託してた黒幕のマスグレイブ役のビリー・クラダップでした(前作のソロモン・レーンといい何かとインポッシブルな世界線と繋がりがありますね)。主人公のダニー役のキャサリン・ウォーターストンは今作ではちょっと『角野卓造じゃねぇよ!』感がありますけどホントはとてもキュートな人。童顔ですごくかわいいのでよかったら画像検索してみて下さい。前作と今作でほぼ主役と言っていいデヴィッドとウォルターを演じたマイケル・ファスベンダー([X-MEN]シリーズの若い頃のマグニート役)の無機質なアンドロイド感はよかったですね。作品に品と不気味さを与えてます。クライマックスで仕留めた後の安堵なのか残念なのかが微妙な表情がなんとも素晴らしい。最後にマザーにリクエストした曲は冒頭にピアノで弾いた曲でしたね。この辺のあざとさ、嫌いじゃないです。ラストのバトルがほぼタイマン一騎打ちなのはシリーズ通しての流れですね。ただ、前作は大イカ化け物に始末させたからシリーズ中で唯一ちょっと違う。〈エッグサック〉の胞子から寄生し感染するというのはオリジナルより正直怖い。前作の液体ですら十分怖かったのにその液体よりも怖い。でもオリジナルの怖さを超えないで欲しかった気もする。てか、もう別の生態系になっちゃってるし。乗組員たちのドタバタは前作よりも拍車がかかってますね。いい感じにパニくっていい感じにバタバタしていい感じにハプニングを起こしていい感じにストーリーが展開してく。

時間が経つと[プロメテウス]と今作は内容がごっちゃになってしまいそう。事実、液体と胞子の感染方法がごちゃ混ぜになってしまっているとこもある。あと、〈聖書〉のくだりを扱われると途端に話しが難しく感じるし一気にリアリティーがなくなる…というかとても離れた世界のお話に感じてしまう。知らないから。まぁこれは無知な自分を恥じるべきなんでしょうがなかなか感情移入や物語に入り込むのが難しいのが正直なところ。そもそも〈神〉とか〈人類の起源〉とかまで行っちゃうとちょっと風呂敷が大き過ぎるのね。そりゃ着地は難しいよ。観終わってから『ん?[プロメテウス]から繋がってなくね?』と思って調べたら、本来はこの間にもう1作作る構想やったとか。それが頓挫してるっぽいけど、あかんやん。要るやん。前作の謎が結構放置のまんまでしょ。

[4]の時に書いた『海外は〈モンスター〉の怖さ。日本は〈お化け〉の怖さ』っての。そうなんです、前作と今作は1作目の〈ホラー〉感よりも〈モンスターホラー〉に寄ってしまってるんです。怖さの種類が変わっちゃってる。おまけに〈アンドロイドの自我〉や〈創世〉とかをちょっと前に出し過ぎてしまってて少しジャンルがブレてしまいかけてる気はする。前作の〈人類の起源〉といい『違う、違う、観たいのはそっちじゃないよ』という方向に導かれてるような感覚はあります。

誰かが言ってた。『謎だから怖い』。わかる。45年前のスクリーンでなぜ小惑星LV-426にスペースジョッキーの死骸があったのか、なぜ夥しい数のエッグチェンバーが並んでいたのか。謎のままでも十分成立するし、十分怖い。それを改めて解き明かしてしまう結果になった(勿論、そのまま「謎」にしておいてもよかった気もしなくはない)けど、これはもちろん〈蛇足〉なんかじゃなくてある意味監督の自己満足(語弊あるな)とシリーズファンへのプレゼントやと考えてもいいと思う。そして、もしかしたらリドリー・スコットは前作・今作の興行収入なんてどーでもいいんじゃないかな…とまで思っちゃう(元論、ヒットさせる前提で作ってるでしょうけど)。産みの親でもある自分の頭の中にある作りたいものを観て欲しい人たち向けに作った。押し寄せる大群との迫力ある戦闘シーンや命懸けの鬼ごっこや水中を泳いだり人間のDNAの影響で造形から生態が大変わりしたりしたのを…いやいや待て、と。そっちじゃないよ、と。そうじゃなくてね、と。『[エイリアン]の正史はコレなんだよ』と言わんばかりに。だからってワケじゃないけどそれなら宙に浮いた3部作の残り1作も是非ともカタチにしてもらいたい。この壮大なスペースオペラをこんな中途半端な状態で幕引きさせるなんてしちゃダメだよ。できるかどうか、やるかどうかはわかんないけど、今作のような賛否両論出てくるシリーズの終わり方じゃなくて『さすがリドリー・スコット!』って問答無用で言わしめるくらいの1作目のような作品でシリーズを締めくくって欲しいと個人的には思っちゃう。

今作のあの絶望のエンディングはすごく好きです。だからこそもう少し上手く(わかりやすく)原点(1作目)に繋げてもよかった気がして少し歯痒いです。ただ、個人的にはあのラストのアノ〈胚〉はなくてもよかったんじゃないかなと思ったりもする。気味悪さと絶望感は増すけども。[1]ではそんなん関係なかったやんって。もう1作品それで作らないといけなくなる。てか、オリガエ6で何が起こったのかとかも投げっぱなしじゃダメでしょ。やっぱもう1作要るよ。普通に観たいし。

 


○(△かもなぁ)

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勝100

分20

負7

ボッコボコに打たれたピッチャーの継投に満を持して誰もが信頼できるはずのレジェンドが登板したけど期待されるような完璧な抑えができずにちょっと自責点がついちゃったみたいな作品のお話(『敗戦処理』だなんて言ってません)

126【プロメテウス】(Prometheus)(初)/'12年の作品で[エイリアン]の監督リドリー・スコットによる第1作目の前日譚でシリーズ通しての5作目。ところどころ観た記憶があるシーンはあるけどちゃんと通して観るのは今回のWOWOWの"シリーズ一挙放送"がはじめまして。

難しい。『わかりにくい』と言うべきか。一回観ただけでは『?』が多い。そもそも今作単体で回収されてない謎も多い。「続編ありき」だとしてもちょいとばかり風呂敷を拡げ過ぎてないかと思っちゃう。物語は1作目('79)をトレースするかのようなオーソドックスな(ベタな)展開。それを美しいビジュアルで丁寧に見せてくれている感じ。登場人物も企業側の人間、アンドロイドと1作目に通じる(というかシリーズ通して)キャラがいて、シャーリーズ・セロン演じるヴィッカーズの凛とした佇まいと所作やデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)のアンドロイドとしての少し無機質な感じとかはとても好き。シャーリーズさんは元々は主人公のエリザベス・ショウのオファーがあったけど[怒りのデスロード]と重なって断ったらしい。んで、[マッドマックス]の方が延期になってしまって逆オファーしたらヴィッカーズなら空いてるという事で引き受けたとか。セロンさん、表情によってはすごくかわいく"女の子"みたいに見える時ある。37歳(公開当時)には見えん。最期は失笑しそうなお粗末でしたが。おそらく観た人全てが『横!横!』って画面に向かって総ツッコミしてるんじゃないですかね。モヒカンの破天荒な学者のファイフィールドを演じたショーン・ハリスは[ミッション:インポッシブル]シリーズのソロモン・レーン役の人。喋り方に癖があるのですぐにわかった。好きな俳優さんのイドリス・エルバ([ダークタワー][ワイスピ・スーパーコンボ])がヤネック船長役で出てる。

プロメテウス号の内観が過去作の宇宙船の貨物船や大型艦船の無骨な感じと違いS•Wのデススター感というか(前作の実験宇宙船オーリガもこっち寄り)スタイリッシュで豪華というか。外観はすごくカッコよくて好きです。個人的なツボはコクピットのガラス(フロントガラス的なガラスの事ね)にシャッターのようなシールドがついてるのが細かくてリアルでいいし、わざわざ惑星LV-223の到着前にそれを開く描写を入れるのもいい。劇中の登場人物たちの行動やドタバタがちょっとナンセンス寄りな気もするけど、まぁそれはシナリオを進めるには必要な演出効果でもあるし(元も子もない)、あんま野暮な事は言わないし冷めた目でツッコむのはスクリーンや画面のこっち側の人間の観点であって極限状態に置かれた人の行動として考えるとそこまで違和感もなくはない(ないワケではない)。犠牲になる乗組員の末路がバラバラなのは寄生された方法が違うからという認識でいいのかしら(凶暴性と身体能力が増す描写はちょっと理由がわからないけど)。その辺も〈フェイスハガー→チェストバスター〉のオリジナルの流れに捉われて観てると『?』てなっちゃう。そーゆーのも含めてシリーズ作品のオールドファンからするとちょっと違う方向に進んでっちゃった感もなくはない。てか、正直ちょっとある。でも[4]よりはマシやと思う。あと『前日譚』(?)だけあって原点(1作目)に寄っていく過程は観ていてワクワクする。スペースジョッキー(エンジニア)が座るあの座席が出てきた時とアノ姿になった時はニヤけちゃいましたね。クライマックスで自分が乗ってない宇宙船にカミカゼアタックを提案するのってかなり鬼無茶ブリですよね。そんで自分が生き残るから余計に鬼畜感ある。最初、ヴィッカーズを脱出ポッドで射出した際に彼女の住居モジュールも切り離したのが例の生物を特攻に巻き込まないように(結果的に保護するカタチ)したのかと疑ったけど、ただ単に脱出した後の彼女の事を思い遣ったヤネック船長の計らいなのかと納得した(たぶん)。ウェイランド社から「保護する」事をインプットされてたプロメテウス号のプログラムなのかもしれんけど、これはただの邪推でしょうかね。エンディングは『それでいいの?』て感じはした。かなり虚をつかれたというか『なんやそれ』って素で声に出た。なかなかお見かけしない稀なトリッキーなオチですな。エリザベスの言ってる事はわかるけど。あと、あのイカの化け物は結局フェイスハガーの祖先って事でいいのかね?

これは個人的な見解なんですけど…。[SW]もepⅣ〜Ⅵの後に遡ってepⅠ〜Ⅲをやったでしょ。その時も起きた現象で「時代が戻るのに技術が進歩してる」とか「昔の方が優れてる」的な変なパラドックスみたいな違和感。製作してる年代の技術が進歩・発展してるからそりゃ当然イイものや超えるモノは作れますよね。でもそのベクトルと作品の中の時系列のベクトルが合わない。向かう方向が「過去」で逆になってるから。撮影技術も然り。時系列的に過去の作品が技術で超えてくるとともすればオリジナルが過小評価される弊害も起きちゃう。『ショボく見える』とまで蔑んだ言い方はしないけど。難しいですよね。SFは特に諸々の技術の進化が如実に表れるジャンルやと思うし。

一応、形式上では『前日譚』なんですよね。あくまでも。『続編』ではない。タイトルに《エイリアン》を入れてないのもそーゆー事なんでしょうね。「《エイリアン》は'76年の1作目から始まるやで」っていう作り手の拘りなのかな、と。知らんけど。全編を通して壮大な美しい映像、デザインを堪能できる物語の着地点のぼんやりわかっているスケールのデカい後出しジャンケン(いい意味で)。そんな作品。嫌いではないです。「趣味か?」と言われるとたぶん答えは『NO』ですけど。観る前は〈前日譚〉と聞いてたからそのつもりで観たけどなんか〈前日譚〉とも少し違う気はするし、個人的には《人類の起源》とかの大風呂敷より《エイリアンの出生起源》の方が〈前日譚〉としてはしっくりきたし風呂敷も上手く結べるような気はしますけどね。

ただ、どーしてもオープニングの意味が全くわからなかった。なんか大事なキーポイントを観逃したのかと思った。わからな過ぎてちょっと調べたら公式HPに書いてあるんですって。『遥か太古の地球を訪れた宇宙人が…(略)…これにより人類の起源となる新型遺伝子が誕生した』ですと。そんなん観ただけじゃわからんて。地球やと思わんて。舞台のLV-223て思うやん。てか、それって今作のキモの『人類誕生の謎』の事じゃないの?オープニングで答え出てしもてるやん。

 


○(ギリギリ○。シリーズファンとして。ほとんど△)

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勝99

分20

負7

シリーズ続編やけど明らかに『ん?』ていう続編のお話。

125【エイリアン4】原題は[Alien: Resurrection]でシリーズを通して初めて副題がついた作品。「Resurrection」は「復活」や「蘇生」。'97年のフランス人監督のジャン=ピエール・ジュネ作品。WOWOWでやってたから観たけどおそらく2回目。初見以降観てなかったからぼんやりとしか憶えてなかった。「完全版」ははじめまして。個人的な印象ですけど〈1作目→黒〉〈2作目→青〉〈3作目→黄色(土色)〉〈4作目→緑〉ってイメージ。最初に言っときますけど、今作は好きじゃないです。


やらかしてるのは前作の[3]ではなく今作。


元の宿主からのDNA、遺伝とかを考えたら生殖能力が変化したりするのは必然の流れかもしれない。けど、それはやっちゃダメなのよ。いや、やり"過ぎ"ちゃダメなの。以降の生態がフェイスハガーもチェストバスターもエイリアンの成長過程を端折る事になっちゃう(まぁ〈前日譚〉ができてしまった今となっては[2]の「クイーンの産卵嚢から卵が産まれる」というアイデアも微妙に感じなくもないですが…)。[根本]をイヂんなや。おまけにニューボーンでビジュアルまでをイヂり過ぎてしまった。[3]の時に書いた『真ん中の背骨の柱』をイヂっちゃってる。この後このバトンを引き継がずに〈前日譚〉でシリーズが続いてる事からも今作のベクトルが望まれてない方向へ舵を切った表れなんじゃないかなと思う。この後の展開はやりにくいでしょ。そりゃ[5]に続かないよ。ここでこのシリーズは死んだも同然になってしまった気はする。それも望まれてない最期を迎えたような。罪のレベルは[SWepⅧ]と同じくらいのやらかし。だから[プロメテウス]でのシリーズ復活は文句は言われたとしてもそれ以上に評価されるべきじゃないかなとぼくは思う。また、蘇生させるのが産みの親のリドリー・スコットなのは必然であったのかもしれないし他の人なら無理やったような気もする。

個人的に褒めるポイントは2つくらいでひとつ目は《仲間の体液を利用して逃げる》というアイデア(ただ、その直前の仲間同士の会話みたいな描写はもっと尺は短くて良かったと思う。あの尺やとちょっと邪魔。というか笑いそうになる)。シナリオ上ではそれくらい。〈泳ぐ〉?いや、泳がなくてもいい。そこを目玉のひとつとして作ったんでしょうけど。いらん、いらん。クライマックスの決着の付け方もとても趣味が悪い。ハリウッドの作り手ならあんな描写思いつかないよ。思いついてもやらない。虫を潰す冒頭も趣味がいいとは言えないし。リプリーの姉(1〜7)たちの描写も悪趣味。エイリアンまみれの中にリプリーが沈んでいくシーンも趣味がいいとは思えない。シンプルにキショイ。オーリガの研究施設や科学者たちのデザインとかとても仏映画っぽい気がする。良いとか悪いとかじゃなく。〈クローン〉という力技はたぶんこれっきりでしょうね。キリなくなっちゃう。ただ、クイーンのDNAというのは前作からちゃんと筋が通ってて上手い。序盤から中盤くらいまでのリプリーがとてもホラー。下手なホラー映画より気味悪い。前作がカッコイイ衣装やったのに比べてB級感丸出し、もしくは自主制作レベルのお粗末な衣装。エッグチェンバーを並べた罠はちょっと観応えあったけど、あんなトコに簡単にクイーンが産むもんかね、とすぐにすーんてなりました。簡単にセットできる対人地雷みたいな使い方すな。飛び出したフェイスハガーがよりによってリプリーに張り付くのはちょっと笑っちゃった。自力で引き剥がすのはリプリーしかできないからまぁしゃあないのかもしれんけど、『またかよ』って思って。笑わせにきたのかと思った。ブリースを背負ったクリスティーも足にぶら下がってるのが屍なら襲ってくることもないワケやし体制を整えてて落ち着いて振り解けばあんな離脱しなくて済んだんじゃないのかなぁと。漢気というより無駄死にとまでは言わないけどさ。マイケル・ウィンコット([ロビンフッド](ケビン・コスナー版)のガイ・ギズボーンや[NOPE]のクレイジーな撮影監督役)演じるエルジンといいいいキャラなのに退場のさせ方がもったいない。逆にパーヴィスの死に際はよかった。まさかチェストバスターを武器(?)にするとは。笑っちゃった。ただ、パーヴィスの口の中からのチェストバスターのシーンはいらないよ。アニメじゃねぇんやから。一気に安っぽくなる。ベティに戻ってからのニューボーンとのクライマックスは観てらんない。全て台無しにするくらいつまんない。〈血〉の使い方はちょっと上手かったけど(バスケ云々のシーンで血液の描写があってその回収みたいなもんですよね)。てか、ニューボーンの体液や血液は強酸じゃないのかよ。

ウィノナ・ライダーがコールのキャラといいとても今作だけで終わらせるにはもったいないのよね。コレがふたつ目のポイント。前日譚2作目では無理やったかもしれんけどその先シリーズが続くようならなんらかのカタチで再登場してくれないかな。

ハリウッドのホラーは『わっ!!』って背中を押したり『ドンッ‼︎』ていう音とか映像でビビらせる王道スタイルで、ヨーロッパ(イメージはイタリア)のホラーは痛い描写を見せつけてくるゴアな感じ。今作はコレなんですよね、なんとなく。日本のホラーは見えるはずのないモノが見えたりいるはずのない人(モノ)が黙って立っててビビらす感じで1番タチの悪いやり方。1番怖い。あと、海外は〈モンスター〉の怖さで日本は〈お化け〉の怖さ。この違いは大きいと思う。お国柄の感性の違いなんでしょうけど。特撮やCGの技術が発展して昔ならとても観ることのできない映像が観れるようにはなったけど、根っこの部分はたぶん変わってないと思う。だから《ホラー》で1番怖いのは和製やと個人的には思いますね。もし仮に日本の監督がこのシリーズを作ったらたぶんとびっきり不気味で怖くなると思う。作品のテイストは変わるでしょうけど。

今作に話を戻します。横着な言い方をすれば『スピンオフでやってくれ』って映画に近いと感じてしまう。シリーズの完結編は[3]でいい。それでも[プロメテウス][コヴェナント]の世界は成立するから。こんなん作るくらいなら前作で終わらせておいた方がよかった。

そもそも種の継続・存続の観点からすると〈卵を産む〉(複数の卵が産める)のと〈子宮から産まれる〉とではどっちが正解なのかという疑問。元々の生態なら確かに苗床になる存在が必要になるのに対してニューボーンならその苗床は必要なくなる。ただ産卵数は多数の卵と1匹のニューボーン。これは進化なのか退化なのか。おまけにこの生態やと生殖する相手が必要になるワケでしょ。実際、今回ニューボーンがクイーンを◯しちゃったから種としては途絶える事になっちゃう(ニューボーンに単為生殖能力があれば話は別)。

やっぱ[3]はまだちゃんとおもしろいよ。今作を観るとそれがよくわかる。


△(✖︎でもいいけどシリーズファンとしての忖度)

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勝98

分20

負7

 


《追記》

とここまで書いてメモに保存してあったらどうやら新作の[エイリアン:ロムルス(原題) / Alien: Romulus]がこの夏に公開されるらしい。1作目(リドリー・スコット作)と2作目(ジェームズ・キャメロン作)の間の話とか。ちょっと楽しみですね(今作の延長じゃなくてよかった)

 

 

読んでもらえてる方ならもうお察しだと思いますがシリーズ一気放送を観てますのであと2作このシリーズが続きます。よかったらお付き合いください。

結構けちょんけちょんに酷評されてるけどホントはおもしろいよっていう続編のお話。最後に書いた疑問については知ってる方がいらしたら真剣に教えて欲しいです。

124【エイリアン3】'92年のデヴィッド・フィンチャー監督作品([セブン][ファイト・クラブ]の監督で本作が長編映画デビューだとか)。シリーズ3作目。1作目と2作目に比べて酷評されがちな作品ですね。WOWOWで放送されてた「完全版」を(完全版は'04年公開でオリジナルより30分ほど長い)。完全版ははじめまして。憶えてたエンディングと違った。

ターミネーター]と一緒で1作目と2作目が偉大すぎたんですよ。単体で観るとスケールダウンは否めないけど普通におもしろいですよ。リプリーの最後のケジメの付け方も個人的には好きです。あの『あーあぁぁぁぁ』という最後の一口に苦いモノを食べさせられたかのような決してポジティブではない余韻は後々[セブン]や[ファイト・クラブ]を撮る人の感性やなぁと。ただ、[T2]('91)のすぐ後にアレやっちゃったらアレコレ言われますわ。タイミングが悪い。いや、違うな。アレはどのタイミングでやってもアレコレ言われるからタイミングの問題ではないな。あのくだりは[T2]のパテントみたいなとこあるから。

今作を〈駄作〉とは思いません。なんなら良作じゃないかと思う。ただ《エイリアン》の冠をつける作品の重責や1作目・2作目の偉大さに比較されてしまって妥当な評価を受けきれてないんじゃないかなと。減点ポイントはいくつかありますよ。CGの粗さとかキャラの区別がしにくいとか。なにより『フェイスハガーの胚からチェストバスターになるまでの時間』で大きなラグを生むという大チョンボをしちゃってる。これはちょっとやそっとじゃフォローできないですよ(『クイーンだから他のチェストバスターより時間がかかるんじゃねぇの?』というのが精一杯のフォロー)。あと、リプリーをあの状態にするという暗黙の了解でのアンタッチャブルな不文律を破っちゃった。これは受け取る人によっては『ジョン・コナーを◯◯に…』という[T5(ジェニシス)]レベルの蛮行に捉えられても仕方ない。ぼく個人的には『おぉ!よくやったな』とおもしろかったですけどね。ぼくは好きです、このアイデア

他にも褒めれるところもあって、「囚人のみの惑星」「四足歩行のエイリアン」はとてもいいプロットやと思います。〈囚人しかいない〉からリプリーが孤立したし、今作のある意味トレードマークになった坊主頭になり、武器を持たされていないという流れが自然に成立してる。〈四足歩行のエイリアン〉だから建物内の迷路のような通路を駆けずり回る際に天井や壁を走れたり、クライマックスの鬼ごっこに緊迫感を生んでる。過去の〈ビッグチャップ〉や〈ウォリーアー〉ならあのスピード感は出なかったでしょ。〈フェイスハガー〉や〈チェストバスター〉ならすばしっこいけどそんな鬼ごっこならそこまで怖くないし(怖いけど)。ね、ちゃんと筋は通ってるんですよ。

ただ、〈囚人〉を素材にしてみんな坊主にしちゃったから誰が誰だかほとんどわかんない。普通のシーンでも区別つきにくいので走り回られたら更にわかんない。せっかく〈囚人〉という設定があるのなら、わかりやすい部位に囚人番号的な目印になる数字をつける(ワッペンなり刺青なり)とか、身体に管理チップのようなものを埋め込まれてそれがモニターでわかって誰がどこにいてどう逃げているのかわかりやすく描写したりしてもよかったんじゃないかなと思う。せっかく〈バーコード〉というもってこいのプロットがあったのに。まぁ〈誰がどこで被害に遭ってるのかわからない「恐怖」〉が演出のひとつだったのならアレコレ言いませんが(言いたいけど)。それか、もっと見た目でキャラを区別するなり配役に違い(年齢的なモノであったりキャストの国籍的なモノとか)をわかりやすく表現できてたらなぁと。文句ついでに言わせてもらうならリプリーとクレメンス(医師)が心を通わすのは会話だけでよかったでしょ。身体まで重ねる必要性はなかったよ。要らないと思う。絶対。リプリーが安っぽい女に堕ちちゃう。あと、最後に出てくるのはビショップじゃなくてアッシュの方がよかったんじゃないかなぁとぼくは思う(後述でちょっとフォローしますが)。リプリーと対する立場なら絶対にアッシュの方が感情移入はしやすいしリプリーの悲壮感みたいなのは際立ってたはず。「安堵」から「絶望」への転落を劇的に描きたかったのかもしれないし、交渉の言葉にリプリーが(一時的とはいえ)耳を貸す展開ならビショップの方がしっくりくるのかもしれんけど(アッシュなら聞く耳持たずに頭ごなしに否定するでしょうね)。でもやっぱアッシュでも成立するしアッシュの方がしっくりきたなぁ、うん。

ずっと今作は〈宗教色〉が濃い印象を持ってました。フューリーが戒律で規律が保たれてたのはかろうじてぼんやり憶えてたから。今回観直すまでは。実際は案外そーじゃなかった。もっとそれが色濃い印象があるのは次の[4]。ちょっと苦手な感じの印象。監督がフランス人やからかしら(偏見)。1作目と2作目はちょくちょく観直すんですよね。好きだし。特に[2]なんて。何回観たことか。でも今作以降はほとんど観直さなかった。円盤も持ってない。おもしろいとは思うけど「華」がないというか。観たくなる惹き寄せる〈何か〉がぼくにはあまり感じられない気がして一回観たらもうしばらく観なくていいかな…て感じてた。でも今回改めて久し振りに[3]を観てみて記憶の中の評価よりおもしろかったのでまた観直しそうです。

冒頭で前作のキーパーソンをしれっと退場させた事を「悪手」って言う人いますけど、そりゃ別の監督が作るのなら一回リセットしたくなる気持ちもわかるので何とも思わないですね。それは[ニュー・フェイト]のジョンの扱いとはワケが違う。それに何よりあの〈囚人の惑星〉という舞台設定ではあの2人は邪魔になってたんじゃないかなとも思うからなんなら大英断ではないかとすら思える。[2]の余韻みたいなものをぶった斬ったというか。娘である"彼女"とリプリーの最期が《溶鉱炉》で同じなのはせめてもの手向けのような気がぼくはした。そもそも根底の世界観やど真ん中の背骨の柱、基本になるビジョンをイヂらなけりゃあとはリリーフした監督の権限でしょとも思うし(ただし、SWepⅧのライアン・ジョンソン、お前はダメだ。許さない)、うん、あの2人はあの設定でやるなら要らなかったよ。ニュートを護る作品にしたら[2]の焼き回しやしね。施設の中だけを舞台にしたのは1作目のノストロモ号のような閉鎖空間を上手く使ったいいアイデアやと思うけど、鬼ごっこするには広過ぎとちゃうの?という間延び感はちょっとありました。あと今作は衣装デザインがカッコイイ。シリーズで1番カッコイイんじゃないかと思う。ちなみに、成体の呼称を『ゼノモーフ(xenomorph)』って呼んだのはこの作品からなんですね。リプリーが本社(W・ユタニ社)とメールのやり取りする時がおそらく初出。観直して気づいた(確認してみたら[1]でのマザーとのやり取りでは『ALIEN』となってた)。中盤でゴリックがやらかして閉じ込めてたヤツを放ってしまうシーンは完全版だけらしいけど、オリジナルはこの一連の流れがなけりゃどうやってたんやろう。上手く繋がってたのかしら。全然記憶にない。

『今作からシリーズが迷走し始めた』みたいな意見もあるけど、『いやいや迷走させたのは[エイリアンvsプレデター]じゃねえのかよ』ってずっと思ってる(観てないけど)。

今作は前作のハードルが高過ぎてキレイに飛び越えれずに着地が期待されたほど上手くできなかったけどプレー自体は失格じゃないよ…って感じ。もし可能なら次作の[4]を観てからもっかい今作を観てみて下さい。評価変わります。この作品がいかに〈まだマシ〉なのか、わかると思います。


最後にひとつ疑問を。冒頭でひとつのエッグチェンバーが映り1匹のフェイスハガーが活動してた([2]のエンドロール後の脚音はこの個体なんでしょう)。自然な流れならそれがリプリーに…ですけど、それならフューリーに不時着した後に活動したフェイスハガーは?同じ1匹?そんなわけない。だってリプリーの胚はクイーンですもん。牛(通常版の犬)の胚は違うでしょ。そもそも一度産卵したらタヒぬ設定でしょ?そーなるとスコラ号及び脱出艇には2個のエッグチェンバーがあった事になるしクイーン胚じゃない方のフェイスハガーも存在していなくてはならない。

そしてそこからもうひとつの疑問が。誰がそこにエッグチェンバーを置いた?[2]のクライマックスの隠れてたタイミングでクイーンが産卵した?産卵管抜いてたのに?胎内に残ってた卵?そこで浮かび上がるのがリプリーがニュートを救いに行ってた時に会社の命令で持ち出していたビショップが置いた説。そんなザワッとする考察もあるそうです。[2]のラストのビショップや今作でのリプリーとのやり取りからすると『まさか』という考察ですけど(にわかに裏切ってるとは思えない)、今作で少しだけ復活した際に意味深な事を言ったり"前述"の最後に登場させるキャスティングにはコレなら納得はいくんですよ。そして、この2つの説が同時に成立するなら〈2匹のフェイスハガー〉にも〈"クイーンが産んだ"クイーン胚と"盗み出した"通常胚という2種の点〉にも筋が通るんですよね。この件に関しては識者の方に教えてもらいたいです。ホントに。

 


○(十分に○の評価できます)

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勝98

分19

負7